駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

ハチロクの日 2017

朝の筑豊線にハチロクの客レがやって来る
大動輪のかつての本線機の穏やかな余生だ

01117F16.jpg
1971年7月 筑豊本線 中間

暑さにやられて、危なく「ハチロクの日」を忘れてしまうところだった。「キューロクの日」の予告編みたいなものだから、蒸気愛好家の諸先輩方におかれましては、くれぐれもご記憶の程を。今年は筑豊本線を訪れ、連載記事もお送りしたことだし、香月線の客レの筑豊線走行シーンを選んでみた。前方左手に吉田町営住宅が見えるので、現在の東水巻駅の辺りだ。当時、香月線の列車は、朝の通勤通学時間帯だけ客レで運行され、筑豊線にも乗り入れていた。牽引は室木線とともに若松区のハチロクが担当していたが、短距離での行ったり来たりで転車はできず、下りは逆向きで牽いていた。一方、線路端には撮り鉄が。蒸気が左右から引っ切り無しに現れる筑豊線では、来た列車を手持ちで撮るというスタイルだった。

この香月線は、筑豊の典型的な炭鉱盲腸路線だったが、1960年代後半には沿線の炭鉱が全て閉山し、この路線も85年に廃止となっている。廃止といえば、沿線住民が涙ながらに最終列車を見送るというシーンを想像しがちだが、それは鉄道好きの単なる思い込みにしか過ぎない。この路線は、沿線自治体と市民の廃止運動によって葬られている。モータリゼーションが進展し始めた時代、地域開発と発展のためには、香月線のようなオンボロ鉄道は邪魔な存在と見なされた。東京の都電とトロリーバスが大幅縮小されたのも、前回の東京オリンピックを契機とした、同じような理由からだった。そして今度は、夕張発の廃止ビジネスが始まろうとしている。ローカル線も、廃止の代償の金銭的価値が値踏みされる時代となった。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/08/06(日) 21:00:00|
  2. 筑豊本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

香月線列車

こあらまさま

そんな悲しい物語を持っていたんですね、香月線は。
電関人も朝の上り列車を折尾で撮影しています。もっともDE10牽引ですが。
  1. 2017/08/06(日) 21:23:49 |
  2. URL |
  3. 狂電関人 #vqoLnCUQ
  4. [ 編集 ]

車社会の小鉄道

狂電関人さん、

香月線は中間の街中を通っていましたし、最盛期には3線あったといいますから、結構な場所をとっていたのでしょう。
今なら、富山港線のようにトラム化するなどのアイデアもありますが、当時は車が最優先だった時代でしたからね。
香月線の客ㇾは4両、キハは2両だったように記憶しています。余程朝に乗客が集中するところだったようです。
そういえば、当時も日中には列車がありませんでした。既に、北九州のベットタウンだったようです。
DE10の客ㇾも、どんなもんだか見たかったです。キハを増やした方が安上がりのような気がしますが。
  1. 2017/08/07(月) 11:22:35 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

通勤通学列車

香月線と言えば大木さんの名作「遅刻しそうなセーラー服の駆け込み乗車」を思い出しますね。
都会並みの通勤通学列車だったかと想像します。
諦め半分ではあっても全国に廃止反対運動が巻き起こった陰で、促進運動があったとは初耳です。
  1. 2017/08/08(火) 22:08:25 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

炭鉱の傷跡

風太郎さん、

あの大木さんの香月のピカピカのハチロクは、確か写真展で撮影苦労話があったと思います。
一見夕日のような朝日ですが、上手い具合に客車に向かうセラー服も。きっと動きを読んでいたんでしょうね。
この香月線、中間の町を東西に分断していた上に、坑道が原因の地盤沈下問題で道路もガタビシだったそうです。
町を再構築するためには、どうしても撤去してもらわなければと、廃止運動になったようです。
廃止運動が起こらなければ廃止を免れたかは分りませんが、どう考えても早計だったと思いますよ。
  1. 2017/08/08(火) 23:31:00 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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