駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

青葉の山陰線を往く その5 住みたい田舎

山陰線は「住みたい田舎」一位の岩美町に入った
リアス海岸の雲間に、ゆっくりと夕日が沈もうとしていた

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2016年4月 山陰本線 東浜

県境の尾根のトンネルを抜けると、鳥取県最初の駅の岩美町の東浜に着く。ここも石州瓦の街並みが日本海をバックに続いている。幸いなことに、決定的に邪魔な電線や電柱がない。画の岬は羽尾鼻で、町の中心の岩美の駅はその先だ。京都、兵庫は、何となく山陰の入り口のようなイメージだが、鳥取、島根と聞けば、日本海が広がる山陰の只中に来たという実感が湧いてくる。ただ、山陰線を象徴するリアス海岸は、この岩美町の浦富海岸で一旦見納めで、次は出雲市の先の小田、田儀辺りからになる。

どういう基準で選んでいるかは知らないが、宝島社の「田舎暮らしの本」に、「住みたい田舎ベストランキング」というのがあり、2016年の一位が兵庫県朝来市と鳥取県岩美町になったそうだ。岩美町は子育て、住宅、雇用などの支援が充実しているからだそうだが、当然この画からは知る由もない。朝来市は、竹田や生野がある処で、朝霧に浮かぶ竹田城が人気沸騰中だ。こちらは後日、播但線の際にご紹介したい。

陽が西に傾き、海が輝いてきた。こういうシーンはフィルム時代であれば、明るい海と空を焼き込むために、酢酸の匂いにツンとしながら、あの手この手で印画紙に焼き付けたものだ。今は、マウス一つで色々試すことになり、安易と言えば安易だが、無駄な労力と出費がなくなり、加工の状態も保存できるようになり隔世の感だ。列車が来ない時は良く陽が差していたのだが、時間になると雲が発生する。貴重な2本をここで費やしたが、マーフィーの法則よろしく運がなかった。当然、大きな加工が必要な画が望みだったが、期待は儚く散った。


お知らせ

大木茂さんが、「ちょっとセンチメンタルな旅」と題する新しいサイトを立ち上げました。「モノクロームの残照」の名画の地を再び巡り、今昔物語で半世紀の時の流れを検証しようという企画です。このお話を最初にお聞きした時は、遊び半分くらいかと思っていましたが、甘かったです。これだけ多くの過去のアングルを忠実に再現されてしまうと、否応なく画像の力というものを感じます。半世紀という年月が、世の中をどう変えてしまったのか。私たちが何を得て、何を失ってしまったのか。そんな大木さんからの問い掛けだと思います。自ら辿った道を振り返る旅は、何時だってセンチメンタルです。

今昔物は細部までじっくり比較鑑賞するのが習わしです。点数も多いですから、時間に余裕のあるときにご覧になることをお勧めします。
ちょっとセンチメンタルな旅」へは、従来の「モノクロームの残照」からも入ることができます。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/05/14(土) 01:46:08|
  2. 山陰本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

告知をありがとうございます

こあらまさん
いつも告知をしていただきありがとうございます。
何しろ、ぼくはだらしないものですからサイトも半年近くほったらかしになっていまして、もう訪ねて下さる方も少なくなっているとことでしょう。
律儀に更新されている こあらまさんのサイト で告知いただければ多くの方々に知っていただき、有り難いことだと感謝しています。
今回の「ちょっとセンチメンタルな旅」はかなり気合いを入れてやっていこうと考えているところです。
新たな取材をする企画ですから、なかなか大変な展開になりますが頑張ってやって行こうと思っています
また、鉄道に興味がある方々だけでなくもう少し広い範囲の方々にも見て頂きたいと思い、鉄道そのものの解説も入れることにしました。
まぁ、ご覧のように、勝手な論理の展開ではあるのですが、ぼくの半生の思い至る結果を出していこうと思っているところです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
  1. 2016/05/14(土) 21:41:14 |
  2. URL |
  3. 大木 茂 #-
  4. [ 編集 ]

お役に立てていれば嬉しいのですが

大木茂さん、

わざわざコメントを頂きありがとうございます。
拙ブログのお知らせが、どの程度お役に立てているかは甚だ疑問ですし、
ご紹介が相応しいものになっているか、ご迷惑をお掛けしていないか、などなど、ちょっと不安もあります。
少しでも、お役に立てていれば、嬉しいところです。

今回の今昔物語は、やはり、ベースとなるしっかりとした昔の画像があってこその企画だと思います。
そういう意味からすると、誰にでも出来るというものではなく、大木さんならではのものだと考えます。
確かに、伝えたいことからすると、鉄道に造詣の無い方にも、興味深く眺めてもらいたいところです。
その辺を考えると、ぐっと奥が深まり、難易度も高くなるので、自ずと力が入ってしまうのも当然の成り行きかもしれません。
「ちょっとセンチメンタルな旅」の今後の展開を楽しみにしております。

私も年々体が重くなってきていますが、程々に無理をして、やっていきたいと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。
  1. 2016/05/15(日) 02:10:00 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

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