駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

七重浜の傷痕

青函トンネルが開通するまで、この線はどこにでもあるローカル線の風情だった
今は内地とを結ぶ特急が行き交うこの線も、新幹線開業とともにお役御免だ

04711F16.jpg
1973年4月 江差線 七重浜

さて、ここらで煙分補給をと、江差線つながりで現役蒸気を探していると、廃線区間ではないが、この七重浜の出発シーンが見つかった。当時は、木古内から松前への路線もあり、江差・松前線と呼ばれ、普通車使用の急行「えさし」「松前」が2往復運転されていた。ただ、蒸気の列車は少なく、撮影効率も悪く、罐も月並みなC58であったため、あまり注目される路線ではなかった。稲穂峠の情報なども乏しく、今考えると惜しいことをしたものだ。ちなみに、松前は和人の北海道への足掛かりの地で、鉄道利用者も江差より多かったが、統計上のからくりで先に廃線になっている。

この七重浜という地名を聞くと、あの青函連絡船の事故を連想される方も多いはずだ。1954年9月26日の函館で、台風により一度に連絡船ばかりが5隻も沈没している。いずれもが、避難の航送中の船で、浸水によって沈没している。乗客を乗せていたのは洞爺丸だけだったが、遠浅の七重浜への座礁を試みたが、敢え無く沈没し、1100人を超える死者・行方不明者をだした。七重浜は溺死体で埋め尽くされたという。5隻あわせると犠牲者は1400人以上にのぼった。(犠牲者数は発表元で幾通りもあり、定かでない。)
この遠浅の海には、現在は上磯にある太平洋セメントの2kmの海上桟橋が、忽然と沈没現場に向かって伸びている。

この事故をきっかけに、青函連絡船は船体が強化され、その後終焉まで大きな事故は起きていない。同時に、青函トンネルを掘削して、新幹線で内地と北海道とを結ぶことが国鉄の悲願となった。それから、60年余年の時を経て、来年北海道新幹線が開業することになったが、時代は巡り、鉄道を取り巻く社会環境は大きく変わってしまった。お荷物の歴史的巨大建造物になるやも知れない。


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  1. 2015/10/02(金) 02:32:00|
  2. 江差線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

七重浜……

う〜ん、渋い!

水上勉の「飢餓海峡」を思い出しました。
映画では地元の刑事役で伴淳三郎が熱演してましたっけ。

当時からこんな場所で撮影されていたことにはオドロキです。

ちなみに当時札幌支社に左遷されていたわが親父、
呑み過ぎて、この便に乗れず一命を取り留めたとか(笑)
  1. 2015/10/03(土) 09:50:27 |
  2. URL |
  3. くろくま #uRLT.2RM
  4. [ 編集 ]

酒は延命の長

くろくまさん、

そうですか、やはり伴淳の「飢餓海峡」ですか。
最初、記事に水上勉や三浦綾子のことも書いたのですが、あまりにも長ったらしくなるので消しました。

この画は、北海道を去る直前に撮ったもので、その後に陸羽東線が続いていたので、長年陸東と思っていました。
たまたま、入換中の車掌者に「函」の文字を見つけて、記録を捲って江差線と判りました。
連絡船まで少し時間があったので、馴染みのない七重浜まで好奇心でちょっと往復してみました。
ただ、煙の棚引き方もいいし、枕木の柵や下見板張りの家屋やハエタタキもそれらしいので、アップしてみました。

お父上も危ないところでしたね。くろくまさんは、お父上の血を引いてらっしゃるんですね。
ということは、くろくまさんも、プハーで生き延びられるってことでしょうか。(笑)
  1. 2015/10/03(土) 23:59:24 |
  2. URL |
  3. こあらま #bhV1oT4A
  4. [ 編集 ]

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こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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