駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

確かにそこに駅は在った 日中線 熱塩 構内編

その転車台跡は構内外れの桜の木の下に在った
溜まった水が青い秋空を映していた

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2016年10月 旧日中線 熱塩 現日中線記念館

以前にもこの記念館に寄ったことがあるが、随分と駅舎、構内ともに綺麗になったものだ。雑草の中の幽霊屋敷のようだった記憶があるが、すっきりした野芝の中の瀟洒な駅舎になっている。これも「熱塩駅よみがえらせ隊」の尽力だろう。

構内には、日中線で使用されていたラッセル式除雪車のキ287、旧客のオハフ612752の2車両、転車台跡、踏切警報機などが保存されている。本州最後の蒸気機関車運行路線であり、使用されていたC1163が、喜多方市街の桜並木近くの日中線記念緑道公園に露天で保存されているが、荒廃が激しく後部のナンバープレートなども盗難で無くなっている。どうせなら、屋根付の熱塩に移した方が良さそうなものだが、もう手遅れの感がある。


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この熱塩に転車台があったことはあまり知られていない。開業当初は使われていたらしいが、日中戦争時の人手不足と、短い平坦路線なのでバック運転でも大した支障がないことから使われなくなり、随分と前に構内線路配置からも外されたらしい。水槽状の構造は、今やビオトープの様相だ。


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保存車両のキ100とオハフ61は内部が見学できる。必見はキ100だ。ラッセル車の車両分類は貨車であり、列車の運行を制御する機能は持ち合わせていない。操縦席に並ぶのは除雪翼を操作するレバーだ。機械室には除雪翼を動かすばかでかいシリンダーが横たわっている。機関車から蒸気は貰えないようで、小さな石炭ストーブがある。この除雪車は一台一台がハンドメードのようなもので、同じものはなく、細部が少しずつ異なっているとのことだ。ちょっとこいつで除雪をしてみたいと思うのは小生だけだろうか。


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旧客の方はオハフ61で、主にローカル線で生き残った鋼体化改造の車輛だ。木造車の装備が流用されているので、現存する鋼製旧客の中では最も古の風情が残る。車内はSL牽引時の音響サービス付だ。後から気が付いたのだが、木製鎧戸の日除けを降ろしてみるのを忘れてしまった。


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このシリーズ最後の役者は踏切警報機だ。いい塩梅に錆びている。どうせならレールが残っていてくれると有難いのだが、その辺りは須田管理人氏が将来何とかしてくれるかもしれない。よく考えてみるとコンクリート防護柵の位置がおかしいが、細かいことは止めておこう。


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これで今回の熱塩巡礼を終わります。


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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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