3月の眩しい陽光に雪解けが進む
流れ下る千曲川は間もなく蓮に入る

2018年3月 飯山線
飯山線には「蓮」という駅がある。「はちす」と読むが、「はす」はこの「はちす」が転訛したものということだ。日本には、この「蓮(はちす)」という地名は、飯山市の大字と、三重県松阪市の町名にある。多分、ハスの花が綺麗に咲き誇る場所だったのだろう。ハスの花といえば、仏教では蓮華として仏の知慧や慈悲の象徴とされ、仏壇にハスを象った仏具を置いたりもする。仏教でいうハスの花は、「蓮」と「睡蓮」の花を指すという。この二者は似ているが異なるもので、ハス属とスイレン属に分かれる。日本のスイレンは「ヒツジグサ」の一種のみで、その葉は常に水面を漂う。一方、レンコンが採れるハスは、水面の上にも葉を茂らす。上野の不忍池に生えているのがハスで、クロード・モネの連作の『睡蓮』に描かれているスイレンは、決して水上に葉を伸ばすことはない。千曲川は大きく蛇行しながら流れ下り、この先で谷間を抜けて飯山市大字蓮に入る。その地には、ハスの池塘が散らばる氾濫原が広がっていたのかもしれない。日がな列車の待ち時間に、地名の由来に思いを馳せるのも悪くない。
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- 2019/02/28(木) 00:00:00|
- 飯山線
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夕刻ぶら下がりで帰路に就く
この罐の明日の行方は如何に

2015年1月 真岡鐵道 八木岡
真岡鐵道のC11325は、昨年5月に半年間にも及ぶ全般検査を終えて出場したが、僅かその3か月後の8月に、真岡鐵道がその運用の廃止を発表した。理由は財政難という。JR東日本から請求された全検経費は、1億数千万円というから半端でない。戦時型機関車の老朽化なのか。JR東日本の過大請求なのか。色々な憶測が飛び交っている。何れにしても、真岡鐵道は白旗を揚げたということだ。SL運行を希望する団体への譲渡を考えているようが、譲渡先が見えてこない。東武鉄道だの、JR東日本だのと噂されている。昨年は各地の復活蒸気に相次いで異変が生じている。修理に手間取り、運行が長期間途絶えた路線もある。人気の翳りで、運行が覚束なくなってきたところもある。熱しやすく冷めやすい日本では、復活蒸気も一時の人気取りの流行りで終わってしまうのだろうか。
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- 2019/02/26(火) 00:00:00|
- 真岡鐡道
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羊蹄山麓に春の兆しが見え始めた
除雪車たちのひと冬も終わりが近い

1973年3月 函館本線 倶知安
羊蹄山麓の倶知安にも、春の日差しが感じられるようになってきた。除雪車の出番も大分少なくなり、機関区の片隅で屯していることが多くなってきた。キ100形は、国鉄初の単線用鋼製ラッセル除雪車として、1928年から176両が製造された。動力は搭載していないので、自走できない貨車の扱いになる。左右の除雪翼や前頭のプランジャーは、機関車から供給される圧縮空気で動作するため、屋根上には特徴的な6基のエアタンクが装備されている。豪雪地帯である倶知安には、ロータリー式のキ600形やキ620形、マックレー式のキ900形も配備されていた。キ100形の先に留置されているのは、その類ではないだろうか。
この撮影では大きなミスを犯してしまった。写真の右下に、何と自分の三脚が写ってしまっているではないか。どうして気付かなかったのだろうか。当時結構人気のあった、スリックのマスターEV3段で、雲台にはボードが乗っており、間違えなく自分のものだ。三脚はあまり使わなかったが、機関区などでは、薄暗い庫の中の罐を押さえるにはやはり必需品だったので、重たかったが常に持ち歩いていた。奥羽本線の旧客普通列車内に置き忘れて、後続の急行で追いかけたことなどもあったが、現在もロケハン車に積み込んでいる。特に、昔ながらの機能不足の雲台は、いささか使い辛いものがあるが、今も予備として現役を続けている。
三脚で思い出したことがある。昨秋、ある有名撮影地に出向いたが、アマチュアではちょっと手が出せない逸品の三脚が、今回の写真のように無造作に立て掛けられていた。どんな大物氏が持ち主なのかと期待していると、現れたのは何と猪井貴志さんだった。2017年のキャノンギャラリーでの「鉄景漁師」の会場でお会いしているので、見間違うはずもない。相棒だった真島満秀さんともども、スタイルのいいダンディーな方なので尚更だ。厚かましくも、声をお掛けすると、気さくに応じてくれた上に、わざわざ自ら差し入れまで買って来てくれた。長い2時間の列車待ちが、あっという間の楽しいひと時になったことは言うまでもない。
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- 2019/02/24(日) 00:00:00|
- 函館本線
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正月の江の島が夕日に浮かぶ
間もなくシーキャンドルに灯が点る

2017年1月 江ノ島電鉄 鎌倉高校前
江ノ電の定番撮影シーンの一つである江の島が茜色に染まる時間が訪れた。鎌倉という町では、夕暮れとともに観光客はいそいそと帰っていく。昼間の喧騒が嘘のように、夜は静まり返っている。鎌倉市西部の腰越にある鎌倉高校前の「海の見える踏切」からも、スラムダンクファンの姿が消えて行った。昼間は、今もアジアを中心にした海外からの巡礼者が絶えないアニメの聖地だ。そんな中、江の島だけは例外だ。山頂にある「江の島シーキャンドル」と呼ばれる展望台は、夜景のデートスポットのようだ。
列車が少ないローカル線で、朝日や夕日を絡めることはなかなか難しい。ここ江ノ電では、上下各12分間隔の運行なので、運悪くても、当たらずとも遠からず位にはなるので気は楽だ。この時も、まずまずのタイミングで鎌倉行きがやって来てくれた。LED行先表示器は正月バージョンになっていた。鎌倉高校前から龍口寺前交差点に場所を移したころには、大分暗くなっていた。こちらの町並みも、早くもお休みモードに入ろうとしていた。ちょっとだけ山頂が垣間見れた富士山のシルエットが印象的だった。


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- 2019/02/22(金) 00:00:00|
- 江ノ島電鉄
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一晩中降り続いた雪が小降りになった
白い朝の待ち時間の清々しさはまた格別だ

2018年2月 小海線
2月も下旬となって、そろそろ春の兆しが見えてきた。つい先日まで、特に北海道では厳しい寒さに見舞われていたが、その寒波も去って、再び全国的に暖かさが戻ってきた。神奈川県内の河津桜も見頃を迎え、春本番はすぐそこまで来ている。小海線沿線でも、日差しが強まり、凍り付いていた地面が緩み出した。寒冷地では、冬には地面が凍るので、建物の基礎などには、それなりの対策が求められる。凍る深さは凍結深度と呼ばれ、地域ごとに目安がある。凍結深度以上の深さまで基礎を入れないと、建物が傾いてしまう。水が凍る際の膨張力は相当なもので、水道管の破裂や便器の破損なども引き起こす。水回りの凍結防止のために、冬の電気代は夏場の倍にもなってしまう。
この冬の小海線では、残念ながら、それらしい雪景色は一度も見られてない。まだシーズンが終わった訳ではないので、これからということも無きにしも非ずだが、こんなに降らない年も珍しい。朝に薄っすら雪化粧した日もあったが、積もったという程ではなかった。5年前には、山梨が陸の孤島化した大雪があり、急いで雪掻き道具を増やしたが、以来ずっと倉庫の肥やしになっている。積雪があれば、雪掻きは強いられるし、道が凍って車の運転には気を抜けないし、いいことは何もないと言ってしまえばそれまでだが、白銀の世界が見られない冬は、やはり物足りない。雪が積もったと見れば、いそいそと線路端に急ぐ身としては、やはり雪景色は在って然るべき冬の風物詩だ。
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- 2019/02/20(水) 00:00:00|
- 小海線
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美しい夜景の街を路面電車が往く
万年斜陽都市の行方は如何に

2018年10月 函館夜景
さて、今回は何時もとはちょっと趣向を変えて、函館山からの眺めをお送りしたい。まずは、ご存じ函館の夜景からだ。神戸の摩耶山掬星台、長崎の稲佐山と合わせて、日本三大夜景とされる。函館山の標高は334mで、ちょうど東京タワーの高さ位だ。渡島半島と陸続きになった陸繋島だが、その砂州に広がるのが函館の町並みで、優美な海岸線に挟まれた港町の風情が観光客を集めている。先般の地震では、この街の灯が消えて真っ暗になったというから、夜景は電力の賜物ということだ。

こちらは、昼間の函館港の全景になる。左奥に道南のランドマークの駒ケ岳が見える。手前の海岸線には、左から函館ドック、西埠頭、人工島の緑の島が並ぶ。湾の奥には摩周丸が見え、函館駅がある。対岸中央辺りに青函フェリーの埠頭があり1艘停泊中だ。その左側に2艘の大型船が停泊しているのが津軽海峡フェリーの埠頭になる。概して、快適性を求めるなら津軽海峡フェリー、安さと簡便性を求めるのなら青函フェリーがお薦めだ。ちなみに、この時の渡道には、行きに津軽海峡フェリー、帰りに青函フェリーを利用した。

鉄道ブログなので函館駅をクローズアップしてみよう。旧青函連絡船埠頭には摩周丸が展示され、内部を観覧することが出来る。駅ホームへの通路は撤去されているが距離感は見て取れる。函館を印象付ける湾曲したホームは健在で、大型蒸気が屯っていたころが懐かしい。現役蒸気時代には、何度となく青函連絡船に乗船した。列車の座席や連絡船の座敷席を確保するために、桟橋を急いだものだが、船からホームまでの距離はこんなものだったのか。

ここからは、函館市電が写っているので、暇な方は探してもらいたい。奥は函館ドックで、台湾のWISDOM LINEの貨物船が見える。その手前は、斜めの青ラインが目印の、海上保安庁の巡視船だ。さて、函館市電の電車はというと、中央のヨットハーバーの右側の道の延長線上に車体の上半分が見えている。函館どつく前の停留所は、その左方向で赤い屋根の二階建ての建物の前辺りになる。

湯の川行きの電車は、赤屋根の海上自衛隊函館基地隊の前まで来た。後ろの島は、人工島の「緑の島」だが、港内の浚渫工事で出た土砂によって造られた埋立地だ。ご覧のとおり、あまり活用はされていないが、函館出身のロックバンドGLYの大規模野外コンサートの時には、満員になるらしいので驚きだ。

電車は函館観光の中心地の元町までやって来た。尖塔のある赤屋根がカトリック元町教会、その手前が函館ハリストス正教会、その右が函館聖ヨハネ教会になる。左上にある港が西波止場で、その前の灰色屋根の建物がレンガ倉庫群になる。電車は八幡坂通との交差点を通過中だが、この坂の手前の突き当りに函館西高校があり、北島三郎の出身校だ。

最後は十字街付近をご覧あれ。中央に電車が見える。ちょっと手前に十字街の停留所があり、谷地頭からの路線が合流している。運行形態は、湯の川↔函館どつく前、湯の川↔谷地頭 の2系統で、それぞれ12分間隔で、両系統が走る湯の川-十字街間は6分間隔と頻繁に走っている。奥のレンガ色の建物が函館市役所で、中央下にある緑屋根とその左隣の建物がカレーで有名な五島軒だ。右上の海岸線は湯の川温泉、函館空港へと続く。
函館は、かつては道内最大都市だったが、その後の凋落で札幌、旭川に次ぐ第3位となっている。半世紀以上経った現在も人口減少は止まらず、市全域が総務省の過疎地域に指定されいている。名物のイカも絶不漁で、イカール星人をもってしても如何とし難い。観光客は今では、中国、韓国、台湾で大半だ。もし、これらの国からの観光客が途絶えたら、国破れて何とやらだ。美しい夜景の函館だが、その裏には、どうしようもない斜陽都市の顔を持つ。
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- 2019/02/18(月) 00:00:00|
- 函館市電
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日本海縦貫線をコンテナ貨物が北上する
目的地は青函トンネルの先の北の大地だ

2017年10月 羽越本線 小波渡
「日本海縦貫線」とは、大阪から青森へと通じる、約1000kmの日本海に沿って北上する一連の鉄道線の総称だ。JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS」の廃止によって、縦貫線を完走する定期旅客列車は皆無となったが、JR貨物の貨物列車が行き交う物流の動脈には変わりない。縦貫線のコンテナ貨物を牽くのは、一昔前まではEF81だったが、現在は富山機関区のEF510が担当している。3か所のデッドセクションが存在し、直流1500V、交流20000V/50Hz、交流20000V/60Hzの全てに対応する必要がある。JR東日本も「カシオペア」用に同形式を運用していたが、今はJR貨物に移籍して、この日本海縦貫線で貨物を牽いている。
縦貫線の貨物は、コキ100形が25輌ほどで、全長がおよそ500mになる。大陸の1kmを超える長大編成に比べれば可愛いものだが、地形の入り組んだ日本では500mでもかなりの長さだ。直線で編成写真を狙うのならともかく、特にサイドから全体像を撮り込むことは、なかなか難しい。たまたま、漁港越しの海岸線にかなり長い露出部分を見つけた。上り線はトンネルの中で、下り線のみが見渡せる。さて、500mが入るかはかなり微妙なところだが、列車を待ってみた。コンテナ貨物が徐々に姿を現したが、なかなか最後尾が見えてこない。冷や冷やものだったが、EF510がトンネルに入る直前に末尾が見え、目論見通りとなった。

ちょっと北の加茂からの鳥海山 磯釣り師も見える 後ろの白い建物はクラゲの鶴岡市立加茂水族館
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- 2019/02/16(土) 00:00:00|
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物珍しさにD61を眺めにやってきた
何の役にも立てなかった不遇の形式だ

1973年3月 留萌本線 留萌
この日の留萌本線6783レは、本務機が深川区のD514、後補機が同じく深川区のD614の、4号機ペアだった。D61なるものを近くでよく見ようと留萌区へやって来た。本務機のナメクジも好みだったので、ちょうど良かった。6783レの留萌到着は15時08分。折り返しの仕業に備えて、直ちに給水と給炭が慌ただしく行われる。到着のD514、D614、そして古武士のキューロクの3両が数珠繋ぎになって給水・給炭を受け始めた。
D614のテンダーで給水中の炭水手に、D514の前面デッキに立った操車掛が何やら話しかけている。このお二人の服装の違いが気になるが、国鉄の職制では、初級の「手職」は「掛職」よりも低い位置にあり、貸与される制服も粗末なものだった。機関士や機関助士などの「士職」はさらに上の職位となる。何時かは機関士になることを夢見て、これらの階段を登ることになる。国鉄もなかなか厳しい身分制度の職場だったといえる。
日が西に傾いて、機関車たちのサイドを照らし始めた。先程の操車掛が機関車の移動の誘導を始めた。D61は丙線キューロクの置き換えのために軸重軽減されたが、種車のD51の余剰が少なく、キューロクの評判も良かったために、結局6両のみの改造に終わった。配備先の留萌線・羽幌線ではD51との共通運用だったが、軸重軽減が響いて空転しやすく敬遠されたというから、結果的に何の役にも立てなかった不遇の形式と云える。
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- 2019/02/14(木) 00:00:00|
- 留萌本線
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集落の道は川の流れになっている
雪国が編み出した白い冬への備えだ

2017年2月 飯山線
雪国の雪かき、雪下ろしの労力は結構なものだ。屋根からの転落事故が繰り返され、お年寄りや幼児の水路への転落は命取りになる。そこで、色々な融雪・消雪のテクニックが生まれてくる。飯山線沿いの集落は、水稲栽培のために水筋に開けているため、その水を利用しているのをよく目にする。では、ある集落の例を見てみよう。

融雪にはこの沢水が使われる。春には田圃に水を張るための重要な資源だが、冬は冬で大切な役割がある。この集落は、沢筋に沿って、国道から信濃川に向かって伸びている。

まず、国道際の最上部から沢水が流される。水が道路上を流れて行くように、道の両端が高くなっている。うまい具合に、傾斜を利用して、集落内の多くの道路に分流していく。

道沿いには小さな水路があり、要所要所に簡単な可動堰が設けられている。この堰を絞れば水が道路上に溢れ出す仕組みだ。雪の降り方に合わせて流す水量を調節している。

各戸の玄関前や駐車場などの家周りは、水路から引かれた散水管が使われる。ただ流せばよいというものではなく、噴水のように弧を描いて放水することが肝要らしい。

こちらは家周り。流水の湿気で苔むしている。家が湿気ないか気になるところだが、雪が積もっていれば同じことか。集落の何処もこんな状態なので、長靴は欠かせない。

こちらは横方向に伸びた脇道のお宅で、傾斜がなく上部からの水が流れてこないので、専用の導水管で豪快に放水している。道に浅く水が張るようになっている。
集落の方にお伺いしたが、道路や駐車場の除雪は不要で、思い立った時に、直ぐに集落を出られるそうだ。家の周りにも積もらないので、極端な高床にする必要もないとのこと。山村らしい自然を上手く利用した融雪・消雪手段だ。
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- 2019/02/12(火) 00:00:00|
- 飯山線
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4月に入り日の光が眩しくなってきた
寒さ厳しき猿払の雪解けももうすぐだ

1973年4月 天北線 鬼志別
このところ、北海道地方では記録的な低温に見舞われている。史上最強クラスの寒波ということで、道北、道東エリアは、軒並みマイナス30℃以下が観測されている。その昔、旭川駅の徒歩圏に銭湯があった。宗谷線、石北線の夜行列車に乗る前に、何度かその銭湯に行ったことがある。帰りにタオルと髪の毛が凍ってバリバリになったことを覚えている。面白半分にタオルを振り回して凍らせたものだ。旭川ではマイナス20℃くらいは珍しくなかったと思うが、これは家庭用の冷蔵庫の冷凍室の温度になる。今はそんなことはないが、冬の北海道では、凍ると困るものを冷蔵庫にしまっていたというから、家の中も随分と寒かったということだ。
4月に入ったというのに、一面の雪原で、木々の冬芽も硬いままで、猿払の春はまだまだ先のようだ。今では、列車の運転士も、空調の効いた快適な職場で働けるようになったが、現役蒸気時代の機関士の職場環境は、特に劣悪だった。ボイラーから発せられる高熱と、極寒の風雪の中での身を乗り出しての前方確認。顔面神経痛の話もよく聞いた。しかし、C62重連でお馴染みのゴーグル姿の機関士の凛々しさは、機関車乗りの憧れの象徴でもあった。同じ寒さであっても、昔の方がより寒かったはずだ。色々なものが進化し、北の大地の冬の生活も随分と改善されている。ただ、冬の厳しさがあってこその北海道だと思うのは、こあらまだけだろうか。
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- 2019/02/10(日) 00:00:00|
- 天北線
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