駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

青葉の山陰線を往く その17 旅の終わり

山陰線は、期待に違わない風光明媚な路線でいてくれた
夕日に映える去りゆく列車に、さらなる再訪を誓った

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2016年4月 山陰本線 玉江

長々とお送りしてきた「青葉の山陰線を往く」も最終回となった。前回のポイントから萩方面に戻った玉江の倉江集落での撮影がラストショットとなった。日が傾き、西日が由緒ある萩の街を照らしている。逆光の木立の向こうから山陰線を象徴するタラコのキハがやって来た。その後ろ姿を見送り山陰線の旅が終わった。始まりがあれば、必ず終わりがある。夕陽に照らされた後ろ姿は何とも感慨深いものであった。つい、また来ようと心に誓った一瞬だった。

現役蒸気を追いかけていた時代には、どうしても北海道や九州に足が向いてしまっていた。その方が、ワイド周遊券をフルに使って、多くの路線を回り多様な罐に会うことが出来、旅もし易かった。山陰ワイド周遊券もあったが、西部を狙うとすれば、山陰線以外には閑散路線の木次線、三江線、山口線くらしかなかった。おまけに、夜行列車を塒にするには条件が悪過ぎた。それでも、1973年の夏には山陰線メインの長旅に出ている。山陰への憧れのようなものがあったからだ。山陽と山陰、どっちがお好きと問われれば、山陰と答えたくなるのは小生の性だ。

それから40年という時間を挟んで、再び山陰線を撮りに行くとは、なかなか因果なものだ。かつての名路線を再び訪れるのは、懐古趣味だけではない。もちろん、記憶をたどるセンチメンタルな旅であることも確かだが、今を撮ることが最大の楽しみだ。山陰線は、今も石州瓦の家並を繋ぐ風光明媚な路線で、素晴らしい被写体だった。小生と同年代の方々には、このような旅を是非お勧めしたい。還暦と言うくらいだ。若かりし頃熱中した場所を、新たな出発点にするのも悪くはない。次回の山陰線は、下関を起点に小串、湯玉、梅ヶ峠、特牛などを訪れてみるつもりだ。

最後までご覧いただきありがとうございました。
何本か単発の記事を挟んで、次は「春色只見線」をお送りします。


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1973年7月 山陽本線 下関

夜の下関駅で出発時刻を待つ山陰線の上りD51普通客レ。今では考えられない現車10両の長大編成。牽引するのは長門機関区の戦時型1031号機。今でも残る山陰線の長いホームは、こんな列車が停車していたからだ。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/06/13(月) 01:20:23|
  2. 山陰本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<春告げ列車 | ホーム | 青葉の山陰線を往く その16 山陰の蒼い海>>

コメント

現役蒸気を追いかけていた時代。山陰線は、夜汽車を宿代わりに使えないこともあって、北海道や九州のように、足繁く通うという場所ではありませんでした。
それでも、九州に渡る経由地として何度か訪れ、同じ日本海に面しながらも、五能線や羽越線とは海の色や空気が違うなあと感じたものです。
その海が埋め立てられていたとはショックでしたが、瀬戸内側と比べると変化は少ないようで、こあらまさんの写真をながめながら、懐かしい旅路を思い出し、楽しいひとときをすごすことができました。
還暦をすぎてから、若い頃の旅路をたどるというのも、また新しい発見があって、よいかもしれませんね。
実は、今年から5年間、石見から能登にかけての調査を予定しています。
もっとも仕事が優先なので、鉄道写真を撮影する時間はとれそうもありませんが、10代のときに旅した鉄路を、久しぶりに車窓から楽しもうと思っています。

それにしても、デゴイチの牽く客レ、幹線の列車にふさわしく堂々としていていいですね。
鉄道は、こうであって欲しいものです。
  1. 2016/06/16(木) 02:16:03 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

新日本紀行ふたたび

まこべえさん、

現役蒸気の頃のポイントを巡る旅を、車だったり、乗り鉄だったりと、毎年少しずつ続けていますが、
懐かしさもありますが、よくも見つけたりというような場所が多いのには、驚きです。
本当に、素朴な日本、風光明媚な日本の再発見になります。新日本紀行再びといったところです。
当時、多くの蒸気ファンが全国を飛び回り、更なる絶景探しに鎬を削っていたということでしょう。
多分、観光地ではない素顔の日本を旅するのであれば、あの頃訪れていた場所と多くがダブるのではないでしょうか。
そんな中でも、山陰線は秀逸だと思います。まこべえさんも、お仕事のようですが、お出掛けになるとのことで。
きっと、あの頃とは違った心持ち、視点で、シャッターを切ることになると思います。

そろそろ、昔を振り返る旅も、本命かつ難関の八高線に取り掛かろうと思っています。
架線柱が嫌いですから、主に非電化の高麗川以遠が狙い目になると思いますが、
金子坂や鹿山峠、多摩川橋梁、茶畑の中だった箱根ヶ崎、金子を外せるわけもなく、構想を練っています。
こちらは近いですから、ちょこちょこ行って撮りためようと思っています。
  1. 2016/06/16(木) 23:59:16 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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