駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

とびっきりの青空

その朝は、一年に何度もないとびっきりの青空だった
青空だって作れるデジタル時代に、この青空は果たして本物だろうか

80003382.jpg
2016年2月 小海線

一年に何回か目が覚めるような青空に出会うことがある。抜けるような青空とはよく言ったもので、見ていると空に落ちて行ってしまいそうな錯覚に囚われる。数日前に降った雪に、山の白さがきれいだ。折から湧いてきた白い雲も情景を引き立ててくれた。そんな冷ややかだが清々しい空気の朝に、列車を待つのは至福の時間だ。

今や画像ソフトで曇り空を青空にすることだって、さえない夕焼けを紅に染めることだって簡単だ。何処までだったら許されるか。いや、どんなことを何処まで許すかという自問自答は尽きない。フィルム時代にも、それなりの細工があったが、見る者が明らかに分かるような技法だった。デジタル時代になって、写ったものなのか作ったものなのかも判然としない。直ぐにどうせレタッチ技だろうと思われることにもなった。こんな時代の到来が良かったのか悪かったのか。「写真」という言葉の意味が空々しい。

この画のレタッチを敢えてばらすと、あまりに全体が青過ぎるので色温度を僅かに上げる。逆光で潰れかけていたシャドウを引き出す。ブログの写真は小さいので、少しだけコントラストと明瞭度を上げる。山と雲の白さをより際立たせるために、ちょっと白レベルを上げる。露出を調整する。センサーのゴミと思われる黒点を除去する。これが全てだ。 さて、この日のとびっきりの青空を信じてもらえるだろうか。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/03/05(土) 00:30:56|
  2. 小海線
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コメント

記憶色

銀塩時代、ベルビアとか極めて彩度が高いフイルムが出た時に、
これは不自然な演色であり、真を写していないという議論があった事も思い出します。
ひとつの反論として、人間には大脳に刻まれる「記憶色」というものがあり、
それは無意識に色彩を強調して刻まれる事もある、それの再現ならいいのではないかというようなのもありました。
思えば銀塩の化学的な色彩設計にしても、デジタルのセンサーやそれに連なる画像処理エンジンにしても、
メーカーによる恣意的な味付けは存在する訳で、レタッチしない事が嘘が無いとするのも単純過ぎる気がします。
自然界には紫外線のような目に見えぬ影響要因はありますし、
そもそも人間の視神経のラチチュードはデジタルセンサーのそれよりよほど広いのですから、
「記憶色」というのは結構頷けるものがあります。

突き詰めれば写真における真実とは何か、という形而上学になってしまうのですが、
自分自身の記憶に対して嘘をついていないならそれでいいのではないか、と思っております。

  1. 2016/03/06(日) 10:28:11 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #VghDLGbI
  4. [ 編集 ]

デジタル時代の贈り物

風太郎さん、

小生の場合、学術的に色の再現性を求めるでもなく、撮影アングルの正統性に拘るでもありません。
ですから、レタッチやトリーミングは作画の一過程と考えており、それらを否定するつもりは毛頭ありません。
レタッチ前の画はあくまで原画であって、完成形ではないというスタンスです。
ご指摘の通り、ニコンとキャノンの肌色論争に象徴されるように、描写は各社の画像エンジンに由っています。
ですから、何処にも真実も正解も見いだせず、またそれを探す術も必要もないと思っています。
自らが好むエンジンを使い、良しとする画質に仕上げるのみです。そのためのローデータとソフトと考えています。

フィルム時代は、コダクロームかエクタか、はたまたフジクロームかなど、フィルムの描写性を選択していました。
デジタル時代になって、自ら独自の描写性を作りだせるようになり、表現の幅が広がったことは有り難いことです。
風太郎さんの仕上げは個性的だなあと、作品を拝見していて何時も思います。
こういったことが可能になったのも、デジタル時代の恩恵だと思います。

それと、どうしてもカメラ画像は人間の感覚にはついていけないところがあります。
逆に、無機質なカメラ画像が人間の感性に訴えることもあります。ですから写真を志しているわけでして・・・。
それだけ、人間の感性は、優柔で、勝手で、都合のいいものだということです。
その溝を少しでも埋めようとするのが、作者の感性によるレタッチだと思います。
嘘をつかないという姿勢には、小生も全く同感です。

ただ、表現としてのレタッチは別として、初めからレタッチありきの撮影姿勢でいきたくはありません。
精神論としては、やはり入魂一撃、それがカメラマンの真髄であるべきだと思います。
レタッチ頼みの駄作ばかりを撮りためている者として、そういう自戒を込めてこの記事を書きました。
  1. 2016/03/07(月) 01:44:49 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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