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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

瑞穂の国

梅雨明けの田圃が鮮やかに広がる
瑞穂の国に連綿と伝わる心象風景だ

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2018年7月 只見線 薮神

青田が最も鮮やかなのは、梅雨明けの7月頃だと思う。今年もそんな時期が近づいてきた。日本人の遺伝子に刻まれた田園風景と云うのは、田圃と民家や集落が上手く調和した風景にあるのだろう。そんな米作りの営みが感じられてこそ、瑞穂の国の眺めというものだ。列車は魚沼米の青田の中を、右から左へと僅かな勾配を登って往く。それに合わせて、田圃にもちょっとだけ段が付いている。その落差を上手に利用して、全ての田圃に水を引くことが出来る。まさに一朝一夕には成し得ない、長い水稲栽培文化の結晶だ。左手に見えるのが、JA北魚沼のカントリーエレベーターだ。収穫期には、エレベーターが魚沼産コシヒカリで一杯になることだろう。同じ魚沼米でも、朝夕の温度差が大きい山沿いの方が美味いといわれる。春夏秋冬、美しい瑞穂の国の四季を感じられるこの線区は、例え列車が少なくとも、水稲文化の遺伝子に響く、心地よい場所だ。


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  1. 2019/06/16(日) 00:00:00|
  2. 只見線
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田野の築堤

南九州の盛夏の日差しはしんどかった
それでもひたすら線路を辿る日々だった

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1973年8月 日豊本線 田野 

電線をどうにかしろよ!何て言わないでほしい。今日の一枚は只々懐かしさ故に選んだもので、写真の善し悪しを問うようなものではない。田澤義郎さんの「南国の薔薇」のごとく、田野の築堤は片井野川橋梁を入れてサイドから狙うのが好きだったが、それではこの築堤の全容が分からない。そうなるとこの定番ポイントだ。ちょうど線路を横切る道があったので、多くのファンが立ち寄ったお手軽ポイントだった。

田野の駅は写真の右端あたりにある。田野から線路を辿ってこの場所まで約1.5km、20分程の距離だ。片井野川の谷戸を渡るためにこの築堤と橋梁がある。開けた河川敷と川沿いに連なる田圃によって、絶好の見通しが確保されている。この日の591レは65号機だった。田野での1時間の停車を利用して、田野到着と停車風景を撮ってから、急いでここまでやって来た。こう天気が良いと、さすがに体力を消耗する。

着いて間もなくして、65号機の牽く貨物が築堤を渡ってきた。これから門石信号場へ続く登攀が始まる。南九州の炎天下だけあって夏の黒煙だ。今なら朝夕のサイド狙いに集中するところだろうが、この頃は今以上に未熟だった。つまらない写真ばかり撮っていたが、それでも現役蒸気時代が懐かしい。蒸気を追いかけ全国を放浪した素晴らしい日々だった。そんな時代を思い出させてくれるのがこの「田野の築堤」だ。


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  1. 2019/06/14(金) 00:00:00|
  2. 日豊本線
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三陸縦貫鉄道構想 祝リアス線開業

三陸縦貫鉄道構想は大津波にも負けなかった
営々と続けられた鉄路の延伸は岩手の希望だ

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2016年7月 三陸鉄道 北リアス線 (現リアス線) 堀内 

今春の鉄道界の祝い事として、三陸鉄道リアス線の開業が挙げられる。廃止が続くローカル鉄道の中に在って異例の再出発となった。不通となっていたJR山田線の宮古-釜石間の復旧工事が完成し、2019年3月23日に三陸鉄道に移管された。北リアス線と南リアス線に分かれていた三鉄は、一本のリアス線で大船渡市盛駅と久慈市久慈駅を結ぶ、163.0kmの第三セクター鉄道最長の路線に生まれ変わった。

三陸沿岸を結ぶ鉄道構想は1896年に始まった。しかし、三陸のリアス式海岸がその建設に立ちはだかった。大幹線の東北本線の主要都市から三陸の主要な町々へ向けて官営鉄道、国鉄の鉄路が伸びて行ったが、その地勢故に沿岸部を繋ぐことは困難を極めた。そのため、この三陸縦貫鉄道を形成する国鉄時代の路線は細分化されている。全ての路線を記憶されている方は、かなりの岩手通といえるだろう。

現役蒸気末期の1975年の時刻表の索引地図を見ると、南の仙台から仙石線、石巻線、柳津線、気仙沼線、大船戸線、盛線、山田線、宮古線、久慈線、八戸線と辿って八戸で東北線に再会する。この時点で繋がっていなかったのは、柳津-本吉、吉浜-釜石、田老-譜代の三区間だった。その後、気仙沼線が延伸し、空白だった柳津-吉本間が繋がり柳津線か統合されたが、ここで国鉄が息絶えてしまった。

さらに、盛線、宮古線、久慈線が第一次特定地方交通線に指定され、もはや三陸縦貫鉄道構想もここまでかと思われたが、岩手県と沿岸市町村が立ち上がった。国鉄分割民営化の6年前の1981年11月10日に、三陸鉄道株式会社が設立された。廃止対象となった3路線を引き継ぐばかりか、建設がかなり進んでいた二つの未成線区間も開通させ、縦貫鉄道構想を成し遂げ、南北リアス線の経営に乗り出した。

三陸鉄道は好調なスタートを切り、日本各地で第三セクターが生まれる機運を作ったが、それでも黒字経営が続いたのは10年程で、沿岸部の過疎化は深刻で、輸送人員の減少に苦しめられることになった。2003年には経営改善計画を策定するまでに追い詰められ、観光客誘致へと舵を切った。そして、2011年3月11日の大津波に見舞われるが、早くに運行を再開して被災者を勇気づけたのは三鉄だった。

東日本大震災という想像を絶する天災であったことで国家的支援体制がとられ、山田線不通区間の鉄道での再起が図れたと言えなくはない。しかし、三鉄の歩みを思い起こすにつけ、取りも直さず明治に始まった三陸縦貫鉄道構想が岩手にとっていかに悲願であったが伝わってくる。新たに三鉄に加わった宮古-釜石間は、山田線でも輸送人員の多かった区間だ。地元はやはりバスでは納得できる筈がない。

2013年放送の「あまちゃん」も三鉄の観光客誘致を後押ししたに違いない。三鉄は鉄道事業を軸に、旅行業やキャラクターグッズなどの物品販売業も行い観光業化を進めている。大企業の社会貢献としての支援機運も手伝って、多くの復興企画が持ち込まれ、話題性には事欠かない。しかし、時代の流れは直ぐに変わる。真価が問われるのはこれからだ。どこまでも泥臭く岩手県人の底力を見せて欲しい。


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  1. 2019/06/12(水) 00:00:00|
  2. 三陸鉄道
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睡蓮の咲くころ

小沼に白い睡蓮の花が揺れる
青いキハは今頃白無垢なのか

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2016年7月 函館本線 大沼公園

ちょっと前に掲載した、飯山線の「蓮」という記事で、日本に自生するスイレンは、ヒツジグサただ1種のみとご説明したが、今回の写真は、大沼公園の小沼に咲くそのヒツジグサだ。紛らわしいことに、北海道にはエゾノヒツジグサやエゾベニヒツジグサと呼ばれるものがあるが、分類学上は異種として認められていない。小沼の西には絶景お立ち台の日暮山を挟んで蓴菜沼がある。もちろん蓴菜が採れることでその名がある。6月下旬ころから収穫が始まり、大沼公園の土産物屋の店先に瓶詰や袋詰めが並ぶことになる。ジュンサイはスイレンに似て葉を水面に漂わせるが、ハゴロモモ科ジュンサイ属の植物だ。花が小さく貧相で、スイレンのような優雅さはない。さらには、この地でも見られるが、黄色い花のコウホネという水生植物もあるが、こちらは水中葉と水上葉を併せ持つスイレン科コウホネ属となる。やはり、モネの描いた「睡蓮」は、日本ではスイレン科スイレン属のヒツジグサだけになる。

大沼と小沼の水路に掛かる初夏の月見橋を、「スーパー北斗」が通過して行く。全く車輛に詳しくないため少々調べてみたが、この車はどうやらキハ261系1000番台で、通称「HET車」というものらしい。基本番台が「スーパー宗谷」だ。この形式が、今後のJR北海道の都市間輸送の主軸になるそうで、旧式のキハ183系や、振子機構のキハ281系やキハ283系の「FURICO車」を更新していくようだ。この3形式は青い頭がトレードマークだが、キハ261系1000番台については、JR北海道の再起の象徴とすべく、白を基調としたエクステリアに変更され、旧塗装車も塗替えが済んだようだ。JR北海道の青い特急は皆同じかと思っていたが、さにあらず。忘備録を兼ねて整理してみた。ちなみに、現在、札幌-函館間では定期列車から「北斗」が消滅して「スーパー北斗」のみに。一方、馴染みの「スーパーあずさ」は「あずさ」に統一。どちらも由緒ある列車名だが対応の違いは何処から。ひょっとしてあの歌の影響か。


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  1. 2019/06/10(月) 00:00:00|
  2. 函館本線
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雲の行方

稜線で雲が生まれては消える
流れる雲の行方は空のみが知る

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2019年5月 小海線

昨日7日、関東甲信、東海、北陸、南東北が梅雨入りした。このところ晴天少雨が続いていたが、ほぼ平年並みの梅雨入りとなった。これから暫くは愚図ついた天候が続きそうだ。畑の農作物には恵みの雨となった。小海線の往く八ヶ岳南麓でも乾燥が激しく、野菜の成長が遅れ、枯れてしまうことも。種まきをしても発芽しにくい状況が続いていた。例年であれば放っておく乾燥を好むトマトにまで水やりすることになった。これで一安心となって欲しいところだが、今度は、雑草が勢いづくのと、降れば大雨が心配だ。

激しい雨を伴った寒冷前線の通過の後、初夏の強い日差しが戻ってきた。雨上がりの南アルプスの湿気が夏雲となって大気に放出される。上空に残った冷気のためか、その夏雲が秋の雲に変わっていく。初夏の雨上がりの一瞬の多彩な空模様だ。


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  1. 2019/06/08(土) 00:00:00|
  2. 小海線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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