駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

青葉の山陰線を往く その2 瓦屋根集落

リアス海岸の入り江には、小さな集落が点在する
冬の日本海からの風雪に耐えるための板張り壁と瓦葺きが続く

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2016年4月 山陰本線 佐津

愛知県の三州瓦、兵庫県の淡路瓦、そして島根県の石州瓦が、日本三大瓦と呼ばれるものだ。山陰地方は、当然ながら石州瓦が集中する地域だ。石州瓦は、凍てや塩害に強く、固くて丈夫であることから、主に積雪地帯である中国、北陸、北海道地方で使われている。ここ山陰の石州瓦といえば本来待(ほんきまち)と呼ばれる赤い瓦が真っ先に思い浮かぶが、銀黒と呼ばれる黒色のものや、赤と黒の中間色もあり、必ずしも赤だけではない。まだ、この辺りは黒一色だが、西に進むに連れ、赤味が増して行く。

小さな入り江に、こうやって軒を寄せ合って小さな集落が点在する。不思議と殆どの建物が瓦葺きだ。確かに、このような眺めは、北海道から山陰地方までの日本海側に共通するものだ。北陸線や羽越線にもよく似た場所がある。石州瓦が見せる日本の漁村の趣といったところだろう。山陰線も車もなかった時代、この集落の生活はどんなだったのだろうか。荒れる海に閉ざされる一冬を、この入り江で寄り添うように過ごしたのだろうか。海風に曝された板張りの木目が、冬の厳しさを感じさせる。

さて、山陰線の車両についてちょっと触れておこう。非電化区間の多くで、朱色の国鉄色や、西に行けば黄色の広島色のキハ40系に出会うことが出来る。ステンレスのキハ120、121、126系への置き換えも進められているが、ローカル線の普通列車を近代化するまでの余裕はないのか、嬉しいことに、まだまだキハ40系は健在だ。一方、本線とはいうものの、山陰線を辿る定期の貨物列車はない。米子のコンテナ基地からの伯備線経由のロクヨン貨物が、電化区間の一部を走るのみだ。蒸気の後に、主役の座を務めたDD51もその姿をみることは希になったようだ。


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竹野海岸「はさかり岩」 古くは夫婦岩、近頃は落ちそうで落ちない合格祈願のシンボルとか

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朱色の国鉄色のキハ47 両開き扉がちょっとローカル色を削ぐ


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  1. 2016/05/04(水) 00:40:49|
  2. 山陰本線
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Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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