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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

北辺のキハ22

極寒、風雪の宗谷を北の守りのキハ22が往く
その耐寒、耐雪スペックは揺ぎ無いものだった

10409F16.jpg
1975年3月 宗谷本線 下沼

夜行列車を降りると、キハ22が、カランコロンとエンジンをアイドリングさせて、乗り換えの乗客を待っていた。ある時は支線のローカル線に入った。また、ある時は本線の小駅に向かうためだった。まだ夜が明けきらぬ冬の北海道の早朝はしばれる。仄かな室内灯の暖かな車内がなんとも有難かった。現役蒸気を撮っていた頃の、北海道での撮影の一日は毎日こうやって始まっていた。そして、凍える雪中の撮影を終えて、暖かい座席に座った時の安堵感といったらなかった。体が温まると眠気がさしてくる。キハ22のエンジン音が子守歌のようだった。雪対策の板張りの床の油の匂いも記憶に残る。何度となく多くの時間を共に過ごしたキハ22は、本当に思い出深い北辺のキハだ。

この日は、札幌から夜行急行の「利尻」で、南稚内折り返しでこの地にやって来た。この頃になると、C55は最果て鈍行からも去り、数少ないキューロクの貨物が残っているだけだった。フィルムには、キューロク貨物の他にも、キハ22の普通やキハ56の急行「宗谷」、DD51の牽く最果て鈍行なども1枚ずつ写っている。このキハ22の稚内行きは、撮影現場に向かう途中で遣り過ごしている。レールの間にある足跡はこあらまが残したものだ。足跡からも解るように、いつものように単独行動だった。列車は何と3両編成で、雪煙を巻き上げて颯爽とやって来た。キハ22の耐寒、耐雪設計の優秀さは、北海道での運用で十分に証明され、その後の国鉄、私鉄車輌に伝承されることとなった。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2019/01/23(水) 00:00:00|
  2. 宗谷本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

記憶の入口

こあらまさん同様、キハ22それも特に単行の事が、懐かしく思い出される今日この頃です。
アイドリング音や板張りの床の油の匂い・・・は、我々の世代にとっては当時の記憶への
共通の入口ですね。
この年は、ぜっきあいずも3月中旬に宗谷本線をウロウロしていたようですが、
耐寒・耐雪設計の優秀さ・・・は、確かに北海道で酷い遅延に遭った記憶があまりないことが
証明している気がします。
それに、そもそも遅延する気がしなかったあの信頼と安心感は、どこからきたものだったのでしょうか。
少なくとも過保護で華奢な現代っ子JRとその車両には感じられないものでしたね。
  1. 2019/01/23(水) 19:57:16 |
  2. URL |
  3. ぜっきあいず #djaKVQjc
  4. [ 編集 ]

北の守護神

ぜっきあいずさん、

お気付きかと思いますが、ぜっきあいずさんの先日の記事にインスパイアされてしまって・・・。
「キハ慕情」の「戦友」にグッときてしまい、あの頃のキハ22の思い出が蘇って来たというわけです。
こあらまの現役蒸気時代の戦友は、八高線のキハ17に始まり、北の大地のキハ22で終焉となりました。
キハ22の耐寒・耐雪設計は、キハ40などに受け継がれていきますが、こあらま的にもそれは次の時代です。

それにしても、キハ22は可愛い顔してタフでしたね。確かに、遅れることは滅多にありませんでした。
今のように、雪がちょっと降っては運休では、冬の深名線などで人気のない小駅に下車する気にはなれませんよね。
ましてや、スマホがない時代、遅延や運休の情報を、撮影現場で知る方法はありませんでしたから。
あの時代は、走らせることに使命感がありましたし、そのために開発された車両は少々のことではへこたれませんでした。
それだけ、鉄道が大きな役割を果たし、関係者も張り合いが持てたということでしょう。
今また、ローカル鉄道が違った張り合いを見いだせるといいのですが・・・。
  1. 2019/01/23(水) 22:57:37 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

旅の友

今も昔も車両そのものに関心が薄く、キハ22の床が保温と滑り止めを兼ねた木製だった事、
当然普通の床より厚みがありますから実は運転席の窓が数cmキハ20より高い位置にあった事など、
後に模型をいじるようになって初めて知った事で。
あまりにありふれていて空気のような車両でしたが、一番の旅の友であった事も確かです。
酷寒の地ゆえ国鉄は長らく液体式気動車に懐疑的で、金が余っていた夕張鉄道がパイオニアで自社発注、
国鉄が見学に来たという逸話も聞きます。(それが最後まで鹿島鉄道にいた奴ですね。)
役所ゆえ初動は鈍くも一旦動き出せば完成された技術に持っていくのは早かったのでしょうね。
  1. 2019/01/24(木) 21:11:17 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

官民競争

風太郎さん、

夕張-札幌間の旅客を巡り、国鉄と夕張鉄道との間で、結構熾烈な覇権争いが在ったそうじゃないですか。
国鉄のキハ07に合わせて夕張鉄道がキハ200を、キハ10系量産化に合わせてキハ250を入れています。
あの夕鉄の湘南顔のキハは、機関も駆動系もキハ10系とほぼ同じで、液体式変速機、総括制御のはしりです。
国鉄は、寒地向けのキハ11、酷寒地向けのキハ12が出来るまで数年を要したため、夕鉄に先起こされた形になっています。
さすがに、国鉄は酷寒地での性能が未知数の液体式を、すぐさま北海道向けに量産するわけにはいかなかったのでしょう。
逆に夕鉄は、ほんの数両ですから、勇猛果敢にチャレンジ出来たということでしょう。
関西の国鉄(JR)と私鉄のスピード争いは有名ですが、北海道にも官民の激しい営業戦いがあったわけですね。
結局、夕鉄はバス会社になり、JRは瀕死の状態になってしまいましたが。

それでも、キハ11/12には不具合があり、完成系がキハ22ということなのでしょう。
このシステムがキハ40に移植されて現在に至るってところでしょうか。
そうそう、キハ22登場時にも、夕鉄はキハ300なるものを製作していますね。今度は、片運転台でした。
よっぽど、夕鉄は国鉄に負けたくなかったんですね。
  1. 2019/01/25(金) 16:25:52 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

脳裏にうかぶ

時々現役蒸気撮影時代の写真を見ていると、その時の情景というか空気を思い出します。

こあらまさんのキハ22の写真も見たときも思い出しました。キハのエンジン音、レールの音、空気の冷たさ、脳裏に浮かびます。

私もこの年この時期に北海道で蒸気機関車を追いかけていましたので、こあらまさん、ぜっきあいずさんとはどこかでご一緒に三脚を立てていたか、列車の車内でお会いしていたかも知れませんね。



  1. 2019/01/26(土) 14:02:58 |
  2. URL |
  3. yba-d51 #-
  4. [ 編集 ]

ニアミス

yba-d51さん、

昔は鉄道夜行旅、今は車中泊旅ですから、あの頃の鉄道旅が懐かしく思い出されるのでしょう。
お金もなく、体力、気合任せの若さ頼みの旅でしたから、余計に強い印象が残っているみたいです。
特に冬の北海道は気象変化が激しく危険な場所でしたから、暖かで安全な場所だったキハ22のインパクトは大きいです。
それに、あの系列のエンジン音は独特の音色とリズムがあって、鮮明に耳に残っています。顔付も好きでしたし。

そうですね。どこかしらで、ニアミスくらいは在ったのでしょう。夜行列車にも乗り合わせているはずです。
ブログに撮影日時を詳しく掲載すれば、色々な情報が寄せられるでしょうが、そうしなくても匂って来るものです。
これまで、遠軽発の名寄線一番列車に乗り合わせて、同じ渚滑線を目指した同胞が見つかったりもしています。
復活蒸気で出くわしたブログ仲間は複数います。
世の中、広そうで狭いものです。
  1. 2019/01/27(日) 22:45:48 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

こんばんは。
宗谷本線の冬、酷寒の鉄路を往く気動車は本当に魅力的に映ります。
私はキハ22形には乗ったことはなく、見かけたことも1〜2回あったかどうか、という程ですが、それでもこの車両が北海道の代表のように思えるのは、多くの写真を見てきたからかもしれません。
今では、キハ54形が単行で走っているでしょうか、車両は変われどもこの路線は依然として魅力たっぷりです。少しでも多くの旅人が鉄路の魅力に触れて欲しいと願うばかりです。
白銀の世界を往く列車、代え難い素晴らしさがあります。
素晴らしいお写真を拝見させて頂き、ありがとうございました。
風旅記: https://kazetabiki.blog.fc2.com
  1. 2019/09/17(火) 02:48:53 |
  2. URL |
  3. 風旅記 #O7xVy9HA
  4. [ 編集 ]

北辺を旅すること

風旅記さん、

何時も過分なお言葉ありがとうございます。
そうですか。キハ22は体験できませんでしたか。下北交通でキハ85として2001年まで走っていましたね。
キハ10系、20系はエンジン音が素晴らしくて、そのアイドリング音がこの車両の一番の記憶でしょうか。
今では宗谷線は国鉄の置き土産のキハ54ですが、キハ22程の耐久性、信頼性はなくトラブルが多いようです。
こあらまも、稚内で車輛不具合に遭遇してしまい、JRの手配したタクシーで抜海に行ったことがあります。
これは個人的な勝手な展望ですが、何時か必ず宗谷線の素晴らしさが脚光を浴びる日がやって来ます。
極寒の北辺を旅することの非日常性が、都会人や東南アジアの方々に受け入れられる日が来ます。
問題は、その日までJR北海道が持ち堪えることが出来るかです。
  1. 2019/09/17(火) 12:07:12 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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