駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

鉄道敷設法 第13号

秋の残り日が秋田内陸の山間の集落を照らしている
美しく色付いた林の中から紅葉狩りの列車が現れた

80007085.jpg
2016年10月 秋田内陸縦貫鉄道 笑内

先日 由利高原鉄道の記事を上梓した際に、秋田内陸縦貫鉄道のことにも話が及んだので、ここで内陸線の写真も1枚掲げておこう。何といっても秋田市を通らないこの路線は、延々と94.2kmに渡って写真のような鄙びた風景の中を走り続ける。どうしても森吉山などの観光にも頼らなければならない環境だ。やって来る列車は、先頭から赤、橙、黄の色鮮やかなカラフルな車両だ。折しも紅葉のシーズンで、3両の車内は座り切れないほどの観光客で溢れていた。この先の阿仁川橋梁上では徐行をして観客の目を楽しませている。

1922年に鉄道省により公布・施行された「鉄道敷設法」別表の第13号には、『秋田県鷹ノ巣ヨリ阿仁合ヲ経テ角館ニ至ル鉄道』とある。この21文字が、現在の秋田内陸縦貫鉄道の基となる阿仁合線、角館線が敷設に至った根拠で、100年近く前に構想された鉄道網の一部だった。この政治色が極めて濃い法律は、1987年の日本国有鉄道の消滅まで、密かにそして連綿と受け継がれることになった。お蔭で日本が数々のローカル線を有する鉄道王国となったわけだが、本をただせば地方政治家の勝ち取った戦利品でもあった。

この内陸線も再び存続問題に揺れている。このところの地元住民の意識調査や顧客満足度調査の結果などは興味深いものがある。間もなく県人口が100万人を切るという、日本一の過疎化の現実への危機感もあってか、各地で開かれるシンポジウムなどでは、地域の自己反省的な意見も数多く、自助努力に欠けるとされる地域住人の熱意に、何処まで火が付くかが存続の可否を握っているようだ。多くの住民が、路線維持のための県と市の支出は、止むを得ないと考えているのが救いだが、最大の支援者は国という厳しい実態もある。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/01/13(金) 00:30:00|
  2. 秋田内陸縦貫鉄道
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

90年代後半

こあらまさま

この隣でしたか、比立内から林道を分け入ったところに町営の素晴らしいキャンプ場がありまして、90年代後半に3度ほど釣キチの会社の先輩らとともに立ち寄りましたが、
残念ながらいつも縦貫鉄道の写真を撮っておらずなんですよ。。。
  1. 2017/01/13(金) 19:43:07 |
  2. URL |
  3. 狂電関人 #vqoLnCUQ
  4. [ 編集 ]

撮るか釣るか

狂電関人さん、

実は私も渓流釣りも海釣りも好きでして。今は撮り鉄が忙しくて、竿を出す機会はぐっと減りました。
ただ、函館郊外には秘蔵の川がありまして、何時も大物爆釣です。熊の心配が無ければヤマベ天国です。
秋田内陸鉄道はなかなか風光明媚な路線ですよ。どの色の車が来るか予め分ればいいのですが。
桜とか雪とかの季節もよさそうな路線です。もう少し近いといいのですが、この距離だと優先順位は下がりますよね。
  1. 2017/01/13(金) 23:05:38 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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