駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

山峡の駅

江の川沿いの山峡の駅に、C56の引く貨物列車がやって来た。
生活物資なのか、手荷物なのか、貨車から降ろされた荷が、リヤカーで運ばれてゆく。

05035RF16.jpg
1973年7月 三江線(三江北線) 川戸

島根県江津から江の川を遡ること14kmのところに旧桜江町がある。何とも美しい名の町だ。現在は江津市に編入されている。三江線の開業時は、ここ桜江町中心の川戸が終着駅だった。その後、延伸されていったが、1955年の三江南線の開業で、三江北線に改称。1975年の三次までの全通に伴い新線、三江南線を編入し、再び三江線となった。撮影は、全通2年前の「三江北線」時代だ。

当時、浜田のC56が、貨物を引いて、江の川沿いの山峡の町々を巡っていた。何を運んでいたかは調べがつかないが、ローカル線にしては長い編成だったように記憶している。この川戸では、駅員が何やら荷物をリヤカーで運んでいる。C56は暫しの休憩だ。

この三江線も数奇な路線だ。1968年に国鉄諮問委員会が、廃止対象として挙げた赤字83路線に、三江北線・南線ともに入っている。廃止計画は結局頓挫してしまうが、三江線の全線開通は指定から7年後で、よくこのタイミングで開通出来たものだ。2006年と2013年の2度の大水害からもJRの大きな出費にも拘わらず復旧している。陰陽連絡路線の役目も果たせず、もっぱら地域住民の域内移動需要のみで推移してきた、全JR線中最悪の輸送人員の路線にしては不思議なところだ。鉄道好きには結構なことだか、何れでも島根県の強い働きかけがあったといわれるが、効果の程は闇の中だ。何となく、生い立ちが只見線に似ているが、只見線は水害から復旧することは出来そうもない。廃線になるか否かの分かれ目は、いつも分からないことだらけだ。

スポンサーサイト
  1. 2015/02/16(月) 01:57:08|
  2. 三江線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<SLキューロク館 | ホーム | 冬のソナタ>>

コメント

三江北線

私は1974/8に最初で最後の三江北線を
訪問しました。結局、江津本町、石見川本、
因原で撮影したきりでした。

1972年にも三江北線は水害に襲われて、
そのときは明塚・浜原間が不通になっていました。
よくよく水害と悪縁がある路線なんですね。
  1. 2015/02/16(月) 21:53:15 |
  2. URL |
  3. マイオ #pcU4xDNY
  4. [ 編集 ]

中国太郎

マイオさんへ、

三江北線は何か捨てがたいローカル味のある路線でしたね。山陰線ばかりを撮っていると、気分転換に、ちょっと入ってみたくなるんですよね。返しの列車は、ここ川戸では停車時間が長く、停車も風情がありますし、両方向のそこそこの距離に、中国太郎こと江の川を入れて取れる場所があり、1列車を3度楽しめるメリットがありました。日の長い夏の夕方に行けば効率よく撮影できました。

マイオさんもお忙しいようですね。アンギュロンさんにおっしゃっていたある方のお手伝いですか。アンギュロンさんといえばあの方ですよね。落ち着いたらご一緒させてください。
  1. 2015/02/16(月) 23:54:33 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

こんにちは。
三江線、国鉄の赤字体質が固定的になってからの全通で、政治との絡みや我田引鉄などと批判された時代かと思います。
私も一度は訪ねたいと思いながら、遠方ゆえになかなかその機会を得られていません。
こうしてお写真を拝見するに、今よりも鉄道が重視されていた時代でさえ、この路線は純然たるローカル線だったようですね。
単行の軽快気動車が走る今の様子を、最後に開業した高規格路線と従前からの古い路線の混在した姿を見てみたいものです。
他の記事も楽しませて頂きます。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc
  1. 2015/02/17(火) 16:11:20 |
  2. URL |
  3. 風旅記 #O7xVy9HA
  4. [ 編集 ]

風旅記さん

この70年代頃は、国鉄は既に凋落傾向に入っており、その後廃線が続くことになります。特に北海道では、多くの愛すべき路線が消えました。そんな中で、中国地方のローカル線はよく健闘していると思います。

小生もまた三江線や木次線、芸備線などを訪れようと思っています。飛行機が以前に比べればかなり安くなりましたので、仕事がある身で行動範囲を広げるには、便利な手段となりました。全ての旅程を鉄道でこなしたいところですが、それは次の夢としてとっておきます。
  1. 2015/02/18(水) 02:00:02 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

こんばんは

こんな時代があったんですね~。
交換設備は当然のごとく、側線までしっかりあり、しかも煙という...。
それと、跨線橋ができる前なんですね。
交換設備が撤去され、今では跨線橋まで撤去されてしまい、たいへん寂しい雰囲気になってしまいました。
相変わらず桜の名所ではあり続けておりますが...。

三江線が災害を何度も経験しつつも、いまだに現役であり続けているのは、本当に奇跡的だと思います。
沿線の高校が次々とスクールバスを出している現状(定期利用者が激減しているらしく...)や、過疎化が更に進行してきていることを考えると、これからの運営はさらに難しくなることが予想されますが...。
  1. 2015/02/19(木) 23:03:39 |
  2. URL |
  3. 山岡山 #xCEEU8KE
  4. [ 編集 ]

貨物復権

山岡山さん、

1984年に国鉄が貨物のヤード輸送と鉄道小荷物制度を全廃させてからというもの、ローカル線の駅は三江線に限らず、縮小、無人化の一途でした。列車本数も減り、交換設備すらも次々と外されてしまいました。2000年の北海道有珠山の噴火が長期化した際、室蘭線の優等列車を函館線山線経由にしようと、急遽、交換設備を復元したという、笑えない話もありました。今や宅配便が全盛ですが、その役割を国鉄が担っていたなんて、もう信じられませんね。郵便も然りです。

小生は、環境負荷も小さい鉄道貨物輸送の復権を願っています。何より貨物列車が好きですし、鉄道も存続してほしいです。国も「モーダルシフト」と称して、鉄道輸送への回帰を推進していますが、どこまで本気なことやら。

そうそう、先日のご家族出演の記事を拝見しました。息子さんと一緒に撮りに行けるようになるといいですね。山岡山さんはお若いですから、今後どのような進化を遂げられるのか楽しみにしております。
  1. 2015/02/20(金) 12:29:16 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://koarama101.blog.fc2.com/tb.php/37-ebc6631f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

リンク

月別アーカイブ

最新トラックバック

カテゴリ

小海線 (109)
飯山線 (20)
宗谷本線 (13)
天北線 (1)
興浜北線 (1)
深名線 (1)
石北本線 (7)
渚滑線 (2)
湧網線 (1)
相生線 (3)
釧網本線 (3)
根室本線 (2)
池北線 (1)
広尾線 (2)
留萌本線 (8)
札沼線 (1)
函館本線 (38)
室蘭本線 (8)
千歳線 (1)
日高本線 (3)
江差線 (11)
大湊線 (5)
津軽鉄道 (2)
五能線 (5)
八戸線 (3)
花輪線 (1)
三陸鉄道 (2)
釜石線 (8)
秋田内陸縦貫鉄道 (5)
由利高原鉄道 (2)
米坂線 (4)
磐越西線 (2)
日中線 (3)
只見線 (47)
真岡鐡道 (14)
東北本線 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (3)
東海道本線 (2)
八高線 (11)
秩父鉄道 (7)
西武池袋線 (1)
西武山口線 (1)
江ノ島電鉄 (10)
箱根登山鉄道 (3)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (1)
関西本線 (2)
宮津線 (1)
山陰本線 (31)
播但線 (1)
姫新線 (3)
津山線 (1)
芸備線 (6)
木次線 (1)
三江線 (3)
山口線 (5)
日豊本線 (14)
筑豊本線 (9)
日田彦山線 (2)
伊田線 (1)
後藤寺線 (1)
田川線 (2)
唐津線 (3)
松浦線 (3)
佐世保線 (1)
大村線 (1)
長崎本線 (2)
島原鉄道 (1)
久大本線 (4)
豊肥本線 (3)
高森線 (2)
肥薩線 (18)
くま川鉄道 (1)
日南線 (3)
宮之城線 (1)
指宿枕崎線 (2)
写真集・書籍 (4)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)
陸羽西線 (1)

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR