駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

朝日の大村湾

大村湾に朝日が昇った。水面の照り返しが眩しい。
朝の通勤・通学時間、長崎に向かう列車が、朝日を浴び次々と通り過ぎて行く。

01433RF16.jpg
1971年7月 長崎本線 喜々津-東園

大村湾沿いに走る喜々津-大草の区間は、長崎本線で最も風光明美なところだ。1972年10月に、内陸を直線的に結ぶ新線(市布経由)が開通し、優等列車は新線に切替えられ、旧線(長与経由)は普通列車のみとなったが、一昨年この非電化区間として残された旧線に、とびきりの優等列車が走ることになった。今やJR九州の看板列車となった「ななつ星in 九州」だ。当初のコースでは、夕刻の旧線と大村線から大村湾の夕景を眺めるという趣向だった。こういった試みは、景色は良いがローカルな衰退路線を活性化する一つの方法かもしれない。速さだけを競う時代ではなくなった証しだ。
蒸気は、この画の翌1972年の3月改正で、長崎本線、大村線ともに無煙化されている。

長崎本線で、大村湾に昇る朝日を見られるのは、ごく限られた場所だ。ここ喜々津は数少ないスポットの一つだ。喜々津の朝は、長崎に向かう下り列車で賑わう。広島に向かう呉線の小屋浦とまではいかないが、通勤・通学客のための蒸気牽引の客レが、少しの間をおいて長崎へと向かう。

6時半に、先陣を切って、旅客列車を縫うようにしてD51の普通貨物が現れた。この日は幸運にも半流ナメクジが仕業に当たっていた。美しいシルエットが大村湾に写し出され、キャブに浮かび上がった機関助士の姿が印象的だ。練習用の列車として構えていたが、思わぬ収穫に早起きが報われた。
この後、新大阪発の20系「あかつき1号」が、DD51牽引で、エンジンを鳴り響かせて通過して行く。ちなみに、栄誉ある列車番号1レで東京を発った「さくら」は、5時間程後の通過となる。ここでの本命としていたのは、この「あかつき」の後で、早岐の美しいC57に引かれた客レだ。早岐方面と諫早方面からの2本がたて続けにやって来る。そのシーンは後日ご覧にいれたい。

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  1. 2015/02/09(月) 02:37:50|
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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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