駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

或る夏の日の田野

南国宮崎の強い日差しが照り付ける
夏の黒煙があの日の田野へと誘う

05912RFR16.jpg
1973年8月 日豊本線 田野

何ということのない駅撮り写真だが、結構お気に入りの一枚だ。当時は、機材を担いで眺めの良い所、煙の出そうな場所へと、線路伝いに苦労して散々歩き回ったものだが、今、何をアップしようかとインデックスを捲っていくと、つい気になるのが、駅でのこんなお手軽ショットだ。あの頃の人の営みを感じられるものに、どうしても目が留まってしまうが、その絶好の場所が駅だということだ。こんなことなら、駅撮り重視で行けば良かったのだが、そこは凡人の先見の明のなさだ。連写の走行写真の合間にある駅のナップが、今となっては当時の生活を窺い知れる貴重なコマだ。

さて、写真の罐は、以前ご紹介したことのあるK-5門デフと高めに付けられたナンバープレートが特徴の宮崎の65号機だ。当時の日豊線には、かつての九州の名機が集結しており、シゴナナ好きには天国のような場所だった。田野の駅はそこそこの大きさで立派なホームだが、どうやら豆炭も使っていたようで、ホームにはその片割が転がっている。貨物牽引の傍ら暫しの休息をとっていたが、こちらに気が付いたのか、リンゲルマンチャートを無視するかのようにな黒煙を上げてくれた。如何にも、南国宮崎の夏を思わせる、眩しいような日差しと、立ち上る黒い煙だった。


★長らく予約更新でお送りしましたが、今回から平常運行に戻ります。九州・山口地方を旅してまいりましたので、写真の整理がつき次第、昔懐かしい現役蒸気の名所群なども含めてお送りする予定です。


スポンサーサイト

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/04/27(木) 00:30:00|
  2. 日豊本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<国縫駅3番線 | ホーム | 笑って手を振ろう>>

コメント

時代と共にあって

長い旅だったようですね。さぞや大収穫だったのでは。

時代と共に一番変わったのが「駅」という事なのでしょう。
汽車の世界はその時代の佇まいと共に在って輝くものです。
ところでこの写真は線路に降りて?それを見て歓迎の黒煙?
涙が出る程いい時代。
  1. 2017/04/27(木) 21:31:10 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

古き良き時代

風太郎さん、

思いっきり長旅になってしまいましたが、非鉄にもかなりの時間を割いたので、鉄の成果はそこそこです。
久し振りの九州でしたが、大らかな土地柄だけあって、東とは一味違う撮影が出来ました。
特にJR九州は、上場を果たし、その後の株価も順調ですから、職員の方々も皆さん心なしか嬉しそうでした。
ふと、JR北海道にも、何らかの手段で、こんな日がやって来てくれればと、祈らずにはいられませんでした。

現在の世情を考えると、こんなアングルの写真は少々アップし難い面があります。
この時代は、線路は公の歩道のようなものでしたから、誰もが憚ることなく歩いていました。
停車時間の長い列車の機関車を正面撮りすることも、何ら躊躇もありませんでしたし、注意もされませんでした。
この後、キャブに向かい、機関士と助士の御二人から色々な話を聞かせてもらい、ちょっとした体験もあったりして・・・。
最後に、「発車をよろしくお願いします。」という塩梅でした。
当時は、鉄道で働く人も、鉄道を愛好する人も、一緒に鉄道を楽しんでいたような雰囲気がありました。
  1. 2017/04/27(木) 23:14:51 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

田野駅

こあらまさま

お帰りなさいませ。
アッシュに埋まりかけた線路とホームの豆炭に
シンダーの香りが漂ってきそうです。
電関人も、この地でライパシに逢ってみたかったです。。。
  1. 2017/04/28(金) 21:24:34 |
  2. URL |
  3. 狂電関人 #vqoLnCUQ
  4. [ 編集 ]

九州巡業

狂電関人さん、

たまたま桜の開花が遅れたので、結構花見が楽しめました。菜の花も見頃でした。
九州の方々には大変お世話になり、楽しい思いをさせて頂きました。明るくて大らかで、良い土地柄ですね。
ただ、熊本地方はまだまだ震災の傷跡が癒えていません。くまモンも復興に奮闘中でした。

今回も日豊線の清武、日向沓掛、田野、青井岳辺りを巡ってみたい気持ちもありましたが、断念しました。
さすがに電化されて、顔の黒い奴ばかりになってしまうと、食指が動きませんでした。
非電化路線のヨンマル族が無くなってしまったらと考えています。
JR西日本と同様に、まだまだヨンマル族は健在でした。もう暫く楽しめそうです。
  1. 2017/04/28(金) 23:37:44 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

振り返るばかりの毎日です。

堀越 庸夫さんのページから、こちらにお寄りしました。
もうすぐ77歳になろうという身で、もはや旅行などは到底無理ですが、考えてみれば、私自身も、いろいろな駅舎を潜ってきました。懐かしい画像を楽しみにしています。
  1. 2017/05/05(金) 06:22:13 |
  2. URL |
  3. dragonJJ #/ggmU9FQ
  4. [ 編集 ]

心の旅

dragonJJ さん、

堀越さのサイトからということですと、やはり蒸気機関車がお好きということでしょうか。
私は現役蒸気の末期を少しばかり齧った程度ですから、堀越さんのような素晴らしいライブラリーは持ち合わせておりません。
それでも、蒸気機関車を訪ねる旅は、とてもよい経験だったと思っていますし、懐かしい思いで一杯です。
特に駅で過ごした時間は掛け替えのないものになっていますし、今も駅を訪ねて旅を続けております。
私にとって、駅舎は懐かしい思い出でもあり、未来への入口でもあります。そんな思いで「駅舎の灯」をやっています。
きっと、dragonJJさんも、長い人生の中で、駅での色々なシーンをご経験されて来たのですね。
実際に旅に出られなくても、写真や本を通して旅を続けることは出来ます。
dragonJJさんにおかれましても、今後も素晴らしい旅が続けれらますようお祈りいたします。
  1. 2017/05/05(金) 23:00:14 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://koarama101.blog.fc2.com/tb.php/436-abfcf8d8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

リンク

月別アーカイブ

最新トラックバック

カテゴリ

小海線 (99)
飯山線 (20)
宗谷本線 (13)
天北線 (1)
興浜北線 (1)
深名線 (1)
石北本線 (7)
渚滑線 (2)
湧網線 (1)
相生線 (2)
釧網本線 (3)
根室本線 (2)
池北線 (1)
広尾線 (2)
留萌本線 (7)
札沼線 (1)
函館本線 (36)
室蘭本線 (6)
千歳線 (1)
日高本線 (3)
江差線 (11)
大湊線 (4)
津軽鉄道 (1)
五能線 (2)
八戸線 (3)
花輪線 (1)
三陸鉄道 (2)
釜石線 (8)
秋田内陸縦貫鉄道 (2)
由利高原鉄道 (1)
米坂線 (2)
磐越西線 (1)
日中線 (3)
只見線 (41)
真岡鐡道 (14)
東北本線 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (3)
東海道本線 (2)
八高線 (8)
秩父鉄道 (7)
西武池袋線 (1)
西武山口線 (1)
江ノ島電鉄 (10)
箱根登山鉄道 (3)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (1)
関西本線 (2)
宮津線 (1)
山陰本線 (22)
播但線 (1)
姫新線 (3)
津山線 (1)
芸備線 (6)
木次線 (1)
三江線 (3)
山口線 (5)
日豊本線 (14)
筑豊本線 (5)
後藤寺線 (1)
唐津線 (3)
松浦線 (3)
大村線 (1)
長崎本線 (2)
久大本線 (2)
豊肥本線 (2)
高森線 (1)
肥薩線 (12)
日南線 (2)
写真集・書籍 (3)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)
指宿枕崎線 (1)

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR