駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

八高線にキハ10系がいた時代

国鉄キハの系譜は、昭和の狭幅、バス窓のキハ10系に始まった
ここ八高線でも、キハ17がD51重連とともに武蔵野の丘陵地帯を走っていた

00317RF16.jpg
1970年2月 八高線 金子 キハ17の3連

今の時代にこんなものが走っていたら、折からの鉄道ブームもあって大騒ぎになっていることだろう。現在に続く気動車の系譜は、このキハ10系から始まった。総括制御か可能になったことと、貫通式運転台で編成が自在であることは、その後のキハに連綿と受け継がれた。そのため、現代の新型車が登場するまで、特急用の車両を除けば、どの形式であっても編成を組むことが出来た。10系、20系、35系、58系などが一堂に会する編成も組成できた。日本中を凸凹編成が当たり前のように走り回っていた。

このキハ10系は小生と同じころに生まれた車両で、生きていれば還暦といったところだ。狭幅なバス窓の車体はいかにも昭和的な容姿だ。車内中央の壁面には排気ダクトの大きなでっぱりがあり、窮屈な座席の背ずりは、反対側の人の動きが分かるほどの華奢なものだった。ドアには大きな段差のステップがあり、バリアフリーなどとは程遠いものだ。確か車内灯は白熱灯だったような気がする。当時、撮影の移動の足として散々乗っていたこともあり、その愛らしい顔つきも相まって、小生にとっては蒸気ともども忘れられない懐かしい車両だ。

二枚目の画だが、ちょっと雰囲気が平常でないことにお気づきだろうか。高崎方面から来たキハ20を先頭にした3連だが、窓が開け放たれ、手を振る人も何人か見える。そう、この日は高崎鉄道管理局のさよなら運転の日だ。この上りのキハの後、DE10の貨物が下り、その後にD51とC58の重連の客レがこの築堤を登って来る。待ち受けるカメラマンに向けて手を振っているのだ。このキハも何処かで記念列車を追い抜いてきたのかもしれない。さよなら列車は後日ご覧頂こうと思うが、今回は懐かしの凸凹キハの編成美(?)をご堪能あれ。


00902F16.jpg
1970年9月 八高線 折原―竹沢 キハ20+キハ17の3連


スポンサーサイト

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/02/22(月) 01:49:53|
  2. 八高線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<雪の細道 | ホーム | 大晦日の車窓>>

コメント

こんにちは。
八高線の沿線の変化を見ていると、東京が外へ外へ拡大したことを思い知ります。今のステンレスの電車が走る様子からはこの当時の沿線の風景はとても想像ができませんね。
気動車がゆっくりと走っていた頃、車窓には緑と田畑がどこまでも流れていたのでしょうか。
その時代を想像しながら、高麗川から先、今も気動車の走る区間を楽しむのもいいかもしれません。
お写真楽しませて頂きました。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc
  1. 2016/03/13(日) 17:05:17 |
  2. URL |
  3. 風旅記 #O7xVy9HA
  4. [ 編集 ]

時の流れ

風旅記さん、こんばんは。

当時の八高線は、武蔵野の雑木林が広がる、本当に長閑な路線でした。
金子や箱根ヶ崎の駅は、狭山茶の茶畑の中にポツンとありました。現状からは想像がつきませんよね。
ただ、貨物列車は結構な本数が走っていて、一日いれば10本を越える蒸気列車が撮れました。
今では考えられないような劣悪な道床とレールの上を、D51重連が走っていました。
きっと安全基準が違っていたんでしょうね。現在の小海線の方がよほどましです。
今年は、桜の咲くころに、八高線の非電化区間を再訪してみようと思っています。
昔の風景がちょっとでも残っているといいのですが・・・。
今後とも、よろしくお願いします。
  1. 2016/03/14(月) 00:23:59 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://koarama101.blog.fc2.com/tb.php/223-e4bba80a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

リンク

月別アーカイブ

最新トラックバック

カテゴリ

小海線 (108)
飯山線 (20)
宗谷本線 (13)
天北線 (1)
興浜北線 (1)
深名線 (1)
石北本線 (7)
渚滑線 (2)
湧網線 (1)
相生線 (3)
釧網本線 (3)
根室本線 (2)
池北線 (1)
広尾線 (2)
留萌本線 (7)
札沼線 (1)
函館本線 (38)
室蘭本線 (8)
千歳線 (1)
日高本線 (3)
江差線 (11)
大湊線 (5)
津軽鉄道 (1)
五能線 (3)
八戸線 (3)
花輪線 (1)
三陸鉄道 (2)
釜石線 (8)
秋田内陸縦貫鉄道 (3)
由利高原鉄道 (1)
米坂線 (2)
磐越西線 (1)
日中線 (3)
只見線 (46)
真岡鐡道 (14)
東北本線 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (3)
東海道本線 (2)
八高線 (10)
秩父鉄道 (7)
西武池袋線 (1)
西武山口線 (1)
江ノ島電鉄 (10)
箱根登山鉄道 (3)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (1)
関西本線 (2)
宮津線 (1)
山陰本線 (30)
播但線 (1)
姫新線 (3)
津山線 (1)
芸備線 (6)
木次線 (1)
三江線 (3)
山口線 (5)
日豊本線 (14)
筑豊本線 (9)
日田彦山線 (2)
伊田線 (1)
後藤寺線 (1)
田川線 (2)
唐津線 (3)
松浦線 (3)
佐世保線 (1)
大村線 (1)
長崎本線 (2)
島原鉄道 (1)
久大本線 (4)
豊肥本線 (3)
高森線 (2)
肥薩線 (18)
くま川鉄道 (1)
日南線 (3)
宮之城線 (1)
指宿枕崎線 (2)
写真集・書籍 (4)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR