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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

駅舎の灯 本中小屋 17時26分

貨車駅舎が妙に玩具じみて見える
同じ頃、大都市ではラッシュが始まる

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2018年10月 札沼線 本中小屋

不夜城の新宿や渋谷が、夕方のラッシュアワーを迎えようとするころ
同じ日本の北の大地の小さな駅では、静寂の夕暮れ時を迎えていた
街の雑踏の駅も、村の鎮守の駅も、夫々の役目を負ってそこに在る
日本中の何処にも、要らない町も、要らない駅も、あろうはずがない
ただ、役割が本当に終わってしまったとき、消えるしかないのだろうか

今年も、鉄道風景を通して、日本に散りばめられた町々を巡って来た
四季折々に見せる美しい列島の表情は、日本の掛け替えのない宝だ
見知らぬ土地で触れる、地元の人々の優しさは、日本の良き遺伝子だ
そんな温かい町へと誘うのは、か細く伸びるローカル線の鉄路だった
何時しか、ローカル鉄道も廃れて、街も村も日本中が殺伐としてきた

人が生きていくためには 人の幸せとは そんな大それたことではない
何かが、少しずつ少しずつ狂い始め 大きな過ちを犯しているような
消えゆく駅舎の灯は、忘れかけた良き日本からの伝言なのかもしれない
何をどう選ぶかは自由だ ただ走り始めた世の中は直ぐには止まれない
迷ったときは、立ち止まって、駅舎から漏れる灯を思い出してほしい

今年もお付き合いいただきありがとうございました
寒い年越しになりそうですが、良いお年をお迎えください


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  1. 2018/12/31(月) 00:00:00|
  2. 札沼線
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稲穂峠の朝

銀山の山並みに朝日が差し込む頃、上りの始発が現れる
かつてC62重連が通った峠の道は、今も変わらぬ紅葉街道だ

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2018年10月 函館本線 銀山

今年もあと二日を残すばかりとなった。あれ程暖かだったこの冬も、急に寒さが厳しくなった。雪国からは大雪のニュースが届くようになり、暮れの帰省にも影響が出始めた。北の大地も白銀の世界に変わったことだろう。このところ、春と秋に大きなロケを仕掛けているので、春物と秋物の画がどうしても多くなってしまう。暮れも押し詰まっているというのに、紅葉でもないものだが、ここらで今年の秋色は、そろそろ終わりにしようと思うのでご勘弁を。まだまだ在庫が残っているので、続けたいのは山々だが、やはり季節感は大切だ。来秋に機会があれば、またということにしておこう。

そもそも、こういうシフトになったのは、畑作業のためだ。八ヶ岳山麓の春は遅く、ちょうど里の桜が終わった頃の、5月の連休明けくらいから外作業が始まるので、それまでが纏まったロケのシーズンだ。秋はといえば、本当は11月頃までは作業を続けたいのだが、それでは冬になってしまう。そこで、紅葉に間に合わせるため、白菜、大根、玉葱、野沢菜などは、9月中に育てられるだけ育てて、後はほったらかし。花豆、大豆、小豆なども収穫時期は遅らせることにしている。かくして、追肥も虫捕りも出来ず、小振りの虫食いだらけの白菜と野沢菜が出来上がることになってしまった。

さて、問題は冬だ。軟弱にも、冬の間はフィルムスキャンと決め込んでいた。専用スキャナーでのスキャンは、思いのほか時間が掛かる。デジカメによる複写が一番手っ取り早く、一部のツールも手作りしてあるが、ネガの場合は反転が少々厄介だ。幸いにして、coolscan も Dimage scan も Epson scan も支障なく動いているので、第1選択肢は今もスキャナーだ。国鉄時代はほぼ終えたが、JR時代は多くが原板のままだ。ビネガーシンドロームのネオパンは皆終わっているので、緊急性は薄れた。それよりも、忍び寄る体力低下の方が緊急事態だろう。何時までも冬が狙えるはずもない。


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  1. 2018/12/29(土) 00:00:00|
  2. 函館本線
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秋色夏井川渓谷

夏井川渓谷が鮮やかな秋色に染まった
紅葉狩りの一番の特等席は列車の車窓だ

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2018年11月 磐越東線 江田

今回は、磐越東線の有名スポットである夏井川渓谷の大滝の一枚だ。この場所、どう足掻いても、誰が撮っても、同じ構図になってしまう。お決まりのアングルに行き付いてしまうので、写真の腕などというものは不問の場所で、川の流れや森の木々が、どんな表情を見せたかが全てだ。それでも、時として、この滝越しの磐越東線を眺めて見たくなるものだ。ちょうど紅葉が盛りで、都合の良い薄曇りの日和だったので、滝の前に立ってみた。やはり、見慣れた画角での切り取りから逃れることは出来なかった。只々、少しでも秋色の夏井川渓谷の風情を感じていただければ幸いだ。

実は、まだ到達出来ていない大滝と洞門が望める俯瞰場所に行きたかった。位置は特定できているし、予めルートの目星も付けてあった。少々危険な道中が予想されたが、季節的にも、天候的にも、装備的にも、体調的にも諦める理由はなかった。美しい紅葉の渓谷を俯瞰出来たはずだ。しかし、道草を食ってしまったので、現場到着が遅れてしまった。時間が急いている時の行動は大いに危険だ。渋々、滝前での定番撮影と相成った。ただし、この場所だって鼻歌交じりで着ける場所ではない。大滝を訪れようとされる方は、くれぐれも時間に余裕をもって、安全を期してもらいたい。


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  1. 2018/12/27(木) 00:00:00|
  2. 磐越東線
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馬主来 黄昏時

音別を通過した「おおぞら」が再び太平洋に出る
3時を過ぎたばかりだというのに早くも黄昏だした

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2018年10月 根室本線 音別

東風が入り、どうにも天候が優れない。この界隈の海岸部は、とにかくカラッと晴れることが少ない。冷たい東風は海上でガスを生み、海岸線へと運ぶ。夏でもストーブが欠かせない。半袖を着られるのは、ひと夏に数日しかないという土地柄だ。天気が悪い分、波は少々高く、砂浜を駆け上る白い波紋が、不思議な模様を描き出す。雨もぽつりぽつりと落ち出し、思ったよりも早く太平洋に黄昏時が訪れた。

馬主来と書いてパシクル。アイヌ語でカラスのことだ。どうしてここがカラスなのかは定説がなく、各人のご想像にお任せする。昔はちょっとした地元の観光地だったようで、今よりもずっと多くの出店があったそうだ。ここ音別、尺別は上さんの故郷で、今も親戚が暮らしている。現在は釧路市に編入されているが、在るのは小さな生協とセイコーマートだけで、食料品の調達にも困るような場所になっている。


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  1. 2018/12/25(火) 00:00:00|
  2. 根室本線
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「ぬまひきょん」の棲む駅

利尻を車窓に北辺の地を列車が進む
後世に送り継ぐべき類希な宝の鉄路だ

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2018年10月 宗谷本線 下沼

現役蒸気の頃から宗谷本線との付き合いのある方々なら、この下沼の変貌ぶりには驚かされることだろう。いや、駅が何とか残っているだけ幸運と思わなければならない。宗谷線でも、結構な数の駅が廃止されて歯抜けになっているので、若かりし頃の記憶の中の駅順は通用しない。隣の南下沼は2006年に廃止され、駅名票には「ほろのべ」の文字がオーバーステッカーされている。ちょっと前まで、ご多聞に漏れず、ここの貨車駅舎も、ペンキがひび割れだらけの醜い外観を晒していた。

2016年8月、JR北海道は、幌延町内にある糠南、南幌延、下沼の3駅の廃止を町に伝達した。そこで幌延町が始めたのが、「あなたが守る秘境駅プロジェクト・マイステーション運動」だ。町が維持管理費を負担し、3駅を当面存続させることにした。下沼には、「ぬまひきょん」というイメージキャラクターが宛がわれ、駅舎は町民自らの手で綺麗にお色直しされた。平均乗車人員が1人にも満たない駅に、浄財を投じるのも大変かと思うが、駅がなくなることへの町の強い危機感が感じられる。

この写真を眺めていると、この路線を後世に伝えなくてはならないという思いが湧いてくる。こんな人口密度の低い大規模酪農地帯だ。地域内輸送など望むべくもない。その代わり、日本では稀有な雄大な風景が広がる。冬ともなれば風雪の白い大地に豹変する。これほどダイナミックで非日常的な四季の車窓を楽しめる長大路線が他にあるだろうか。防衛上だとか、通学生がいるのだとか、代替可能な取って付けたような理由ではなく、路線そのものの魅力を問うことが出来ないものだろうか。

国交省の案にもあるが、ここは思い切って、大胆な観光路線化の実験をしてもらいたいところだ。イギリスでは、リチャード・ブラウン氏率いるヴァージングループが鉄道運行会社を経営している。日本でも、観光業で辣腕を振るう、星野佳路氏の星野グループや三木谷浩史氏の楽天グループなどが列車を走らせれば、面白いことになるだろう。総合的な観光開発に繋がるだろうから、北辺の鉄路ばかりでなく、地域の経済にも良い影響を及ぼすだろう。旧態依然としたやり方では、宝を失うだけだ。


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  1. 2018/12/23(日) 00:00:00|
  2. 宗谷本線
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鳴子温泉街を往く

鳴子温泉街の築堤をシゴハチが駆け上がる
そこには湯治場だった頃の町並みが広がっていた

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1973年4月 陸羽東線 鳴子 (現鳴子温泉)

今も昔も、東北の路線を訪れるのは、北海道の行き帰りが多い。鉄旅時代、特に陸羽東線は勝手が良く、深夜に青森を出発する102レ急行「八甲田」に乗車すれば、小牛田で陸羽東線の始発に接続し、撮影後に何とかその日のうちに東京に戻ることが出来た。好摩起点の花輪線では、そうは上手く行かず、それなりの覚悟が必要だった。この時は、ぎりぎりまで北海道を巡っていたので、既に4月に入っていた。早々に引き上げなければならず、お手軽な陸羽東線に入ることにした。

陸羽東線の撮影地と云えば、鳴子峡の大深沢橋や中山平の大パノラマが有名だが、どちらも徒歩ではそれなりのアルバイトが求められる。この時は、北海道内で体力を使い果たしていたので、どうしても歩き回る気にはなれず、駅傍を探ることにした。鳴子に向かう列車の中から見つけたのがこの場所で、駅から徒歩20分とお手頃だ。鳴子の東側の町並みが眺められる場所だが、この時代、町並みを愛でる余裕も見識もなかったのか、煙に魅せられたのか、目一杯機関車を引き付けている。

45年前のこの辺りには、湯治客のための小さな温泉宿しか見当たらない。今では、大規模な旅館が並び、全く様相が違ってしまっている。バブル景気と温泉ブームによって、鄙びた湯治場は、観光温泉地へと変貌した。鳴子温泉も例外ではなかったようだ。シゴハチの後方に漂う煙の様子からして、ちょっと前まで結構エキサイトしていたようだ。今なら、温泉街を広く前景にして、汽車は後方に程ほどの大きさに撮っていたはずだ。そうしていれば、もっと町並みの観察が楽しめたはずだが残念だ。


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  1. 2018/12/21(金) 00:00:00|
  2. 陸羽東線
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芦別 06時22分 炭鉱町の駅は今

朝靄をついて始発列車が現れた
観光都市を目指す芦別の朝が明ける

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2018年10月 根室本線 芦別

06時22分、朝靄の中からヨンマルの二つのヘッドライトが見えてきた。芦別の駅が眠りから覚める時刻だ。始発列車の2421D滝川発東鹿越行の2両編成が、定刻に芦別駅1番線に滑り込んだ。一通り降車が済むと一旦ドアが閉められ、車両の分割が行われる。先頭車輌が数メートル先の「分停」の位置まで進んで作業が終わる。先頭車は、そのまま2421Dとして災害代替バスが待つ東鹿越へ向かう。後ろの車輌は、上り始発列車の2420Dとなって滝川へと戻ることになる。


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分割作業中のホームに向かうと、乗車待ちの通勤らしき方が目に入った。滝川方面へ向かう通勤途上の読書かと思いきや、今の時代そんなことは希だ。手にしていたのは、もちろんスマホだ。通勤・通学のスマホ風景はあっという間に日本中に広まった。日本中何処にいても、同じように情報が得られることは素晴らしいことだが、日本中同じ風景と云うのも、何となくおかしい気もする。


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06時32分、まず2420D滝川行が発車する。滝川着は07時04分となる。左に見える建屋は、炭鉱駅時代に活躍していた信号取扱所だ。空港の管制塔と同じように、ここから列車の位置を現認しつつ、入換作業の指示を出していた。芦別炭鉱が稼働していた頃、この信号所の灯りは24時間消えることはなかった。


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残された東鹿越行には、次々と高校生が乗車していく。富良野、あるいは南富良野の高校に通うためだ。次の列車は1時間半後の富良野行になるので、富良野と南富良野のどちらの高校に通うにもこの列車が基本となる。勿論、芦別にも道立の芦別高校があるが、根室本線のお蔭で、自宅通学可能な高校の選択肢は滝川方面を含めて結構広範囲になっている。


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06時40分、2421Dの18分間の停車時間が終わり、出発信号が青に変わり、出発反応標識も点灯した。列車は上芦別、野花南と停まって、富良野到着は07時16分、終着の東鹿越は08時04分、代替バスに乗り継いで幾寅が08時17分となる。芦別駅は、2016年にみどりの窓口が閉じられ、現在は芦別市が業務を行う簡易委託駅になっている。業務の開始時間は、もう少し後の午前7時になる。


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芦別は三井芦別炭鉱の城下町だった。かつて、この島式ホームの3番線からは三井芦別鉄道が発着していた。最盛期7万人を超えた地域の人口も、今は1万4千人を切っている。ちょうど、三井芦別鉱業が開坑した1943年頃の人口に戻ったことになる。昼夜を問わず行われたピストン輸送のための広い貨物ヤードは、再利用されることもなく草木に覆われている。構内灯や信号取扱所は、取り壊されることもなく当時のままだ。滝川機関区のD51や9600が通った活気ある構内は、只々静まり返っていた。

芦別市に隣接する赤平市、歌志内市、美唄市、三笠市、夕張市、上砂川町は、皆炭鉱の町が出発点だ。ヤマが閉じてからと云うもの、何所も厳しい自治体運営が続いている。ここ芦別も、閉山による斜陽化対策として、「赤毛のアン」のテーマパークである「カナディアンワールド」を開園したが、残ったのは負債だけだった。通産省産業基盤整備基金を活用した第三セクターが設立されたが、夕張とよく似た話だ。結局のところ、国は斜陽化を食い止められないばかりか、更なる試練を与えることとなった。藁にも縋りたい弱小自治体が、補助金行政の餌食になってしまったとも言える。夕張については破綻も認めず、無慈悲な態度をとり続けている。これらの事例から分かるように、「自治」というからには、自らの資源と英知と責任をもって臨むという気構えが必要だ。国の言うことなどを聞けば、国の財政よろしく、返済不能の借金漬けに陥ることは間違えない。「星の降る町・芦別」を自らの力だけで愚直にアピールしていくだけだろう。


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  1. 2018/12/19(水) 00:00:00|
  2. 根室本線
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斜里岳燃ゆ

目論見通りに、日没間近の夕日に斜里岳が燃えた
おまけに雲にも恵まれ、意気揚々と現場を後にした

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2018年10月 釧網本線 南斜里

偶には願ってもない幸運に恵まれることもある。日没直前の賭けに出たところまではいつものことだ。列車は定刻に、目論見通り、夕日に燃える斜里岳バックのこの場所に現れた。もっと他に撮りたい場所があり、下見までしていたが、日没時刻を考えて、斜里岳狙いの定番の一つであるこの場所に落ち着いた。問題は雲だ。ほぼ快晴の青空だったが、斜里岳には雲が纏わり付いて離れなかった。山の上半分が雲の中という時間帯もあった。山岳写真では、雲もガスもない晴れた日中は、最低の気象条件の一つとされる。雲があること自体は結構なことだが、斜里岳の山頂と左肩の尖塔が隠れてしまっては元も子もない。山だけを撮るのであれば、じっと雲の流れを追っていれば、チャンスが訪れるかもしれない。しかし、鉄道写真はそうはいかない。列車が通過するほんの何秒かの勝負だ。それも、ローカル線ともなればリ、リベンジは次回ということになってしまう。そんなわけで、多くは後ろ髪を引かれつつの敗退ということになる。やられっ放しでは、さすがに萎えてしまうが、根気強くやっていれば、そのうち天使が舞い降りるかもしれない。そうとも限らないが、そういうことにしておこう。


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  1. 2018/12/17(月) 00:00:00|
  2. 釧網本線
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架線柱の誘い

八甲田の山並みがゆっくりと闇に沈んでいく
規則正しい架線柱の並びが妙に郷愁を誘う

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2018年10月 弘南鉄道 弘南線 運動公園前

雨に煙る八甲田山系の山々がこの日最後の光を失おうとしていた。真っすぐに伸びる線路に連なる架線柱が、幾何学模様のように綺麗に小さくなっていく。まるで、ミラールームの無限連鎖のようだ。非電化単線が好みで、架線柱と対峙することは少ないが、この架線柱の並びには後ろ髪を引かれ、一旦は通り過ぎたものの引き返してきた。幸い、弘南鉄道は日に数本のローカル線ではない。程なくして黒石行きが、そして狙い目の弘前行きが現れた。行き交う電車の全ては、東京で馴染みのあった東急顔だ。オールスレンレスボディーば、雪国の弘前には好都合の車輌だったようだ。この弘南鉄道株式会社。弘前電気鉄道から譲渡され、一貫して赤字路線である大鰐線の存続問題で地元自治体と揉めている。自前の弘南線は黒字と云うから、共倒れにはならないでもらいたい。


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  1. 2018/12/15(土) 00:00:00|
  2. 弘南鉄道
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湿原 悠久なれ

晩秋の湿原の日差しが傾いてきた
枯野を駆け抜ける列車が夕日に輝く

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2018年10月 釧網本線 塘路

このブログの管理人は、鉄道写真以外に、高山・湿性植物の撮影にも、これまで多くの時間と労力を費やしてきた。そのため、湿原を目の前にすると血が騒ぐ。ついつい、この湿原の植生を観察したくもなってくる。尾瀬のように湿原全体が特別天然記念物に指定されていると、木道以外への立ち入りは厳しく禁止され、近頃流行りのドローンも勝手に飛ばせず、木道から撮るのが唯一の撮影手段となる。さて、この釧路湿原ではどうかというと、三つの規制の異なる地区に分かれる。釧路川右岸の西側に広がる湿原の核心部は、「特別保護地区」に指定され、間接的にではあるが、尾瀬と同様に立ち入りが禁止され、公的な学術調査などでもない限り許可も出ない。その周辺部の「特別地区」は、第一種から第三種に細分されるが、一気に緩和されて、自由に立ち入ることが出来る。もちろん規制事項を遵守することが前提だ。さらに、その周りの「普通地区」は、自然を傷つけない程度のお達しとなる。

写真はシラルトロ湿原だが、中程を釧路川が横切っている。川の手前は「特別保護地区」、向こうは「特別地区」となる。つまり、釧網線の線路は「特別地区」を走っているので、その気になればシラルトロ湿原内からの撮影も可能だ。シラルトロ沼や釧路川には、動力のない小舟やカヌーで漕ぎだすことも出来る。実際に、釧路川には多くの太公望が、幻のイトウを求めて入川している。しかし、それは「規制上は出来る」というだけの話で、舟遊びくらいは自然とのふれあい方として許されるかもしれないが、湿原への立ち入りや釣りは、やはり、もっと慎重な議論が必要だろう。本邦では、観光開発と自然保護の線引きが不明瞭で、どちらかといえば観光に軸足がある。何とか遺産は金儲けの道具でもある。尾瀬のアヤメ平は、踏み込みで傷ついた湿原の復元が、半世紀以上も経った現在も続けられている。激動の時代、実効性のある規制なくして、当たり前のように、そこに湿原が在り続けられるはずもない。


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  1. 2018/12/13(木) 00:00:00|
  2. 釧網本線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

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