駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

山北二題 第一話 鉄道の町

かつて東海道線の中継拠点として賑わったこの駅は、今は静かな佇まいの町の小駅となった
やって来るのは数両の短編成の電車だが、長いホームと引込線が往時を偲ばせる

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2016年2月 御殿場線 山北

山北という町は、不思議と静かな町だ。人の営みは息づいているが、騒音が少ないからそう感じるのだろう。丹沢の山並みが迫る山間に、街道沿いに寄り添うように続く家並はあくまで静かだ。かつて、「山北のスズメは黒い」とまで言われた鉄道の町は、その役割を終え、ひっそりと余生を過ごしているかのようだ。

山北町は神奈川県の最西端に位置し、静岡県、山梨県と接している。この町を東西に走るのが、JR東海の御殿場線で、国府津と沼津を結んでいる。1934年12月の丹那トンネルの開通までは、東海道本線の一部であったことは、鉄道好きであれば周知の通りである。「函嶺越え」の25‰が続く難所に挑むために、この山北に機関区が設けられ、時の最強の機関車が配備された。

少なくなられたこの町に暮らす国鉄OBの方々の伝承では、機関区が栄えていた当時は、住人の殆どは鉄道関係者だったという。東海道本線の長大列車を停車させるためには、長いホームが何面も必要だった。駅の東西に転車台があり、ひっきりなしに機関車を方向転換させていたという。そんな路線も幹線ルートから外れた時から、一ローカル線となった。一枚目の写真の築堤は複線用に盛られているが、儚くも上り線は「不要不急線」扱いとなった際に、横須賀線などの他線の建設用に供出されている。この辺りは桜が綺麗な場所だ。今年は花見がてら出かけてみようと思う。


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  1. 2016/03/01(火) 01:56:43|
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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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