駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

秋色只見線 第8話 高田暮情

すぐにでも雪がやってきそうな晩秋の風景だ
冬を迎えるだけになった高田の田園に、白煙が戻ってきた

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2015年10月 只見線 会津高田

この場所は有名なお立ち台なので、何の説明も要らないだろう。天気が良くないが、それなりのファンが、汽車が来るのを待ち構えていた。狭い場所なので、お隣さんとのご挨拶となった。年恰好は小生と同じくらい。物静かな上品な方だ。車も練馬ナンバーと同郷かもしれない。
話をするうちに現役時代からのファンだと分かった。なんと、こつこつと貯めた北海道行きの軍資金で、「北辺の機関車たち」を買ったという。何と酷な選択肢だろうか。こうなるともう話は尽きない。大木さん、武田安敏氏、堀越さんの作品のことなど、あっと言う間に楽しい時間が過ぎ、汽車の通過時刻となってしまった。

蒸気が去ると、潮が引くように皆さん丘を降りて行った。練馬ナンバーの彼は、その晩は柳津の温泉宿だという。小生はといえば、一人残り、夕刻の勝負の時間帯を迎えた。実は蒸気だけのためにこの場所に登ったわけではない。蒸気の後の2本のキハで、「灯」撮影をするのが、もう一つの大事な目的だ。

1本目はまだ明るさが残りキハの色が識別できる。辺りの路を走り回る車の灯りがホタルのようだ。2本目は真っ暗となった。会津若松の夜景が天候の割にはいい感じだ。ただ、思い描いていた画とは程遠い。本当は、蒼い磐梯山がお題だったのだが、こちらはまたの機会にということになってしまった。
真っ暗な山道を高田の日帰り温泉へと急ぐ。さすがに、鉄道利用の時には宿泊まりになったが、車の時はたいてい車中泊だ。時間も懐具合も気にする必要がない気儘さがいい。次の朝は7時には坂下の駅にいなければならない。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/11/17(火) 00:44:59|
  2. 只見線
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  4. | コメント:2
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コメント

窓の灯

おやおや気張っていますなあ。
一枚目の霞立つような一枚も唸らされましたが、窓の灯まで粘られたとは。
ここで黄金の稲穂を撮るはずが例の不通で逃がしただけに地団駄というところです。
しかし何度見ても屈指の鉄道風景です。

現役時代の北海道行きと「北辺の機関車たち」を引き換えとは本当に究極の選択ですね。
あえて「本物」を投げうつだけの魅力があったのでしょう。
気付いた時には古本屋で法外な値札が付き、立ち読みさえままならなかった世代としては複雑です。
  1. 2015/11/17(火) 20:56:57 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

苅田で出会った「北辺」

風太郎さま、

この場所は、瑞穂の国の美しい四季が見られる、飽きることのない所です。風太郎さんの次回にも期待してます。
多くの秀作が生み出されていますが、それでも何度も行ってしまうところが、名所である所以なんでしょうね。
ただ、お立ち台撮りだけではという反骨で、窓明かりも狙ってみましたが、見事に期待外れでした。
この時期は、色彩が最も乏しい時期ですが、苅田にはこんな空模様がよく似合います。
汽車の白煙に賭けましたが、そんなところがキハとは違う、蒸気撮りの面白いところでしょう。

風太郎さんは、「北辺」を後年手に入れられたんですよね。読んだ記憶があります。
私もその一人なんですが、この写真集には惚れ込んでいる人が多いようで、今となっては古本市場でも入手困難とか。
お金を積まれたら手放すという類のものではありませんから、希少価値は上がるばかりでしょう。
私の場合、さすがに旅と北辺を天秤には掛けられませんでしたので、無理くりバイトし、両方何とかしました。今考えると正解でした。
再版とか復刻版とかのは話はないんでしょうかね。出たら、間違いなく、また買ってしまうでしょう。
  1. 2015/11/18(水) 00:56:20 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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