駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

シゴナナのフォルム

冷え込んだ朝、蒸気にまみれ客レの先頭に立つシゴナナの姿があった
退役まで秒読みとなった、現役蒸気終焉の年のまだ春浅き頃のことだった

10308F16.jpg
1975年3月 室蘭本線 栗山-栗丘

今から40年と数カ月前、1975年の暮れに現役蒸気が終焉の時を迎えたが、その終焉の地がこの界隈だ。その年の春先には、室蘭本線、夕張線の多くの列車の先頭に立っていたのは相変わらず蒸気で、DDはまだまだ少数勢力だった。この後僅か9ヶ月間で無煙化を成し遂げた、国鉄の近代化への執念も凄いものだった。

数年前に岩見沢から室蘭線に乗車したことがあるが、「栗」の字を頂く3駅が連なるこの辺りは、静かな佇まいの場所となっていた。複線の下り線は廃線となったが、大部分でレールが残されているため、遺構と呼ぶにはまだまだ生々しい。一大拠点だった追分は、車両のいない広いヤードだけが残り、いかにも寂しげだ。地域の全ての炭鉱が閉山となった今、全盛時代にはセキの2,400t石炭貨物が行き交ったこの路線も、兵どもが夢の跡となっていた。

その優美な姿を誇るライトパシフィックのC57も、この北の大地が最後の活躍の場となった。彼らには爆煙の力走は到底似合わない。軽快な走りこそがお似合いだ。切り詰めデフに密閉キャブなど、北海道形のちょっと無骨な姿に化けてはいるが、そこには紛れの無い1次型の優美なシゴナナのフォルムがあった。


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  1. 2016/02/02(火) 02:26:23|
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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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