駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

抜海巡礼 第3話 抜海村字バッカイ

この冬初めての本格的な積雪となった翌朝、きれいな青空が広がった。
一夜にして北辺の地は冬の世界へと衣替えした。利尻山が洋上に凛としてそびえ立つ。

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2013年11月 バッカイ集落と利尻山 (以下同年同月)

抜海駅前の道を海に向かって進むと、次第に利尻山が視界に入って来る。1km程で海岸沿いの道道106号のオロロンラインにぶつかる。さらに南に1km程で抜海村のバッカイの街に着く。ここの正確な地番は「北海道稚内市大字抜海村字バッカイ」だ。26世帯64人の小さな集落だ。ここでいう「抜海村」は行政区分上の市町村の「村」ではない。「大字抜海村」といういわゆる市内町名だ。稚内村、宗谷村、声問村、抜海村が稚内市に統合された際に、夫々の村名を残しかったようだ。このような例は北海道に多い。
ちなみに、駅の反対側の内陸に酪農地域の「クトネベツ」があるが、抜海駅はこの「クトネベツ」に属している。抜海駅の南隣りは、抜海村字上ユーチにある勇知駅だが、この辺りが勇知地区と呼ばれる酪農の中心地帯で、今では抜海村唯一の学校となった上勇知小中学校がある。


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抜海港

抜海港は沿岸漁業の小さな港だ。定置網によるサケ漁、ミズダコ漁、刺し網によるニシン漁、ナマコ、ウニ、ヒラメなどの栽培漁業が行われている。だが、漁業と集落の衰退は否めない。2007年に閉校した抜海小中学校は、今も時間が止まったかのように、日本海を望むオロロンライン沿いに残されている。


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抜海港 ゴマフアザラシ休息地

抜海港防波堤の波消しブロックが、10月末頃から翌4月中旬頃まで、ゴマフアザラシの休息場所になっている。期間中「アザラシ観測所」が設営され、暖を取りながら観察ができようになっており、冬の稚内観光の一つになっている。
しかし、定置網の食害と港内の水質悪化が年々深刻化し、昨年末に稚内市は猟銃による駆除を始めることを決めた。山村の鹿・猪と同じようなことになっているようだ。


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稚内方面俯瞰

この画はバッカイから稚内方向を俯瞰したものだ。画のやや左奥が稚内となる。実は、この画の中を宗谷本線が走っている。ここでスーパー宗谷キハ261系と普通キハ56系を撮る予定だったが、稚内始発の普通列車が車両故障でウヤとなった関係で、泣く泣く諦めざるを得なかった。又とない絶好の条件の日に何ということだ。JRの手配した代行タクシーでここまでは辿りつけたが、列車は通過した後だ。またの来訪を誓って現場を離れるしかなかった。また一つ、撃沈の歴史を積み重ねることになった。
とうとう線路だけの車両なしの記事となってしまった。ご勘弁を。

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  1. 2015/03/04(水) 22:06:50|
  2. 宗谷本線
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Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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