駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

大沼湖畔の邂逅

夜が明けきらぬ大沼の朝 上下の普通列車がすれ違う
東の空にも大沼の湖畔にも、秋の紅が差していた

80007314.jpg
2016年10月 函館本線 大沼 6時23分 藤城線 5881D 森行き 既に対向列車が見えている


ここは函館本線の大沼の函館寄りのポイントだが、線路が2本走っている。上り線と下り線なら話は簡単だが、山側の1本は、七飯から渡島大野、仁山を経由して大沼に向かう本来の函館本線の筋。湖岸側のもう1本は、七飯から途中駅無しで大沼に向かう通称藤城線のルートだ。藤城線は、仁山越えの急勾配を緩和するために1966年に後付けで建設されたもので、主に下り線として使われていた。つまり、藤城線開通後は、原則、下りの旧大野町、現北斗市の玄関駅である渡島大野に用のない優等列車と貨物列車は藤城線を走り、各駅停車のみが仁山経由を走っていた。

ところが、北海道新幹線の在来線との接続が無人駅の渡島大野となり、駅名も新函館北斗に改称されたことは周知の通りである。となると、新幹線接続の優等列車は上下とも全て仁山経由となる。仁山越えの20‰の勾配など、現代のキハには大した支障ではない。かくして、この二つのルートの役割は大きく変わり、仁山経由は旅客、藤城線は貨物線と相成った。しかし、朝昼晩の下りの3本の普通列車が例外として藤城線に残った。新幹線駅を回避する世にも珍しい列車だ。業界筋では、ダイヤ編成上の措置とも、藤城線の免許を失いたくないJR北海道の思惑とも囁かれている。

何はともあれ、仁山経由の大沼発6:22の5880D函館行きと、藤城線の大沼着6:28の5881D森行きの2本の貴重な普通列車が、線路を違えて間髪入れずにこのポイントを通過する。本当に通過時刻が切迫しているので、どちらが先に来るかも判らない。おまけに、この函館側で2線が交差しているので、感覚的に湖岸寄りが仁山経由と勘違いしそうだ。湖岸の線を往く貴重な筋も失いたくない。もちろん前照灯がアクセントになる駒ヶ岳バックの上りも撮りたい。この日、カメラに記録された時刻差は1分だった。二兎を追う者は一兎をも得ずというが、さてこの出来は何兎だろうか。


80007320.jpg
同日同所 6時24分 仁山経由 5880D 函館行き


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/09/14(木) 00:00:00|
  2. 函館本線
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  4. | コメント:2
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涙の駒ケ岳

こあらまさま

82系好きとしては77年夏渡道時に最大の目的としていた、駒ケ岳バックの写真も
有珠山噴火と長雨の影響で没となってしまい、未だに駒ヶ岳を見ると
その後悔が頭をもたげてきます。
  1. 2017/09/14(木) 20:59:02 |
  2. URL |
  3. 狂電関人 #vqoLnCUQ
  4. [ 編集 ]

82系銀座

狂電関人さん、

82系といえば、大編成かつ長距離の「おおぞら」か「白鳥」といったところでしょうか。
千歳が北海道の玄関口になるまでは、ここは函館から道内各地に向かう82系銀座でしたからね。
D51、D52、C62という大型蒸気も長編成で頻繁に来ましたから、今思えば凄い処でした。
そう考えてしまうと何も撮れませんから、ヨンマルやDF貨物で精々盛り上がりましょう。
有珠山噴火の時は、山線が幹線復帰していましたから、逆に珍しい光景が記録出来たのでは。
  1. 2017/09/15(金) 00:08:17 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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