駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

稲穂が香る小海線Ⅱ

新幹線が通じて、佐久から東京の通勤も可能になった
新興住宅街をバックに、稲穂を縫って小海線が往く

70010153.jpg
2016年9月 小海線

小海線沿線の水田風景となると、佐久地域がメインだ。山梨側は小淵沢の大カーブ辺りだけで、その先は林間の高原地帯になるので田圃は殆ど望めない。ただ、佐久側も寒冷な中山間地の田が年々減っている。佐久広瀬では次々と高原野菜への転作が進み、馬流では田を潰して大規模なソーラー発電所を建設している。他の地域でも、ぽつぽつと休耕田が目立ち始めた。代替わりなどの際に、手間の掛かる稲作を止めてしまうケースが多いという。

佐久は新幹線の佐久平駅が出来たことで、新たな商業地が出現し、移住者も増えたことで有名な処で、新幹線効果が顕著な数少ないケースとなった。東京まで1時間20分のため、下手に東京の私鉄沿線などに住むより、安価で自然豊かな住環境と、快適な通勤が得られるという訳だ。ただ、勤務先が新幹線通勤費を支援してくれるかどうかが分かれ目になる。東京までの定期代の月額¥132,830 を自腹で負担できるのは、やはり退職が目前に迫った田舎好きなおじさん達だろう。

この画のバックの住宅群は、千曲川の河岸段丘の南斜面を切り開いて造られた新興住宅地だが、どんな方がお住まいかはよく分らない。ここから東京へは2時間少々掛かるので、佐久か小諸辺りへ通勤される方だと思うが、東京も無理とは言えない時間だ。鉄道ファンに人気の山梨側の小海線では、こんな風景は見られないし、こんな写真を撮ろうと思う人もいないだろう。しかしながら、小海線が存続していられるのも佐久があっての物種だ。新幹線の佐久平駅にも感謝しないと罰が当たる。とは言え、小諸の賑わいが佐久に移っただけという分析もあり、なかなか事情は複雑だ。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/09/26(月) 00:30:00|
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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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