国鉄型が次々と姿を消す昨今
こちらのキハはまだまだ健在だ

2020年4月 予土線 真土
先のダイヤ改正で、JR東日本からキハ40系や「踊り子」185系の国鉄型車両が去った。国鉄分割民営化から34年が経ったわけだが、未だに国鉄型が走っているというのは、物持ちがいいのか、鉄道が衰退してしまったのか、なかなか悩ましいところだ。最後の国鉄型となったのは、民営化を控えて、苦境が予想される九州、四国、北海道の三島会社への餞別となった、ローカル線用の両運転台気動車の一群だ。キハ10系の更新用に導入されたのがキハ40系だが、次なるキハ20系の引退に対しては、確たる代替車両が準備されていなかった。そこで、民営化直前に国鉄によって両運転台気動車が急遽開発製造されるに至った。
JR四国には写真のキハ32が受け渡された。開発と言っても、中古部品やバス汎用品を組み合わせた廉価版になる。第三セクター御用達の新潟鉄鋼所の軽量小型気動車が参考にされているようで、国鉄史上最小の旅客車両となっている。パッと見は新潟トランシスだが、床下はバリバリの国鉄型だ。台車は国鉄気動車の定番のDT22・TR51のお古を改造している。さすがにエンジン本体は、新造品のDMF13HSを搭載している。連続定格出力は250PS/rpmで、キハ40のオリジナル機関を若干上回る。如何にキハ40が非力であることか。計21両が製造され、今も全車両が健在だ。仲間の1両は、なんちゃって新幹線に化けている。
さて、写真を流れるのは、四万十支流の広見川になる。愛媛県鬼北町に端を発し、江川崎で四万十川に合流する。見ての通りで、清流というイメージではない。工場排水と生活排水による汚濁の激しさが、当然のことながら四万十本流にも多大な影響を与え続けた経緯がある。四万十にはそういう支流がまだある。また、本流上流域の生活排水による水質悪化も否めない。人工物の少なさが「日本最後の清流」の発端だろうが、イメージの独り歩きというのは恐ろしい。お隣の仁淀川は、水質的には折り紙付きの清流だが、ダムだらけで水辺利用率は極めて高い。川の佇まいは見えるが、水質はおいそれとは見えない。難しいところだ。
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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真
- 2021/03/28(日) 00:00:00|
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