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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

樹海を往く

紅葉の山々に冬の気配が忍び寄ってきた
形だけの本線をヨンマルの単行列車が往く

80011655.jpg
2017年10月 根室本線 東鹿越

この山中に北海道官営鉄道十勝線の鉄路が西から延びて来たのは、117年前の1901年のことだ。1907年には狩勝峠を越えて帯広へと繋がった。そして、1909年には旧釧路線と統合され、滝川-釧路間の新しい釧路線が誕生する。1921年になると根室まで延伸開業され、ついに北海道最長の根室本線が形作られた。1966年には、金山ダムの建設により、この区間は現在の位置に付け替えとなり、同じ年、狩勝越えも新線に切り替えられ、新内が廃止されている。長い歴史を持つ根室本線だが、1981年の石勝線の開通によって、根室本線の長距離優等列車は急行「狩勝」を除いて、全てが石勝線経由となった。それ以来、滝川-新得間はローカル線化することとなった。2016年の台風10号の被害で、東鹿越-新得間が不通となり、そのまま廃止されようとしている。

この朝、初冬を思わせる折からの寒気で、かなやま湖を囲う山々の稜線が白くなった。彩の紅葉の季節を追うように、白い冬はそこまで来ていた。この区間を、粉雪を掻き分けて、多くの列車が狩勝峠に挑んでいた時代が思い出される。大雪でDD51でも狩勝を越えられず、富良野に引き返し一夜を過ごしたこともあった。あの南富良野の「ぽっぽや」の「幌舞」こと幾寅の駅には、もう二度と列車が通うことはないのだろうか。こんな山中を往く線区に地域内輸送など見込めるはずもない。石勝線の開通が運の尽きと言ってしまえばそれまでだが、歴史ある根室本線が寸断されるのは、関係者にとってもまさに断腸の思いだろう。素晴らしい自然の中を往くということは、裏返せば旅客輸送が見込めないということだ。かなやま湖畔の原生林を往くヨンマルの姿はあまりにも寂しげだ。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/09/14(金) 00:00:00|
  2. 根室本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

季節の狭間

これは素晴らしい。まさに季節の狭間の回廊を行くが如くですね。
この区間は叶わずとも、あまり縁が無かった北海道の紅葉詣でに行きたいと思っていたのですが、
どうも国内のイマジネーションが膨らまぬまま地震まで来てお流れになりそうです。
  1. 2018/09/16(日) 22:54:41 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

マンネリ北海道

風太郎さん、

やはり、ミャンマーの刺激が強かったようですね。
東南アジアのカオスもそうですが、地域ごとに日本には無いものが見られますから新鮮味が違います。
他国に出て、日本の良さを再認識するというのもありますが、日本の面白無さを知ることにもなります。
このところ海外と縁遠くなっているので、来年からは国内を控えて、国外を増やすことを企んでいます。
来月は北海道ですが、今回は徹底ロケをして一区切りをつけたいと思っています。
と言っても、暫くは北海道とは縁は切れませんから、毎年通うことにはなりますが。
確かに、マンネリ化してきた国内では、一味違った新しい切り口を探さないといけないかもしれませんね。
色々な意味で、世界に視野を広げることは良いことでしょう。何かいい知恵が浮かぶかもしれません。
  1. 2018/09/17(月) 01:24:48 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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