駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

続・青葉の山陰線を往く その22 小串線終着駅

日本最長在来線の旅もそろそろ終わりが近づいた
線路は南下を始め、山陽線の待つ幡生を目指す

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2017年4月 山陰本線 阿川

ホーム上に629キロポストがある阿川までやってきた。終点の幡生まであと15駅、44.8kmを残すのみとなった。この阿川からは海岸を離れ、特牛、滝部と25‰の小峠を幾つか越えて、長門二見の先で再び海の見える響灘の岸辺に出る。阿川は幡生から延びた国有鉄道小串線の終着駅として1928年に開業した。駅舎は開業時からの木造だが、色々と手が入れられているので古の風情には乏しい。ただ、正面の待合室入口の三角屋根には、この駅舎が出来た頃の面影が感じられる。美禰線が接続したのが2年後、山陰線が全通してその駅となるのは5年後の1933年のことになる。

山陰線にはキハ40系の後継としてキハ120形、121系、126系が導入されているが、長門市-下関間は、唯一今もキハ40系が独壇場の区間だ。小串-下関間はぐっと列車本数が増えるが、やはり全てがキハ40系で運用されている。観光列車の「〇〇のはなし」以外はラッピング車もないので、撮る側としては安心な線区だ。ところが瑞風が走るようになって、ちょっと沿線がざわついている。本来は風景重視ののんびりとしたローカル線なのだが、瑞風が車両特異性の高い専属カメラマンを引き連れて来た。なかなかハードな仕事っぷりなので、運転日には心積りしておいた方がよさそうだ。


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山陰線の小串-幡生間は、もともとは長州軽便鉄道、後の長州鉄道という民間会社により敷設された。下関から現長門市までの免許を得ていたが、資金不足で小串までとなってしまった。国有化され小串線と改称され、阿川まで延伸されたところで、東から美禰線が伸びてくるのを待つことになった。長州鉄道に残された幡生-東下関間は電化されたが、関連会社ともいえる山陽電気軌道に譲渡され、同社の幡生線となった。下関市街を巡る路面電車として半世紀近く活躍したが、1971年に廃止され、同社はサンデン交通というカタカナ名のバス会社となって現在に至っている。生き残りのために、ANAの空港業務も受託している。一世紀程前に、多くの鉄道が民間の英知によって建設され、その路線を繋ぎ合わせて国鉄の全国鉄道網が完成することとなった。再び、JRという民間会社に分配されたわけだが、そんな経緯があることを無碍にしてはならない。もちろん、国有化の流れがなければ、さらに多くの路線が失われていたであろうことは確かなのだが・・・。


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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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