駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

青葉の山陰線を往く その6 故郷の山 伯耆大山

鳥取のシンボルの伯耆大山をバックに高速列車が往く
今や山陰線に沿って、ずっと無料の高速道路が延びている

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2016年4月 山陰本線 八橋

大山(だいせん)は、鳥取県にある中国山地最高峰の標高1,729mの火山だが、同じ漢字を書く山に、神奈川県丹沢の霊峰として名高い大山(おおやま)があるため、伯耆大山と表記されることが多い。この山は、東西で面白いくらい山容が異なる。西からは別名伯耆富士と呼ばれるように、美しいコニーデ形の姿だが、東からは険しい爆裂火口の岩壁が連なる荒々しい眺めとなる。同じ山とは思えない変身ぶりだ。今年は暖冬のためか、残雪は殆どが消え、すでに初夏の装いとなっていた。撮影するには、方角的に逆光になりやすく、苦しいところだ。

山陰線は鳥取からは平野部に入り、海岸線が望める場所も少なくなり、なだらかな伯耆大山の麓を軽快に飛ばしていく。画は3003D「スーパーおき3号」鳥取発新山口行きと、2003D「スーパーまつかぜ3号」鳥取発米子行きだ。全国的に「スーパー」というのは「早い」ということを意味しているようだ。ともにキハ181系の後継として開発されたキハ187系の2連だが、そのスピードは侮れない。各車両にコマツの450PS機関を2基搭載している。キハ40系の4倍、2両でDD51に迫るパワーを持っているということになる。100km/hを越える速度でやって来るキハは、それなりの高速シャッターでないと、ブレブレだ。

この高速列車の導入には、山陰道が影響しているようだ。山陰線と国道9号線に沿って、山陰道が建設されている。高速道路は、本来は独立採算が基本だったはずだが、いつしかプール制になり、さらには、未来永劫黒字化出来そうもない路線を、採算無視の無料区間として税金で建設する直轄方式という裏技を編み出した。この山陰道は、多くの区間が無料の自動車専用道だ。タダの高速道路が相手では、JRもたまったものではない。この道はいつか来た道だ。国鉄の赤字ローカル線は次々と廃線になった。何時か、無料自動車道も廃道になるのだろうか。建設すること自体が目的なのだから、それ以外のことはどうでもいいらしい。世界的に類をみない高額な建設費は、土建屋国家日本の象徴だ。どうみても、借金を返すどころか、出血を止める気もなさそうだ。


お知らせ

大木茂さんが、「ちょっとセンチメンタルな旅」と題する新しいサイトを立ち上げました。「モノクロームの残照」の名画の地を再び巡り、今昔物語で半世紀の時の流れを検証しようという企画です。このお話を最初にお聞きした時は、遊び半分くらいかと思っていましたが、甘かったです。これだけ多くの過去のアングルを忠実に再現されてしまうと、否応なく画像の力というものを感じます。半世紀という年月が、世の中をどう変えてしまったのか。私たちが何を得て、何を失ってしまったのか。そんな大木さんからの問い掛けだと思います。自ら辿った道を振り返る旅は、何時だってセンチメンタルです。

今昔物は細部までじっくり比較鑑賞するのが習わしです。点数も多いですから、時間に余裕のあるときにご覧になることをお勧めします。
ちょっとセンチメンタルな旅」へは、従来の「モノクロームの残照」からも入ることができます。


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2016年4月 山陰本線 由良


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/05/16(月) 00:21:38|
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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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