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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

昭和の東京都電車物語 王子駅前

夕方になり、国電からの乗換客が増えてきた
家路に向かう乗客で、小さなホームが賑わう

12434FT.jpg
1976年6月 都電荒川線 王子駅前

1960年代に、エノケンの「うちーのテレビにゃ色がない 隣のテレビにゃ色がある♪」というCMソングが流行った。三洋カラーテレビの宣伝だ。世間は高度成長期。東京オリンピックをカラーテレビで観戦しようと、お茶の間のテレビがカラー化されていった。ゴールデンタイムには、クレイジーキャッツやドリフターズのドタバタ喜劇や、スポ根アニメの「巨人の星」が流れていた。写真の頃には、そんなお茶の間テレビ時代も終わろうとしていたが、まだナショナルのカラーテレビの広告塔が立っていた。それから半世紀、テレビは受難の時代を迎えた。インターネットの登場で、情報はパーソナル化し、流れてくるものから、取りに行くもの、発信するものとなった。テレビ界では、受像機の分解能だけが独り歩きし、肝心のソフトは置いてきぼりだ。

夕方になり、京浜東北線との乗換駅である都電王子駅前停留所は、ご覧の通りの混雑ぶりだ。この人では乗り切れないかもしれない。まだ高層の建物は見られないが、これから先、地方の人口を日々吸い寄せて、膨張していくことになる。これだけの利用客があったにも関わらず、国や都が廃止しようとしていたとは、とんでもない話だ。廃止されていった他の系統にしても、そこそこの乗客があったはずだ。今の時代、これだけの乗客がいるローカル線を廃止することは難しいだろう。都電は、先見性の無い国が進めるモータリゼーションの犠牲になってしまったということだ。面白いことに、テレビは相変わらずの凋落ぶりだが、路面電車は様々な理由から見直され始めた。こちらには、人にやさしい交通機関としての普遍性があるのだろう。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/05/13(日) 00:00:00|
  2. 東京都電車
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

こんばんは。
路面電車の復権は本当に喜ばしいことに感じます。自動車・道路一辺倒ではなく正しく評価されていれば、全国各地で廃止されずに残ることのできた路線が多数あったであろうと思えば、残念でなりません。
人を寄せ集め続けてきた東京の中で、一部は大規模な地下鉄に置き換えが必要でありつつも、今、都営バスが担っている一部では都電が残っていたならば便利だっただろう、鉄道空白地帯などと言われることもなかっただろうと想うことがあります。
広島では路面電車を高架化してJR駅直結に、富山ではJR駅を挟んでの全路線を直通運転に、そして宇都宮では完全な新設でLRTを開業、各地で前向きなニュースが聞かれるようになりました。街づくりと一体の発想で考えられたこれらの路線は、大切な役割を担ってその街の顔になっていくことを期待したいですし、東京の街でも臨海部などは改めてこのような交通が考えられてもいいように思います。
風旅記: https://kazetabiki.blog.fc2.com
  1. 2020/02/12(水) 02:10:52 |
  2. URL |
  3. 風旅記 #O7xVy9HA
  4. [ 編集 ]

復権は嬉しいけれど

風旅記さん、

今や、若者は車離れ、年寄りは泣く泣く免許返上。車社会にも新たな局面が。
思えば前回の東京オリンピックの際に、都電が引っ剥がされ、街中に首都高が造られました。
あちこちの町の路面電車は、自動車の邪魔者扱いされて次々と消えていきました。
先見性のある幾つかの町に残された路面電車は、どこの街でも宝物で、廃止の噂など聞こえてきません。
再び走らせたくても、低成長高齢化社会の困窮財政では、多くの場合、とても無理ということに。
路面電車の復権は喜ばしいことですが、大した議論もせずに廃止された経緯に憤るこあらまです。
もう少し市民が都市計画に積極的に参加するようなシステムをつくらないと、税金の無駄遣いばかりです。
  1. 2020/02/12(水) 22:59:48 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

こんにちは。
お返事くださいましてありがとうございます。
「憤り」、私も理解します。
好きで鉄道に乗って旅する機会があれば出先の街を散策しますが、ここに路面電車が残っていたら今ならばどれだけ良かったことかと感じることが多々あります。
例えば岐阜、郊外電車へ直通する系統まで名鉄が作っていたのに、なんともったいのない判断をしたことか、渋滞に巻き込まれたバスの列を見ながら思ったものでした。
私が個人としてこの軽快な電車の可能性を実感したのは富山でした。不便なローカル線に過ぎなかった富山港線にLRTが走り始め、本数が増え、交通の携帯も整理された様子を見て、身近な鉄道があることの大切さを実感しました。
中規模以上の街には、やはりバスの羅列よりも路面電車が市内交通の幹となっている方が合っていると気づくのが、あまりにも遅過ぎましたし、道路偏重の弊害に盲目的になり過ぎています。
風旅記: https://kazetabiki.blog.fc2.com
  1. 2020/02/15(土) 14:15:30 |
  2. URL |
  3. 風旅記 #O7xVy9HA
  4. [ 編集 ]

LRT計画ブーム

風旅記さん、

正確に数えたことは在りませんが、路面電車が無くなった街は50都市くらいは在ると思います。
そして、現在LRTの新線建設を計画している都市が20くらいあります。
なかなか、凄い数字だと思いませんか。僅か数十年で、不要になったものが再び必要になるのですから。
熱しやすく冷めやすい国民性ですから、LRT導入計画も一時のブームで終わるかもしれません。
ひょっとすると、道路飽和の都市部での、LRTに名を借りた、大規模工事目当てなのかもしれません。
そんな中、富山のやり方には本気度を感じます。LRTを中心とした街づくりへの意気込みがあります。
併行するバス路線を廃止するくらいの勢いがなければ、LRTを導入しても先が知れています。

本来、街中は歩行者と公共交通機関が優先で、車は肩身が狭くてもいいんですよ。それが文化と云うものです。
日本橋の上を都電が往くのであれば結構なことですが、橋を覆い隠して首都高を通す神経が分かりません。
日本も観光立国を目指すそうですが、そういうバカげた建造物を観光名所にするという逆転の発想もありますね。
今なら「人に優しい」と云うのは当たり前ですが、過去に「車に優しい」町づくりをしてしまったということです。
その象徴が、前回の東京オリンピックです。今回は、都心の低空を飛行機が降下してくるそうで・・・。
  1. 2020/02/16(日) 23:58:20 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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