駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

増毛の残照 第5夜 最北の酒蔵

留萌の海岸段丘の下の浜辺に、その元仮乗降場はあった
かつて海水浴客で賑わった列車は、廃止を前に久々に満員だ

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2016年10月 留萌本線 瀬越

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増毛には「日本最北の酒蔵」と呼ばれる「国希」がある。旭川は全国区の「男山」や「国士無双」、「大雪の蔵」などの酒蔵が犇めく激戦区で、こちらの方が北ではないかと思いがちだが、地図をよく見てみると、僅かに増毛の方が北にある。留萌本線は深川から西ではなく、北西に向かって伸びている。留萌と同じ緯度は、宗谷本線では蘭留と塩狩の間にあり、増毛は比布辺りになる。つまり、男山より国希の方が僅かだが北にあることになる。もう一つ気になるのが北見にある「栄光摩周」・「北見寒菊」が銘柄の山田酒造だ。石北本線は旭川を出ると徐々に北上して遠軽に向い、そこから南下して北見、また北上して網走へと至る。網走は地図上でも明らかに留萌よりも北にあり、もし網走に酒蔵があれば間違いなく最北だ。問題の北見は、緯度をきちんと調べないことには判らない。各地の緯度を記しておくが、僅かながら旭川より北になるが、僅差で増毛よりは南となる。つまり、北から増毛、北見、旭川の順になり、国希が名実ともに最北である。ちなみに4位の地は新十津川で、「金滴」がある。ただ、調査が未熟で、さらに北の隠れ酒蔵があれば、情報をお寄せいただきたい。是非買い出しに向かいたい。

左党の方々はそろそろ喉が渇いてきた頃かと思うが、拙ブログの管理人もその口だ。増毛の地に再訪した目的というか楽しみは、「国希」にもある。元々は呉服商であったが、ニシン漁に沸くヤン衆のために、酒造業も始めたのが明治35年ということで、酒蔵としての歴史も115年となる。北海道の清酒は淡麗辛口が多いが、この国希も、北前船の飲料水にも好まれたという暑寒別山塊の伏流水で仕込まれる、頗る飲み口のいい酒だ。家庭で団欒に味わうには最適な味わいを持つ。管理人は濃厚、芳醇タイプが好みであり、北海道の蔵が選択肢に上がることは少ないが、試す価値は十分にあるとお伝えしておこう。ただ、管理人が飲むのは、その場所で晩酌用に普通に呑まれている雑味の多い銘柄で、風味のバリエーションの少ない淡麗なだけの、精米度も価格も高い銘柄は全くもって対象外だ。酒蔵の御主人に留萌線廃止の影響について尋ねてみると、鉄道利用のお客さんは殆ど買ってくれないという。札幌からバスでやって来るお客さんに、五合瓶がよく売れるという。それはそうだ。中には管理人のように、一升瓶をまとめ買いしていく買い出し組も偶にいるとのこと。美味い酒だけあって、津軽海峡を越える時には、一升瓶はラベルだけになっていた。

各地の緯度
網走 44.020631
留萌 43.940987
増毛 43.856063
北見 43.807823
旭川 43.770799


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増毛の「国希酒造株式会社」

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「国の誉」は旧銘柄


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/01/23(月) 00:30:00|
  2. 留萌本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

わたくしも・・・

こあらまさま

まさにその口です(笑)
今度は、赤提灯で・・・。
  1. 2017/01/24(火) 18:01:15 |
  2. URL |
  3. 狂電関人 #vqoLnCUQ
  4. [ 編集 ]

赤提灯

狂電関人さん、

是非! 是非!
庶民的な店で、庶民的な酒を飲むのが、一番落ち着きます。
赤提灯で、駅と酒蔵の歴史なんかを肴に呑んだら、旨いでしょうね。(笑)
  1. 2017/01/24(火) 21:29:21 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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