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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

高原のポニー 野菜列車の頃

夏には近在のC56が集められた
高原の風を切って野菜列車が往く

Z00101.jpg
1970年8月 小海線 清里

KATOからNゲージの「C56小海線」が新発売されたとき、同時に「ツム1000 積荷付」と「コキ5500 通風コンテナ積載」の2種類の貨車もお目見えした。小海線の野菜列車を楽しむためのアイテムで、なかなか気の利いた趣向だ。ただ、小海線の実車の写真で、野菜列車の露出度が高いとは思えない。そんなわけで、今回は高原のポニーのツム100通しの野菜列車で行きたい。

当時、野辺山と信濃川上の中間辺りの川上村に、野菜列車の発着場があった。もちろん旅客の扱いはなく、転車台もない、夏季限定の簡素な施設だった。今もそこには高原野菜の集荷場があり、朝晩2回のトラック輸送が行われている。写真は高原レタスを満載して、バックで山を下りる野菜列車だ。積荷が痛まないようにツムの戸は全車開け放たれている。C56時代の夏の小海線の風物詩だった。

小海線は1972年に無煙化された。翌年には、塚本和也さんが当時の磯崎国鉄総裁を動かして、夏の週末だけだったが、再び小海線にC56が走った。それが、氏が名付け親の「高原のポニー」の最後だった。それから45年間、小海線での蒸気機関車の運行は封印されてきた。沿線には多くの小海線絡みのC56が静態保存されているが、何れも状態は芳しくない。本線復帰が望める罐も皆無といっていい。

先日、その塚本さんが亡くなられた。折しも79年間現役を通してきたC56160が本線から去った直後だった。氏を最後にお見かけしたのは、2016年7月の野辺山駅だった。氏が所持していたC5626の動輪が、駅前でお披露目された時のことだった。悲しいことに、「高原のポニー」との2度目の別れになった。小海線ホームの「駅舎の灯」としても、高原のC56の在りし日の姿を捧げ、塚本さんのご冥福を祈りたい。


Z00209.jpg
小淵沢でのキハ52とのツーショット


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/06/16(土) 00:00:00|
  2. 小海線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

アーカイブ写真

わざわざ48年前のカラー写真をアップいただき、
ありがとうございます。
おそらく一枚あたり数時間の手間をかけられてのことと
推察いたします。

野菜列車は大木茂さんの汽罐車にワンカット登場しますが
ツムはカットされています。
堀越さんのHPに以前登場していたかもしれませんが、
現在は閲覧できない状態です。
そういう意味でなかなか貴重な記録になっていますね。
  1. 2018/06/16(土) 09:28:20 |
  2. URL |
  3. マイオ #pcU4xDNY
  4. [ 編集 ]

野菜列車

マイオさん、

C56160 の本線引退の時は、一応在庫がないか調べましたが、まあ、その程度でした。
しかしながら、塚本さんの訃報を知ると、やはり何か捧げなければという気にさせられました。
そこで、このコダカラーのカラーバランスの崩れてしまった小海線を何とかしようと。
お察しの通り、こんな妙ちくりんな写真ですが、修復にうん時間の手間が掛かっています。
いっその事、モノクロにした方が写真としては見られるのですが、これもまた古の風情かとも思いましたので。

以前のこちらの記事で、通風コンテナの方はちらっとお見せしましたので、今回はツムにしました。
http://koarama101.blog.fc2.com/blog-entry-108.html 
このツム1000、なかなかC56のバック運転に似合っていると思いませんか。如何にも野菜列車って感じですよね。
青森のリンゴ列車や愛媛のミカン列車にも、ツムが使われていたような気がしますが、小海線ほどの印象はありません。
いくら蒸気が復活したとしても、牽くのは旧客までで、こんな貨物の姿はもう写真の中だけです。
初めて蒸気を撮ってから、間もなく半世紀です。こっちも、年をとるはずです。
  1. 2018/06/16(土) 22:45:00 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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