駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

道後山への路

芸備線でもこの区間は最も列車の少ない秘境となった
C58が補機を従えて登っていたのは遠い古だ

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2016年4月 芸備線 備後落合―道後山

芸備線や木次線、三江線といった広島の奥座敷のローカル線は、リンクさせていいただいている「ローカル鉄道散歩」の山岡山さんのホームグラウンドだ。山岡山さんの作品を拝見しては、何時かはこの地にと思っていたが、やっと実現した。しかし、今や備後落合の周辺は、屈指の秘境地帯になってしまっており、列車は極めて少ない。一度くらい訪れたところではどうしようもない地域だ。ましてや、積雪期に不案内な者が不用意に入り込めるところでもない。現場で事情を体験すると、山岡山さんのご苦労がよく分かる。何時廃線になってもおかしくない線区だけに、逆に山深い自然と鄙びた山村風景には魅力が多い。思わず季節を変えての再訪を企んでいる次第だ。

芸備線の最高地点は、道後山駅から東城方面に少し行ったところにある。備後落合からは、標高611mの道後山までの6.8kmで、160mの標高差を稼がなくてはならない。25‰の連続勾配をひたすら登り続けることになる。ここに限らず、備後落合周辺の山間部では、20km/h程の自転車並みの徐行で、キハ120が行き来する。現代のキハにとってこの位の勾配はさして問題ではない。どうやら道床と線路の状態が貧弱なためのものらしい。万が一脱線するようなことになっても、崖下に転落することだけは避けたいところだ。同じこの路を、キハ58の急行や補機を従えたC58の貨物列車が力走していたとは、到底想像し得ない現状だ。

現在、この区間を走る列車は一日3往復とうい限界ダイヤになってしまった。画は6時台の上りの始発で、次の上りは15時近くになり、その後は20時台の終列車で全てだ。3列車ともに下り列車の折返しとなる。かつての日中線がこのようなダイヤだった。この朝の気温は3℃と冷え込み、標高の割には放射冷却が激しい。上りの始発がゆっくりと姿を現したが、残念ながら車内には人影が疎らだ。その前の下りの始発も同様だった。昨年、三江線の廃線がJRから正式に提起された。この線区は三江線以上に衰退してしまった。ふと「廃線」という二文字が頭をかすめた。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/05/18(水) 00:55:38|
  2. 芸備線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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