勇払原野を、とぼとぼとD51が単機で流れてきた。
気力なく撮ったのは形式写真風。となれば北海道形をチェックしてみよう。

1972年3月 千歳線 植苗-沼ノ端
D51北海道形と言われるデゴイチはどういうものなのだろうか。小生は形態学には弱いので、今一度、画の追分のD51539でチェックしてみよう。確かに北海道内のどの機関区のD51もこんな姿をしていた。ということは、単なる路線や機関区の変異個体ではなく、国鉄北海道総局が仕様を決めた北海道内専用の亜属ということなのだろうか。D51だけでなく、例えばキハ22やキハ56のように、各種の車両で北海道専用の形式が存在するわけだから、亜属があるのは当たり前の話なのかもしれない。
ところが、このD51北海道形の仕様の詳細の調べがつかない。国鉄北海道OBの叔父さんが二人もいたが、ともに他界してしまい、聞くことができないのが残念だ。そこで、形態学といえば模型屋さんだ。調度よいことに昨年、KATOこと株式会社関水金属が、「D51北海道形」、「同ギースルエジェクター」を発売している。その商品説明にある、モデル化のポイントとは、
・密閉式キャブ ・切詰めデフ ・運転席旋回窓 ・助手席Hゴム支持窓 ・前面デッキ手すり ・テンダーライト位置 ・前部標識灯位置・ ボイラー上部手すり ・密閉式キャブ対応のテンダー前妻形状 ・スノープロウ
結構ある。この公式側の画で、助手席Hゴム支持窓、テンダーライト位置以外は全て確認出来る。この罐バリバリの北海道形だ。おまけに、ギースルだ。これだけ見ているのに、気づかなかったことがいくつかある。前面デッキの手すりはただの棒ではなかった。前部標識灯はランタン状だ。テンダーは後退角がついていて、小樽築港のC62同様に温水パイプが伸びている。知らなかった。ただ、北海道の他の形式の罐とも共通する内容が多いようだ。
やはり、これだけの装備を施さなければ、北海道では用を為さないということだ。北の大地の冬の厳しさを改めて考えさせるD51北海道形でした。
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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真
- 2015/03/27(金) 17:00:11|
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