駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

大晦日の車窓

その小さな集落の祠からは、小海線の踏切と富士山が見える
穏やかな大晦日の夕暮れ時、故郷に向かう乗客を乗せた列車が過ぎて往く

70001857.jpg
2012年12月 小海線

小海線とツーショットとなる山は、南アルプスと八ヶ岳があまりにも有名だが、かの富士山だって見える場所がある。ここには富士見坂と呼ばれる富士山展望の名所がある。天気が良ければ夕刻にはカメラマンの姿が絶えない。この地の人々は富士山の眺めをこよなく愛している。家を建てる時は、なるべく居間から富士山を拝めるようにする。南アや八が絶景の場所にも拘わらず、富士の人気は絶大だ。

そんな富士山好きの集落をキハが小気味よく駆け抜けて行く。正月を迎えるために、集落を守る祠には真新しい紙垂が付けられた。カメラは水平をとってあるが、線路は一見して傾きが分かるような急勾配だ。この路をかつてはC56が喘ぎながら登っていた。その雄姿は、集落の人々の記憶の中に今も生き続けている。

年の瀬の車窓からは、故郷で正月を迎えようという帰省の人や、高原のホテルで束の間の休日を過ごそうという観光の人の、仄々とする様子が伝わってくる。目的はともあれ、この地で年越しをしようという乗客で満席だ。帰省の方は、車で高速を飛ばしてくるよりも、さぞかし懐かしい思いに浸られていることだろう。故郷の玄関は、高速のインターではなく、やはり駅舎であってほしい。富士山の夕景が美しい、穏やかな大晦日だった。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/02/20(土) 01:00:02|
  2. 小海線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<八高線にキハ10系がいた時代 | ホーム | KATO C59 戦後型(呉線)>>

コメント

こあらまさん、こんばんは。

富士山をバックにC56を撮れた場所があったとは!
この情報、45年前に欲しかった(^^)
あのころは塚本さんの写真などを手かがりに、ひたすら場所捜しからはじめなければならず、大変でしたね。
もっとも、お、ここいいじゃんと、自分だけの場所(といっても、雑誌などに紹介されていないというだけでしたが)を見付けた時は、満足感も大きかったので、どちらが良いとは決めがたいところですが。

ところで、C59、入線しましたね。
私のところにも、先日入線しました。
今回の製品は、さらに磨きがかかって、キャブとテンダーの隙間も小さくなり、とてもかっこいいですね。
一緒に「安芸」も入線させたので、呉線時代を思い出して楽しんでいます(^^)
6月は、山陽型のC62だそうです。
一緒に「音戸」も出るそうなので、予約を入れてあります。
しかし、C62、これで5両目です ^^;
  1. 2016/02/20(土) 22:33:33 |
  2. URL |
  3. まこべえ #2XsKFzVg
  4. [ 編集 ]

計画倒れになりそう

まこべえさん、

そうですね。昔は情報源が限られていて、数少ない雑誌か写真集だけでしたね。
小海線で知られていたのは、大カーブと、国境界と境川の鉄橋くらいで、あとは手探りでした。
まこべえさんがおっしゃるように、探す楽しみがあったことは確かですが、無駄足も多かったです。
あのカーブの先には何があるのだろうと、期待しながら先へ先へと歩き続けるのが常でした。
ただ、いくら情報社会となったとはいえ、実地で探さないとこういうプチアングルは見つかりません。そこがやめられないところです。
知らない路線のお立ち台を訪ねるか。足元の路線を隅々まで追及するか。どっちもいいところがあってやめられませんね。

まこべえ機関区には相当な数の車両が在籍していそうですね。安芸の編成も入線ということで、ちょっと知りたいことが・・・。
飾っているのか、走らせているのか、箱詰めのままなのか、どのように楽しまれているのか、そのうち教えてください。
小生は山梨の庭にレイアウトなどを収めるためのホビーハウスの場所を用意してあるのですが、まだ草が生えたままです。
当然、建屋はセルフビルドの予定ですが、体力の低下で計画は遠のくばかりです。ちょっと計画が大き過ぎましたかね。
  1. 2016/02/21(日) 11:23:33 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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