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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

鹿ノ谷は今

かつての賑わいは叢となって消えた
雪解けの来春、最後の軌道も役目を終える

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2017年10月 石勝線 夕張支線 鹿ノ谷

随分とすっきりした駅になったものだ。多くの引き込み線が鬩ぎ合う広い構内。夕張鉄道の機関区もあり、機関庫や転車台もあったはずだ。頻繁にセキを連ねた石炭列車が行き交い、構内にはいつも何条かの煙が上がっていた。そんな賑わいのあった構内は一面の叢になり、今は石勝線支線となった一条の軌道が残るのみだ。駅舎は元々のものだと察せられるが、横幅がこんなに狭くなかったはずだ。かなり減築されているようだ。今のこの駅を初めて訪ねた人は、多分、風情のある木造駅舎が佇むローカル線の一駅にしか見えないだろう。

さて、街はと云うと今は緑の中にカラフルな家々が建ち、パッと見には瀟洒なリゾート風に見えなくもない。何時の間に、こんな町に生まれ変わったのだろうか。炭鉱町時代には、この周辺は見渡す限りの炭鉱住宅だった。大規模分譲住宅地のように整然と下見板張りの炭住長屋が延々と続いていた。色彩に乏しい風景は、まさにモノクロの世界だった。鹿ノ谷辺りは炭鉱幹部の住宅街だったようだが、はた目にはその違いに気付かなかった。最盛期116,000人の人口は、現在8,000人程だ。駅がこうなって当然というような激しい減リ方だ。

現役蒸気の末期、夕張線には多くのファンが押し掛けていた。炭鉱住宅を背景に往く石炭列車が狙い目だった。相次ぐ炭鉱の閉山に、夕張鉄道も三菱大夕張鉄道もなくなり、かつての多くの炭鉱町がそうであるように、現在の夕張にも石炭の面影は殆どない。ただ、この町が他と違うのは、炭鉱業からの脱却に大きな失敗をしたことだ。その影響からか、夕張市は夕張支線の補助金目当ての積極的廃線を選択した。夕張鉄道は早々に鉄道事業からバス事業に転身し、夕張の基幹公共交通を担っている。残された夕張線もあと半年の命となった。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/09/22(土) 00:00:00|
  2. 夕張線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

石炭の記憶

鹿ノ谷機関区の跡地の草紅葉に見応えがありそうで、最後に行ってみたかったのですが残念です。
山は初雪なのでしょうか、繊細な四季と共にある日本の鉄道の良さを再認識。
「石炭」の記憶がまたひとつ消えてゆきますね。
  1. 2018/09/22(土) 18:59:55 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

夕張の夜明

風太郎さん、

炭鉱時代の鹿の谷は、この山間の狭い土地に、人と鉄道が犇めいていたわけですね。
広い構内跡地は全く利用されてなく、ただただ草が生えているだけのように見えます。
ところが、この中に遺構が隠されているようで、もう一度訪ねて、その辺を探索してみようかと。
活気のあった炭鉱時代の煤けた街も夕張ですが、今の鹿の谷もまた夕張の偽らざる姿です。
現在のこの駅の佇まいも決して嫌いではありません。静かに昔を思うにはいい場所です。
この時、前夜から夜明に掛けて、湿気の多いボタン雪が降り続き、ちょっといい眺めになりました。
今の利用状況では営業線としての廃止は免れませんが、保存鉄道にはちょうどいい長さと眺めです。
積極的廃止も一つの手ではありますが、それ以外に活用の道筋がないのが本邦の悲しいところです。
炭鉱町であったが故に、長い鉄道の歴史を持つ夕張ですが、いよいよ鉄道のない街になってしまいます。
悪しき国政と市政に振り回されてしまった夕張ですが、末永くその名が残って行ってほしいものです。
  1. 2018/09/22(土) 23:15:23 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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