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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

駅舎の灯 豊ヶ岡 16時36分

林の中の小さな駅舎に明りが灯った
夕暮時の不思議な時間が流れだす

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2016年10月 札沼線 豊ヶ岡

石狩の田園地帯を国道275号線と並走しながら北上する札沼線の非電化区間だが、ここ豊ヶ岡だけは国道から離れて、月形町の豊ヶ丘地区を往く。この地は入植時から「豊ヶ丘」という地名だったようだが、何故か駅名は「豊ヶ岡」となっている。地域住民の申し出によって、58年前に設けられた請願駅だが、今は地域の利用者は殆どいない。乗り降りするのは、多くが全国からやって来る乗り鉄諸氏か駅巡りの愛好家だ。

路線は決して人里離れた場所を走っているわけではないが、ここに限っては鬱蒼とした鉄道林の中にあり秘境駅の風情がある。駅には見付け難い細い砂利道がつながっているだけだ。浦臼側にある車道の跨線橋が無かったら、見通しが効かず、この駅がここまで有名にはならなかったはずだ。小さな下見板張りの木造駅舎があるが、何と言ってもその佇まいが素晴らしく、明かりが灯るのが待ち遠しくなるような建屋だ。

どうしても駅舎の裸電球に明りが灯るのを見たくて、朝方の撮影の後、夕暮時に再びこの駅に戻って来た。薄暗くなった林の中の駅舎の灯は、想像を裏切るものではなかった。手彫りの駅名標がなんともいい雰囲気だ。ここ3年ほど毎年この駅を訪れているが、ホームが徐々に谷側に落ちてきているように感じる。残念なことに、もう修繕する必要もなくなったようだ。この不思議な時間が流れる妖精の駅も風前の灯となった。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/11/09(金) 00:00:00|
  2. 札沼線
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  4. | コメント:2
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コメント

秘境駅

冬にしか行ったことがありませんが、晩秋の寂寥感もなかなか迫るものがありますね。
この駅舎は地元の手作りではないかと。故に無粋な「近代化」改装もされなかったのではと想像しているのですが。
秘境駅もこの駅舎あっての事です。駅が無くなれば駅舎も小道も皆跡形も無く自然に還るのでしょうか。
  1. 2018/11/11(日) 20:43:40 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

駅舎の生い立ち

風太郎さん、

この駅は春夏秋冬折々の良さがあるのでしょうが、秋は見逃せないシーズンではないでしょうか。
落ち葉が何とも哀愁を誘い、電球色の電灯が秋色によくマッチしています。如何にも妖精が棲んでいるような・・・。
この駅舎、いや待合は、確かに国鉄やJRの手によるものとは思えません。もし、そうならとっくに貨車になっているはず。
ホームの照明とは別に、市中の電灯線から電源を取っていますから、ひょっとすると、地元所有の建屋かもしれません。
ちょっとホームから離れているのはそのせいかもしれません。私有地に建つ地元区の持ち物?
国鉄時代には、仮だの、臨だの付く停車場だった小駅には、どう見ても地元の作としか思えない待合が多数あります。
だからこそ往時の建屋が残されているのではないでしょうか。今回の北辺駅巡りからもそう思います。
  1. 2018/11/12(月) 00:23:52 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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