駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

池田修三が往く

米どころ秋田の稲刈が終った田圃の中にその駅は在った
池田修三のノスタルジックな眼差しを乗せて由利鉄が往く

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2016年10月 由利高原鉄道 鳥海山ろく線 吉沢

国鉄時代、羽越本線の羽後本荘から羽後矢島に至る矢島線という23.0kmの短い路線が在った。奥羽本線の院内に延伸され、北上線、釜石線を経て太平洋に至る「陸羽横断鉄道」構想の一部でもあったが、敢え無く計画は頓挫し盲腸線となった。確か国鉄時代にはC11が走っていたと記憶している。こうした本来の目的を失った行き止まりの短距離路線は、国鉄末期に多くが特定地方交通線に指定され廃止となった。矢島線もほぼバス転換が決まっていたが、弘南鉄道の引受け表明から流れが変わり、1985年に第三セクターの由利高原鉄道株式会社の鳥海山ろく線に引き継がれた。当初6期連続の黒字を計上したが、その後は過疎化が止まらず、慢性的に赤字が続いている。

経営が悪化の一途を辿ることから、2011年、起死回生のため旅行業界出身の春田啓郎氏が公募で社長に抜擢された。これは、2009年就任のいすみ鉄道の鳥塚氏と、同じ流れを汲むものだろう。何れにせよ「ローカル線は地域の宝」の御旗の基、観光路線化を模索している最中で、ラッピング車両の導入もその一環のようだ。以前、Panasonic が「エボルタ電池鉄道」と称して、旧小坂鉄道で「廃線1日復活チャレンジ」を催したが、一昨年 その世界最長距離のギネスチャレンジが行われたが、その場所が由利鉄だった。先日 株主である秋田県知事の、秋田内陸縦貫鉄道とともに代替措置を検討するという議会答弁が伝えられているが、いよいよ結果が問われる厳しい局面を迎えた。

この車両のラッピングのキャラクターを、何処かで見たような気がするという方が多いのではないだろうか。由利本荘市の隣の象潟市(現にかほ市)出身の木版画家 池田修三の作だ。と言っても知る人は少なく、生前は地元でも作品は知っているが作者は分からないという不遇の版画家だった。没後に秋田県のタウン誌『のんびり』の特集が切っ掛けで、再評価されるようになったが、さて、皆さんはご存知だろうか。このラッピングは2面が青背景、2面が赤背景の2つのキャラクターで構成され、左右から別々の作品を鑑賞することができる。小生はラッピング車両は好きではないが、このラッピングが由利地域のお宝のコラボということでは、ケチを付ける訳には行くまい。頑張れ「由利鉄」。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/01/07(土) 00:30:00|
  2. 由利高原鉄道
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

遅くなりましたが

本年もよろしくお願いします。
さてさて、由利鉄はひょんなことから、毎年カレンダーを購入していたのですが、由利鉄がカレンダーネット販売を停止して以来、それきり途絶えております。
個人的には応援したい路線なのですが、、、。
  1. 2017/01/07(土) 18:33:18 |
  2. URL |
  3. マイオ #pcU4xDNY
  4. [ 編集 ]

頑張れ 由利鉄!

いまから10年程前のことですが、秋田の大学関係者のかたから、県内の子供たちは高校生になったら、秋田を出ることを考え始める、という話を聞かされ、そこまで魅力を感じない土地になってしまったのかと驚いたことがあります。
事実、人口の減少率は全国ワースト1で、2040年には人口が現在の約107万人から70万人に減るとの推計もあるようです。
農家が多く、土地がある故に新しいことをのぞまなくても生きてこられたことが、改革が遅れた大きな要因なのでしょう。
しかし、このさき加速度的に人口の流出が進むとなると、赤字ローカル線の存続も相当厳しいと言わざるをえません。
かつて国鉄時代の廃止の動きに対しては、駅の周辺に由利町みずから看板を立てて、廃止の署名をはがきに書いて送ろうと呼びかけていましたが、人口の大幅減少、さらに三セクの性格からしても、代替の声は、これからさらに強まっていくことでしょう。
しかも由利鉄は、有名観光がないだけに、存続は厳しいものがあります。
しかし、ここにはのどかな田園が広がる日本の風景が残っています。
都会に出て行った若者たちも、ふるさとの野山は、ホっとする場所でしょう。
そうなると、先日こあらまさんが提案されていた三セク納税の創設もひとつの案ですが、ふるさと納税の寄付指定のなかに、三セクをいれたほうが、より早く、効果的に資金確保ができるのではないでしょうか。
いずれにせよ、これまでさまざまな知恵を出し合って頑張ってきた由利鉄です。
なんとか存続させる道を見付けてあげたいものです。


  1. 2017/01/07(土) 18:57:19 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

おばこの鉄道

マイオさん、

こちらこそ、ご挨拶が遅れてしまいました。本年もよろしくお願いします。

新進画家の浜本節子さんの由利鉄カレンダーはなかなかの人気だったと思うんですが、その後どうなったんでしょうね。
あのカレンダーに、とても長閑な夏の黒沢駅の画があったのですが、実物を見たくて行きましたが、その通りの眺めでした。
由利鉄HPのギャラリーを覗くと、多彩な方々の作品が見られます。芸術色のある路線です。社長の趣向なのでしょう。
早いもので、由利鉄も30歳を過ぎました。今回も苦難を乗り越えてくれるといいのですが。
  1. 2017/01/07(土) 23:06:33 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

由利鉄基金

まこべえさん、

先日矢島線の話が出たものですから、早速由利鉄をアップしてみました。
社長の春田氏もなかなか健闘しているようですが、経営の厳しさは年々増すばかりです。
立派なホームページには情報満載ですし、色々なイベントも開いているのですが、如何せん恒常的な集客に至らないのが実情なのでしょう。
春田社長も認めているように、大都市圏に近い「いすみ鉄道」のようにはいかないのが辛いところです。
この由利地域は観光になるようなものがありませんから、長閑な風景をアピールするしかないのですが、限界があります。
情報を見て行きたくなっても、実際に由利本荘まで足を運ぶのは、限られたマニアックな旅人だけでしょう。
秋田内陸縦貫鉄道の方が、色々な面で優位ですが、こちらは長大路線ですから一筋縄にはいきません。
それにしても秋田の過疎化のスピードは半端じゃないですね。由利鉄も旅客収入が毎年10%以上減るというから驚きです。
秋田と言えば米ですが、硬直した農政が逆に田舎を荒廃させる原因になっています。若者の新規営農を拒めば農村は消えるだけです。
さあ、どうすればいいのでしょうか。やはり「ふるさと納税」でしょうか。そうですね、寄付指定の方が即実行できます。
由利本荘市に「由利鉄基金」の項目を作ってもらうのがいいですね。
  1. 2017/01/07(土) 23:08:10 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
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Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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