FC2ブログ

駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

魚沼へ 稲架木のある風景

新潟の美味いコメを思わせるハンノキ並木
稲架木の向こうを魚沼のキハが通り過ぎて往く

12611F.jpg
1977年7月 只見線 入広瀬

現在の稲作では収穫はコンバインでなされます。大型機では刈り取られた稲穂は同時に脱穀がなされます。籾殻は田に撒かれ、袋詰めされた玄米が農協の低温乾燥倉庫へと運ばれます。その後、精米業者に売り渡され、家庭へと届けられます。今でも、刈り取られた稲の天日干しが見られますが、多くが農家の自家米か、一部の高級米になります。農家の人たちは、昔ながらに、農薬を使わない専用の田で作った米を、天日干しにして食べています。本当に、美味しいもの、安全なものは、経済原理の前に、蔑ろにされてしまいました。

ここ新潟では、稲架木と呼ばれるハンノキなどの生木が、天日干しの支柱にされてきました。これまで何回かお送りしてきた「魚沼へ」に出てきた民家の周りに、末口の細丸太が立てかけてあったのをご記憶でしょうか。今回の写真の稲架木にも立てかけてあります。この細丸太を稲架木の並木に横に渡して、そこに稲束を振り分けて架けていきます。しかし、新潟を象徴するこの稲架木の並木は、圃場整備とともに消えていきました。当時の入広瀬でも、年々稲架木は減る運命にありました。今は、物干し台のような稲木をよく見かけます。


12506F.jpg


12507F.jpg


12513F.jpg


12523F.jpg


ここは、入広瀬の上条寄りの大栃山の田圃です。今は、すっきりとした障害物の無い眺めで、只見線の人気の撮影地になっています。圃場整備が入る前の当時は、ここにも少ないですが稲架木の並木が見られました。稲架木越しに小出行きのキハ58が走って行きます。この時代、急行型のはずのキハ58も非冷房のものからローカル線に回されました。2エンジンのキハ20系はキハ52しかありませんでしたから、2エンジンのキハ58はローカル線でも重宝され、スピードアップに貢献しました。この列車は5両編成で、キハ55、キハ20と続きます。現在は2両編成のヨンマルが行き来していますが、いよいよ国鉄の残照も消えようとしています。


12605F.jpg


12608F.jpg


撮影を終えて入広瀬の駅に戻ると、急に土砂降りの雨となりました。ホームに大粒の雨が打ち付けています。この頃の入広瀬の駅舎は初代の木造でした。雨模様となったので、ここでの撮影を切り上げて、行ったことのない田子倉に向かいました。無事に田子倉に着き、駅周辺をロケしましたが、何と大雨で大白川-只見間が不通になってしまいました。復旧の見通しがつかないと放送が流れてきます。田子倉駅周辺は今も昔も無人地帯です。意を決して、国道を通る車を捕まえてヒッチハイクでの脱出を試みました。車も偶にしか通らないので、車を捕まえるのにどれだけの時間が掛かったでしょうか。やっと乗せてくれる車が現れました。

ところが、その方は非合法組織から堅気に戻って、電気工事店を営んでいるという経歴の持ち主でした。背中には刀傷があり、体の一部が欠損していました。非合法組織でのこと、どうやって堅気に戻れたかなど。色々な社会勉強をさせてもらいました。食事までご馳走になり、別れ際には、何時でも困ったら訪ねて来いと名刺をくれました。それ以来、その方のご厄介になったことはありませんが、人が困っているときに真っ先に助けてくれるのは、この道の人なんだと思ったりもしました。余談になってしまいましたが、魚沼ロケの際には、そんなこともありました。


12610F.jpg


スポンサーサイト

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/08/27(月) 00:00:00|
  2. 只見線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<そして大栃山は今 | ホーム | 楓の記憶>>

コメント

モノクロの力

こあらまさま

アングルの確かさもさることながら、

饒舌に語り掛けてくる、モノクロの迫力に圧倒されます。

懐かしい原風景がどんどんなくなるのって本当に寂しいです。
  1. 2018/08/27(月) 11:12:52 |
  2. URL |
  3. 狂電関人 #vqoLnCUQ
  4. [ 編集 ]

デジタル時代のモノクロ表現

狂電関人さん、

稲架木の田園風景は新潟の象徴ですから、何とかその景観を残してもらいたいものです。
棚田に比べれば、手間はそれほどではないように思われますので、手はあるような気がします。
稲架木の里親制度というのはどうでしょうか。管理を自分でするもよし、その費用を出すもよし。
時代が変われば風景も変わっていきます。もし、残したい風景があるのなら、積極的な手段が必要です。

モノクロは本当に奥が深いです。こういう被写体には不可欠な表現方法です。
モノクロネガの風合いも捨てがたいものがありますが、今更フィルムにはなかなか戻れません。
レタッチソフトの進化で、デジタルカラー原画からは、より多彩なモノクロ表現が可能になりました。
これからも大いにチャレンジしたい分野ですね。
  1. 2018/08/27(月) 22:15:32 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://koarama101.blog.fc2.com/tb.php/680-07333d1c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

小海線 (138)
飯山線 (29)
宗谷本線 (24)
天北線 (2)
興浜北線 (2)
深名線 (2)
石北本線 (10)
渚滑線 (2)
湧網線 (2)
相生線 (3)
釧網本線 (7)
根室本線 (8)
池北線 (1)
士幌線 (1)
広尾線 (2)
富良野線 (5)
留萌本線 (9)
札沼線 (3)
函館本線 (44)
室蘭本線 (9)
千歳線 (1)
石勝線 (1)
夕張線 (3)
日高本線 (4)
江差線 (11)
函館市電 (1)
大湊線 (8)
津軽線 (1)
津軽鉄道 (3)
五能線 (16)
八戸線 (8)
花輪線 (2)
三陸鉄道 (3)
釜石線 (8)
北上線 (6)
男鹿線 (3)
秋田内陸縦貫鉄道 (5)
由利高原鉄道 (2)
陸羽東線 (1)
陸羽西線 (3)
長井線 (2)
米坂線 (7)
羽越本線 (5)
磐越西線 (4)
日中線 (4)
只見線 (59)
真岡鐡道 (14)
東北本線 (1)
上越本線 (3)
しなの鉄道 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (9)
東海道本線 (2)
八高線 (11)
秩父鉄道 (8)
東京都電車 (4)
西武鉄道 (2)
小田急電鉄 (2)
江ノ島電鉄 (11)
箱根登山鉄道 (3)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (2)
関西本線 (3)
小浜線 (1)
宮津線 (1)
山陰本線 (34)
播但線 (2)
姫新線 (4)
若桜鉄道 (1)
因美線 (3)
津山線 (1)
芸備線 (8)
木次線 (4)
福塩線 (1)
境線 (1)
一畑電車 (1)
三江線 (4)
山口線 (5)
鹿児島本線 (2)
日豊本線 (16)
筑豊本線 (9)
日田彦山線 (4)
伊田線 (2)
後藤寺線 (2)
田川線 (2)
唐津線 (3)
松浦線 (3)
佐世保線 (1)
大村線 (2)
長崎本線 (2)
島原鉄道 (1)
久大本線 (6)
豊肥本線 (4)
高森線 (2)
肥薩線 (21)
くま川鉄道 (2)
吉都線 (1)
日南線 (3)
宮之城線 (1)
指宿枕崎線 (3)
鉄道展示館 (1)
写真集・書籍 (4)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)
太平洋石炭販売輸送臨港線 (1)
石巻線 (1)

月別アーカイブ

最新トラックバック

リンク

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR