駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

秋色只見線 第14話 罐の気配

かつての只見線の終点だったこの山中の駅には罐の気配がする
ここで折り返しの入れ替えをするC11の姿が浮かんでくるようだ

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2015年10月 只見線 大白川

越後の只見線は、六十里越が開通するまで、日中線と同じように客車のみでの運用が続き、キハの走らない路線だった。その動力は長く蒸気が担ってきたが、1969年に余剰となったDD13とDD15が投入された。当時、蒸気客レ駆逐用として開発された最新型のSG搭載のDE10でなかったため、その後も二冬に渡ってC11が再登板した。運用期間と希少性に注目すれば、DD13牽引の客レの方が珍しいものだった。

大白川には、その往年の蒸気時代の遺構が残っている。錆びだらけになった鉄製の給水塔と、アッシュピットだ。さすがに、転車台は撤去されているが、確かに罐の気配を感じられる場所だ。会津側の蒸気は不動の地位を得ることになったが、小出側はこれといった名所もなく、無煙化も早かったせいもあるが、注目されることのないとても地味な存在だった。

今回は、その大白川駅の遺構をご紹介したい。記録的な要素が強いので、その辺りはご理解の程を。


大木さんのサイトが更新されています
ちょっと忙しくしている間に、大木茂さんのサイトが更新され、「寫眞帳」に「肥薩線矢岳越え・大畑」がアップされていました。これは衝撃です。肥薩線山線という、現役蒸気を象徴する絶対的なモチーフもさることながら、「モノクローム」の世界が圧倒的な臨場感をもって迫ってきます。写真を志すものにとっては、いろいろな面で、必見の作品の数々です。次の写真集は「肥薩線山線」と囁かれていますが、その片鱗を垣間見るようです。この過酷かつ興味の尽きない矢岳越えが、大木さんをプロの道へと導いたのかもしれません。
大木さんの「モノクロームの残照」は こちら から。 


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駅の只見寄りには、レール仕立ての錆び付いた給水塔がある。繋がれたホースの状態から、どうも蒸気なき後も別目的で使用されていたような形跡がある。給水塔の下には、網が掛けられているが、立派なアッシュピットが残されている。どうやら、給水塔と合わせて、融雪用にでも流用されていたのかもしれない。その先には転車台があったが、こちらは撤去されきれいに埋め立てられている。


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小出側にも、整備用ピットをもつアッシュピットらしきものがあるが、こちらも様子が何かおかしい。短い盲腸線だった小さな折り返し駅に、二か所ものアッシュピットがあるはずがない。こちらは、東鉄工業の整備用のピットかもしれない。


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保線小屋の傍に、金属廃材の山があった。今や枕木は殆どがコンクリート製だ。犬釘にお目にかかれるのも今のうちかもしれない。刈払機の刃も落ちている。よく見ていくと使い道の分らない部材が結構ある。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/11/30(月) 01:53:55|
  2. 只見線
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  4. | コメント:2
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コメント

こんばんは。
こちらの記事とお写真、興味深く拝見しました。
大白川駅の給水塔は、蒸気機関車の知識のない私にも、どこか大切な存在に見えて、カメラを向けたことがありました。
国鉄が、政治の世界にも振り回されながら、全国の津々浦々に鉄路を敷いていた時代の最末期に、大白川から只見までが開通しました。大白川駅に降り立つと、その時代の残影のようなものを感じます。スチームからディーゼルに代わってもなお、既に財源なき山中に分け入る力、昭和の時代は独特に映ります。
以前、小出駅前の食堂で、六十里越のトンネル工事に従事されたという方にお会いしたことがありました。
大変な工事だったと、貫通はそれは嬉しかったと、そして何故ここにトンネルが要るのか、と。
その時代に、私も自分で接してみたかったと、今も強く思います。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
  1. 2016/09/23(金) 22:01:01 |
  2. URL |
  3. 風旅記 #O7xVy9HA
  4. [ 編集 ]

豪雪地帯を行く

風旅記さん、お久しぶりです。

大分前の記事ですが、目を通していただきありがとうございます。
私は入広瀬に非鉄の撮影で通ったことがあるので、この辺りは馴染み深いところです。
豪雪地帯ですから、昔は鉄道が頑張っていたのですが、今は限界路線になってしまいました。
ここは、浦佐駅前に銅像がある越後のドンの御膝元ですから、よいしゃで六十里越が穿たれたのでしょう。
そういう政治家の介入が、国鉄分割民営化の一因ですが、今も大差ないように思えますから、効果の程は疑問です。
今、只見線を連載されていますね。入広瀬の写真がでてこなかったのが、ちょっと残念でした。
あの水害以降、越後側はまた列車交換のない一線区一閉塞になり、柿ノ木駅も田子倉駅も無くなりました。
風旅記さんも、もしご経験がないのであれば、無くなってしまわないうちに、一度雪深い時に行ってみてください。
雪のない都会の街中からは想像がつかないような世界を体験できますよ。
  1. 2016/09/24(土) 00:20:55 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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