駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

荷物列車の時代

夏の草いきれの中、D51牽引の荷物列車が到着し、何時ものように小荷物の積み降ろしが始まった
こんな人里から離れた山間の小駅でも、鉄道小荷物が送り出され、届けられていた

04804F16.jpg
1973年7月 関西本線 加太

今の世の中、宅配便は無くてはならない存在だ。クロネコ、飛脚、ペリカン、カンガルー、こぐま・・・などなど、選択肢も色々ある。通販が急速に広がるに連れて、宅配便もますます盛んだ。冷凍や冷蔵の取扱も一般的になった。今や、通販サイトでクリックすれば、翌日に品物を手にすることも出来る便利な時代になったが、1976年にクロネコが参入するまでは、荷物を送る手段は、郵便小包と鉄道小荷物の二つしかなかった。

現役蒸気が活躍していた時代、鄙びたローカル線であっても、多くの駅には、発券の窓口と小荷物の窓口が、隣り合って設けられていた。小荷物の窓口の向こうには、昔風呂屋にあったような秤が鎮座していた。駅舎の軒下には、小荷物を運ぶためのリヤカーが必ず置いてあった。鉄道が全盛の時代、荷物や貨物の輸送でも、大きな役割を果たしていた。

そんな鉄道小荷物の取扱が盛んだった頃、本線筋には荷物専用の列車が走っていた。夏の草いきれの中、亀山方面からの荷物列車が待避線に到着し、荷物の積み降ろしが始まった。その傍らで、編上げ靴にヘルメット姿の保線の3人組が点検作業を始めた。草むしりをしているのは、どう見てもナッパ服の上着を脱いだ機関士のようだ。夏にはこういう姿をよく見かけた。何となく懐かしさが込み上げてくるような国鉄時代の駅の眺めだ。その後、クロネコ勢力に屈した鉄道小荷物は、1986年に廃止された。加太も待避線が撤去され、駅も無人化されてしまった。

この関西本線の荷物列車41レの加太越えの姿がこちらでご覧になれます。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/03/25(金) 00:36:13|
  2. 関西本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

これは荷41レでしょうね。
当時の加太駅の様子がよくわかります。

D51は無煙ですが、脇にいるだけで画面が引き締まります。
  1. 2016/03/26(土) 21:42:20 |
  2. URL |
  3. 高辻烏丸 #-
  4. [ 編集 ]

確かに41レです

高辻烏丸さん、こんばんは。

記録を調べていくと、確かにこの荷物列車は41レです。
この時は、山陰へ行く途中で、経費節約のため、「紀伊」でなく、大垣行きの鈍行夜行で東京を出発しました。
そのため、てっきり午後からの撮影からと思い込んでいましたが、10時前に41レがいる加太に着いていました。
そこで、駅撮りということに。この後は、よくあるお寺バックの発車シーンと続きます。ツバメの831号機でした。
ということは、「昼下がり」というのは訂正ですね。ご指摘ありがとうございます。
ちなみに、何時だったか高辻さんの記事から判明した、紀勢本線の鈴鹿川橋梁のC57をこの日撮っています。
大垣行きは、東京駅を酒臭い満員電車で出発したことは覚えているのですが、肝心なことはさっぱりです。
きっちり、記録とかで確認して記事を書かないといけませんね。
  1. 2016/03/27(日) 02:11:39 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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