駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

駅撮りの訳 或る日の塩狩 397列車

針葉樹の防雪林を越えた峠の駅には、白樺の林が残っていた
悲運のDD53の力を借りて、D51の貨物が峠を越える

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1971年3月 宗谷本線 塩狩 397列車 D51574

最果て鈍行321レからさらに1時間、今度はD51の下り貨物が登って来た。貨物は、名寄までは主にD51の担当だった。稚内に近づくほど貨物の量は減って、列車は短くなる。宗谷地方で見るキューロクの貨物の何倍もの長さの貨物を、D51は引いてくる。397列車は名寄機関区の仕業で、この日は574号機が当番だった。


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後補機のDD531

後補機にDD53が付いてきた。DD53は、DD51をベースに上信越線用のロータリー式除雪機関車として製造されたが、結局出番が少なく、製造は3両で打ち止めとなった。この1号機も、宗谷本線の除雪という名目で新潟から転属してきたが、もっぱらここ塩狩での補機に明け暮れていた。2号機がC57の代役でばんものを牽引したことがあるが、結構な人出だったと聞いている。
ちょうどいい具合に、バックに駅舎が写っている。


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塩狩駅舎

駅舎の部分を拡大してみよう。縦書きの大きな駅名票が掛かっている。その横には、国鉄時代のものとは思われないような「いらっしゃいませ」と書かれた看板がある。当時、手書き、手作りの面白い看板が各所にあった。今なら、こんなことをする人もいないだろうし、許されもしないだろう。


この後、さらに2時間程すると上りの最果て鈍行322列車がC5530でやって来るが、駅撮りとは言えない場所まで出張ったので、今回のお題の対象外だ。さらに、夕暮れ時に旭川まで乗った普通列車が、途中でで331レと交換するのを車中から撮影。この日は、宗谷本線に集中し、C55の4本の列車全てを撮影した。

東京では桜が咲きだす頃だというのに、この峠はまだモノクロームの世界だ。これらの画を見る度に、塩狩に行きたいという思いに駆られた。その後、2013年の初冬の雪の日に、やっと訪れることが出来た。幸いにもこの駅の景観や佇まいは、それ程変わっていなかった。これからも、この神聖な駅に、何回か出向くことになりそうだ。


これで、「或る日の塩狩」は、終わりです。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/10/22(木) 00:38:51|
  2. 宗谷本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

人の気配

駅間の写真は車両以外は今も昔も大した変化は無いものですが、駅構内にはその時代が色濃く残ります。
一連の写真の中にはあまり人の姿が写っていませんが、そこには確かに人の気配が感じられます。
北辺の地で一本の列車を通すために注がれた鉄道員の労働は、効率論はさておき、鉄道の風景を深みあるものにしているのです。

「キオスク写真」との蔑称もありますが、今も昔も風太郎はキオスクが大好きです。
  1. 2015/10/24(土) 23:25:01 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

宗谷線の小駅

風太郎さま、

この塩狩駅は特別で、殆ど乗降客はいませんでした。
いるのは同業者ばかりなので、あえて人は避けました。
スタラクチャー中心ですが、それでも撮っていてよかったです。
普通宗谷線の小駅で列車を待つのは、ほんの数人でした。
それがよくて、随分と通ったものです。
小生もそんな駅撮りが好きです。
これからも、そんな情景を探す旅が続くと思います。

電波も届かないような、旅先のローカル線より
  1. 2015/10/26(月) 22:52:36 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

白樺

それまでは車内から見るか夜行で通過するだけでしたが、先月の旅で初めて塩狩駅を訪れました。
当然木々はもっと成長していて、1番目の樹間のD51のような秀作は望むべくもありませんが、点在する白樺が今も印象的な、いい雰囲気の峠の駅ですね。
この作品はニコンでしょうか、それともペトリ?なかなか塩狩の白樺の写真を見ることがないので、嬉しく思い、コメントさせていただきました。
  1. 2017/03/26(日) 19:36:07 |
  2. URL |
  3. ぜっきあいず #djaKVQjc
  4. [ 編集 ]

塩狩峠

ぜっきあいずさん、

私も数年前に再訪しましたが、夜だったので周りの景色がどうなっていたのかは見られませんでした。
ただ、駅舎の傍に塩狩峠記念館や長野政雄顕彰碑ができていて、ちょっと開けた感じでした。
そうですか。今も白樺はありましたか。塩狩峠は一目千本桜という桜の名所なので、桜も見てみたいです。
今在るかは知りませんが、駅傍にユースホステルがあったので、当時は結構ファンで賑わっていました。
白樺とD51の写真はニコマートです。ペトリにはカラーが入っていました。
  1. 2017/03/27(月) 00:01:07 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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