駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

厚岸湾の白煙

根室本線の鉄路は、厚岸湾の縁に沿った湿地の中を糸魚沢へと続いている
荷物輸送のための混合列車は、白煙を残して一路根室へと小さくなっていった

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1973年3月 根室本線 厚岸―糸魚沢

今回は、丸々と太ったデカイ牡蠣で有名な根室本線の厚岸だ。根室本線もその牡蠣が採れる厚岸湾の湾岸に広がる湿地帯を縫うように進んでいく。当時の根室本線の釧路―根室間は殆んどの旅客列車がDC化されていたが、荷物輸送のための混合列車1往復と、貨物列車2往復がC58の牽引だった。厚岸の街外れの海辺に立つと、白煙を棚引かせて糸魚沢へ向かう列車を、何時までも見送ることが出来た。狩勝峠は吹雪だったようだ。寝台急行「狩勝4号」から引き継いだ、荷物車と郵便車は雪化粧していた。

この頃、404D「ニセコ3号」なる変わり種の列車も走っていた。この列車は、根室を朝9時に出発する函館行きの、確かキハ56の急行列車だ。根室本線、函館本線の815キロを、14時間半程かけて走破する長距離ランナーだった。下りの103レ「ニセコ3号」は、絶大な人気を誇ったC62重連の客車列車で、函館発札幌行きだ。という訳で「ニセコ3号」は、上りと下りで全く様相の異なる列車だった。こんな道東で「ニセコ」はないだろうというのも、変わり種と呼ばれた所以だ。

鉄道全盛時代には、特急「おおぞら」に代表される、北海道の玄関口の道南の函館と道東の釧路・根室を結ぶ長距離列車が結構走っていた。小生の函館の親類は、本家のある音別に事あるごとに帰省するが、直行列車が無くなったと嘆いている。おまけに近頃続いたJRの不祥事で散々な目にも遭っている。新幹線が来るというのに、函館から釧路は遠くなるばかりだ。ちなみに、尺別、音別はかみさんの生まれ故郷でもあり、この地を訪れるのは夫婦ともども、別々の目的で大変楽しみだ。かみさんも、まさか音別の丘で列車撮影に付き合わされるとは思いもよらなかっただろう。


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  1. 2016/03/07(月) 02:10:44|
  2. 根室本線
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コメント

テンダーに書かれた時代の証し

1973年3月私も北海道を旅していました。駅からトボトボと雪の中をカメラバックと三脚を背負って誰も居ない雪原まで歩き、自分が納得できるアングルで寒い中汽車を待ちかまえてシャッターを押すのだが! しかしテンダーには白く書かれた労組の春闘落書きが‼︎ あの時のなんとも言えない残念な気持ちが蘇りましたが、今になって見ると、そういう時代の記録なんだなぁと思い直しました。
  1. 2016/03/08(火) 22:59:25 |
  2. URL |
  3. Kuni #R2WJGsRw
  4. [ 編集 ]

春闘の春休み

kuniさん、コメントありがとうございます。

そうですか。やはり3月は北海道ですよね。小生は夏は九州、冬は北海道が多かったです。
一度だけ夏に北海道に行きましたが、雪がないとどうも調子がでなくて、一度きりでした。
それにしても、1973年3月の北海道の団結号には泣かされました。
根室線・釧網線のC58は、煙室扉にはなく、テンダーだけだったような気がします。
釧網線でサイドから流氷バックで泣きを見て、しょうがなくもう1本待ち、再び涙なんてこともありました。
今のソフトを使えば簡単に消し去ることも出来ますが、おっしゃるようにその時代の証のようなものですからね。
逆転の発想で、そのうち、車体のスローガンをネタにした記事でも書こうと思っています。
この時の渡道の帰りに、陸羽東線に寄ったのですが、きれいなC58に感動しました。
  1. 2016/03/09(水) 01:28:31 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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