駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

狩勝を往く

狩勝が新線に切り替わって半世紀50年が過ぎた
新線になっても北海道らしい大パノラマは健在だ

70009771.jpg
2016年7月 根室本線 新得

狩勝峠の根室本線が、現在の新線に切り替わって、今年でちょうど50年となる。旧線を往く蒸気列車は、それはそれは迫力があったとのことだが、小生は先輩方の話をお聞きするだけで見たことはない。954mの旧狩勝隧道は、断面積が小さく排煙が悪く、新得からの上り列車の乗務員の労働環境が余りに厳しかったために、労使間の争議が新線に移行されるまで続いたという。また、このトンネルも常紋と同様に難工事で、タコ部屋労働と人柱の話が伝わっている。廃線後は、日本三大車窓の旧新内駅周辺は鉄道遺産として、NPO法人「旧狩勝線を楽しむ会」によって整備され、旧狩勝隧道の入口までフットパスが伸びている。この地にあったSLホテルは例によって廃業しているが、こちらも「楽しむ会」によって保存されている。

そんな旧隧道は問題が多く老朽化も早かったため、現在の5,790mの新狩勝トンネルが1966年に開通した。勾配は緩和されたが、北海道を代表する難所の峠であることに変わりはない。小生も雪のため狩勝を越えられなかったことが2回ある。フルノッチで挑むDD51の奮闘も及ばなかった。そんな難所でもあり、名所でもあった狩勝の名は、国鉄時代は根室本線の急行の名称だった。現在は、車両が高性能化したため、ここを往くディーゼル特急は大した減速もなく、勢いよく峠道を登って来る。

新線の車窓は旧線に遠く及ばないと思われるが、列車を俯瞰して眺めるには、北海道らしい大パノラマは健在だ。新得から一駅先の落合が28.1km 、トマムまでは33.8kmと山手線一周に迫る距離で、スケールが大きい。このお立ち台も、一部で「撮り鉄の聖地」と呼ばれているようで、週末には賑わうらしい。DF200の貨物が登って来たが、こちらはディーゼル特急のようにはいかない。定数はかなり抑えられているがノロノロ運転だ。西新得信号所の通過を確認してから、広内信号所を通ってこの画の場所に達するにはかなりの時間が掛かり、これだけ長時間1本の列車を追える場所も珍しい。周囲は十勝牛の放牧場になっているので箱庭のような眺めだ。撮り鉄ならずとも大いに北海道の絶景を楽しめる場所だ。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/07/31(日) 00:30:00|
  2. 根室本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

これぞ北海道!

もう少し早く生まれていたら、見る事も可能だった狩勝の蒸気たち。
そこにはおそらく、常紋も大畑も及ばない、雄大な風景が広がっていたことでしょう。
新線になって、山あいの険しさとスケール感は小さくなったようですが、それでもさすがに北海道!
雄大な風景は顕在ですね。
しかも今回の旅はお天気に恵まれたようで(ガーデン紀行を見ると、ぐずった日もあったようですが)、山陰に続く、北の大地をゆく鉄道(今回は鉄道ではなくガーデン紀行だったのかもしれませんが)、このさきの展開が楽しみです。

それにしても、JR北海道、危惧していたとはいえ、ずいぶんと思い切った方針を打ち出しましたね。
根室・釧網・宗谷、これを切り捨てるようでは、鉄道事業者としての資質はゼロですね。
いったい誰のための鉄道会社なのでしょうか。困ったことです。
  1. 2016/07/31(日) 17:04:04 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

実の渡道目的は

まこべえさん、

狩勝新線は北海道で最初にDD51が導入された場所ですから、それだけ厳しい峠なのでしょう。
ということは、旧線では常紋などをはるかに凌ぐ激闘が見られたということです。本当に見たかったですね。
それは、言っちゃいけませんね。

今回の北海道行きの目的は、帰省は別として、2番目が帯広ガーデン巡り、3番目が鉄です。
1番はかみさんの生れ故郷の尺別炭鉱の街があった新尺別に行くことです。当時は尺別鉄道というのも走っていました。
新尺別の街と鉄道は、跡形なく消えてしまっているのですが、辛うじて幾つかの遺構があり、それらがお目当てです。
極めてプライベートな上、炭鉱や鉄道の資料が少ないので、記事にするかは思案中です。
鉄の方は函館、室蘭、日高、根室の各線などを断片的に撮りましたが、特集化できるかは、これまた微妙です。

JR北海道は、どうしようもない会社になってしまいました。
鉄道の衰退と沿線の過疎化は、如何とし難い状況ですから、路線の縮小は止むを得ないことかもしれません。
ただ、不祥事ばかりで、地道かつ誠意ある経営努力が感じられないから、文句の一つも言いたくなるというものです。
新幹線開業に合わせて、ローカル列車の間引きが行われていますので、その沿線の住民は怒っています。
列車を減らして、さらに乗客が減り、ついには廃線というのは、いつか来た道です。
今回気付いたのですが、JR北海道は撮り鉄が敷地内に入らないように各地で巡回監視を行っています。
どこにそんな金があるんでしょうか。
  1. 2016/08/01(月) 01:20:35 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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