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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

列車交換の在りし頃

重量級貨物に交換停止を手旗で伝える
留萌本線が賑わっていた時代の一コマだ

04208F16.jpg
1973年3月 留萌本線 大和田

現在、この大和田駅は、棒線化された侘しい貨車駅舎の無人駅になっている。現役蒸気の半世紀前、この駅は列車交換可能な有人駅だった。駅舎の他にも駅脇には何棟かの国鉄の建屋もあった。この日は、735Dで深川から留萌に移動していた。735Dは、北一己で734D、恵比島で貨5780レ、藤山で736Dと列車交換した。そして、4回目の交換が、ここ大和田での貨1792レだった。僅か50.1kmの区間で4回の交換が行われるほど、当時の留萌本線には活気があった。

この駅はカーブの途上に設けられているため、構内に進入してくる列車が、直ぐには出発信号を確認できない状況にあった。そのため、貨物列車に交換の停止をダメ出しするために、駅員氏が進入の機関士に手旗で停止を知らせていた。勿論、通票なしに次の閉鎖区間には進入できないが、石炭輸送を担う当時の留萌本線の貨物は重量級で、うっかり通過と勘違いしてしまうと、出発信号を現認してからでは停止が難しくなる。貨物列車はすぐには止まれないということだ。

当時の大和田駅は、島式ホームの1面2線と側線を1本持っていた。駅舎とホームの行き来には構内踏切を用いていた。貨物の扱いは1960年に廃止になっていたが、小駅ながらタブレット閉塞の交換駅でもあり駅員が配置されていた。乗降の多い石狩沼田や恵比島には跨線橋があり、本線としての風格が感じられた。その留萌本線も風前の灯となった。時代の流れというのは恐ろしいもので、沿線の石炭も鰊も昔話となった。どうしても羽幌線の後を追うしかないのだろうか。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2020/01/29(水) 00:00:00|
  2. 留萌本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

モノが無いから 人間がいるから

都会の駅なら出発信号に連動した反応灯で死角をカバーするところですが、
駅員がいる事を前提に手旗がその機能を果たしている訳ですか。
かつてはありふれた風景だったのかもしれませんが、こういう扱いは初めて見ました。

モノが無いから人間が代わりを務めたのか、人間がいるからモノを入れる必要も無かったのか。
その両方でもあるのでしょうが、北の片隅にも人と仕事の密度が濃かったなあと思わせます。
  1. 2020/02/01(土) 22:51:13 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

手旗中継信号

風太郎さん、

その通りで、今なら中継信号機などをばんばん付ければいいわけでして、逆に人がやっていたら怒られますよね。
当時も特急が走る本線では中継信号機があったような気がします。留萌線は急行止まりの本線でしたから。
近代化と云うのは、人がやっていたことを機械化、自動化していくことですから、多くで元となる手作業があったはずです。
まさに、この大和田の駅員さんの手旗信号は、中継信号機の原型ということになります。

国鉄時代というのは、人手が鉄道を動かしていた時代ですから、それはそれは懐かしさを感じます。
今では、駅員さんがいる理由は、トラブル対応と人であるお客とのコミュニケーションということでしょうか。
釈然とするようなしないような。なかなか難しい時代になりました。人の繋がりがややこしくなっていますからね。
もう「ぽっぽや」の時代ではなくなりましたが、その精神ぐらいは語り継がれて欲しいものです。
  1. 2020/02/02(日) 00:37:18 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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