駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

山線の春 上目名 俄雨

「上目名」は、ここを訪れた者にとっては、忘れ難い駅名だ。
駅は消えてしまったが、訪問者の心象に褪せることなく生き続けている。

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2015年5月 函館本線 目名-上目名跡

残念ながら、蒸気ファンの聖地の一つ上目名駅は、多くの逸話を残して1984年3月に消滅した。目名峠は勾配を緩和するために人里から離れた谷沿いに、蛇行して線路が敷設された。駅間が長く、峠近くにつくられた信号所が上目名駅の始まりだ。そこには、山中には不釣り合いな長い交換設備とホームがあった。ここを訪れたファンは、上りのニセコを撮るために、目名側の信号所を守るスノーシェードを潜った。下りは、サミットの向こうにある大きく蛇行する熱郛側のカーブへと、トンネルを抜けていった。峠を登る両方向からの力走を捉えることができたのが、聖地となった所以だ。


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「上目名の丘」にて

上目名は目名川の上流を意味する地名だ。低地にある駅からは見えなかったが、美瑛の丘を思わせる畑地の丘陵が延々と広がっている。そんな「上目名の丘」に一本の木立を見つけた。丁度その時、寒冷前線の通過で、空には黒雲が漂い、雷鳴が響き出していた。


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上目名のスノーシェード


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/06/08(月) 01:01:46|
  2. 函館本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

夢の跡

ついこの間の事なのに懐かしいような風景です。
冬は白一色ですが、雪が消えればこんな所だったのかと改めて。
「夢の跡」の想いが深い土地です。
モノクロのスノーシェードは昔の写真なのでしょうか?
  1. 2015/06/08(月) 23:11:13 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

いつか来た道

風太郎さま、

そこにお住まいの方は大変でしょうが、積雪地域の四季の変化は本当に素晴らしいですね。
一年を通して撮れればいいのですが、なかなかそうもいきませんから、辛いところです。
小生も、雪景色の「山線残照」を何度も見返して、季節の変化に見入っています。
その土地のベースとなる風景は、最も厳しい季節にあると考えていますので、やはり冬は欠かせません。
1枚目は、同じアングルですね。撮った後で気が付きました。ここは稲田で、田おこし中でした。
それと、スノーシェードは昔の画ではありません。今回は山線の「今」ということで、過去画はやめます。
上2枚との並びを見て、モノクロとしました。昔なんだか今なんだか迷うところも・・・です。
  1. 2015/06/09(火) 19:15:56 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

10代のぼくらを惹きつけた聖地・上目名。
そこで繰り広げられたシロクニの激闘、響き渡るジェット音は、いまも忘れられない光景です。
とくに冬の上目名は、空気も澄んで、聖地のなかの聖地でした。
上りニセコも素晴らしいものがありましたが、ここの最大の魅力は、雪まだ深い春先の夕刻、峠にいどむ下りニセコだったのではないかと思います。
あれから45年。駅舎もなくなってしまいましたが、いまは、時間がゆっくりと流れているような気がします。

  1. 2015/06/11(木) 21:23:32 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

日没との戦い

まこべえさん、

度々のコメントありがとうございます。
「山線の春」を、少しはお楽しみいただけておりますでしょうか。
確かに目名峠は下りが本当の峠越えでした。下りニセコには苦労した分懐かしいものがあります。日没との戦いでした。今のデジカメがあれば、もっとビシッと撮れたかもしれません。当時、Tri-XでASA400、夕暮時にあのスピードで突進してくるのですから厳しいこと至極。増感する勇気もなく、ブレの連発でした。おまけに、駅に戻るのも心細くなる。
小生が思うに、C62重連は度肝を抜く走りはもちろんですが、北海道の雄大な自然背景があってこその光景だったと思います。2012年、2015年と再訪しましたが、やはり山線は山線でした。C62重連はもう来ませんが、静かな環境でゆっくりと北海道の景色と対峙できるのは、これもまた至福の時間です。また、季節を変えて行ってみようかなどと企んでいます。
お父様のご容態は如何ですか。折を見て東京で食事でもしながら山線の昔話なんてどうでしょうか?
  1. 2015/06/12(金) 00:48:21 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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