駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

キハ110 国鉄急行色 デビュー

佐久甲州街道の山里に、桜と新緑と鯉のぼりの季節が到来した。
この地に小海線が開通して80年。開通を祝う国鉄色が春の訪れに彩を添える。

80001451.jpg
2015年4月 小海線

この地域では、農作業が始まる桜の季節に、5月の節句の鯉のぼりを揚げる。一緒に初節句を迎える息子や孫の名前を書いた幟も立つ。新たな家族の門出を祝いつつ、地域への跡取りのお披露目でもある。これまで冬の無機質な色彩の里が、一気に色付く。どれも美しい日本の四季を彩る風物詩だ。

さて、先般 この記事で小海線全線開通80周年記念の国鉄色のことをご紹介したが、やっと国鉄急行色の方が撮影できたので、お披露目したい。何ともいい色だ。現代の機材を持って、過去にタイムスリップしたかのようだ。冷静に撮影のことだけを考えても、この色は大いにメリットがある。スジが予め分らないのが辛いところだが、往路で遭遇できれば、復路で待ち受けることは可能だ。
ただ、難点は顔が少々ちんけなことだ。パンダ顔とでも言おうか、あの「ゴーハチ・ニーハチ」の精悍な顔立ちとは程遠い。折角の記念色、文句を言っちゃいけませんね。精々、サイドビューで楽しませて頂くことにしましょう。

80001454.jpg
車両観察のためのアップの画です。キハ111/112の2両固定編成が使われています。

さて、この国鉄急行色、小生のような50歳代のセミオールドファンにとっては、「素晴らしい・懐かしい」の一言だが、タラコ色やそれ以降の世代のファンには、どのように映っているのやら。まさか「昭和臭い」と言われやしないだろか。

スポンサーサイト

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/28(火) 22:40:20|
  2. 小海線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

C5765の肖像

この日も、朝から一日じりじりと南国の強い日差しが照りつけた。
やっと涼しい風が吹き出した頃、夏の夕陽を受けて、宮崎の華が美しく輝いた。

059_35R_16.jpg
1973年8月 日豊本線 日向沓掛-清武

日豊本線には名物的C57を何両か見ることができた。先日は、吉松区の ”とびっきりの1台” のC57151をご紹介したが、宮崎区には2両の華がいた。元「かもめ」牽引機のC5765と最後の蒸気お召牽引機のC57117だ。今回はまず美しい門デフを持つC5765の登場だ。

こちらも、特徴的なK-5型門デフを持つ。門デフはドイツのものが参考にされており、当初はボイラーに合わせたRが付けられる予定だったが、加工の手間を省くため結局省略された。何種類かRの付いた試作品が作られたが、その一つがC5765に装備されることになった。起原を思い起こしてみれば、何となくドイツ風に見えてくるから不思議だ。

暑かった夏の一日もようやく暮れようとしている。九州の日没は遅く、この日も長い一日だった。少し涼しく湿った風が吹き出した田園地帯に、C57の絶気の貨物が下ってきた。夕陽に映し出されたのは、見間違う筈のない、元「かもめ」牽引機の65号機の卓越した姿だった。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/27(月) 00:51:51|
  2. 日豊本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

画の中の画

串人形の里の白久も春を迎えました。
パレオエキスプレスのC58のキャブの中では、何やら春の訓練中のようです。

80001344.jpg
2015年4月 秩父鉄道 白久

桜前線が札幌まで達し、秩父路の春の花の季節もそろそろ終わりといった感じです。ここ白久ではソメイヨシノに続き、枝垂桜や花桃が満開を迎えました。この日は、佐久から、開通したばかりのぶどう峠を越えて、秩父入りしましたが、途中の北相木村、上野村は、桜が満開で、ついつい長居をしてしまい、余裕なく三峰口に到着。お手軽な場所に陣取ることになってしまいました。

先日のニュースで、白久の串人形が紹介されていましたが、日本各地の里に残るこういった伝統芸能が、末永く受け継がれていってもらいたいものです。

さて、実はこの画、マイオさんのこの画の中の一部です。この後、浦山口でマイオさんとばったり。といっても後から分かったことで、いやいや残念。

80001353.jpg
何やら真剣なまなざし。後ろのおじさんが教官でしょうか。早く公式側の席に座れるようになるといいですね。


70004852.jpg
北相木村の諏訪神社です。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/25(土) 01:33:29|
  2. 秩父鉄道
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

山陰海岸を行く

夏の山陰の海は、どこまでも碧い。
リアスの海岸線を縫うように、列車は浜から浜を巡って行く。

05017RF16.jpg
1973年7月 山陰本線 折居-三保三隅

海岸線を行く蒸気と言えば、その風光明媚な海岸線の長さから、真っ先に思い浮かぶのが、ここ山陰本線です。冬の日本海と聞けば、荒れた鉛色の海原が連想されますが、夏の山陰海岸の透明度の高い碧い海は、訪れた者だけが実感できる美しい海です。

こんな海岸を眺めながら、汽車を待つことが出来た訳ですから、さぞかしいい時間を過ごせたことだろうと思われがちですが、夏の旅はやはりしんどかった。紺碧の海を前に、陸上で夏の日差しに汗だくになって撮影を続けていれば、恨み節の一つも言いたくなるような時がありました。線路上を、バラストからの熱気を受けながら、ひたすら歩き続けたのも、今やいい思い出です。

この画の場所は、有名なお立ち台でしたから、諸先輩方も色々な角度からの作品をアップされています。それでも、見る度にあの日が新鮮に蘇るのは、この場所のもつ優れた景観からでしょう。

※マイオさんからのご指摘により、撮影区間を「岡見-三保三隅」から「折居-三保三隅」に訂正いたしました。マイオさん、ありがとうございました。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/22(水) 00:40:40|
  2. 山陰本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

早春賦 「浅間好日」

春の日の青空に、ハイブリッド車の青いボディーカラーが映える。
長かった冬を惜しむかのように、浅間嶺の残雪が輝いていた

80001288.jpg
2015年4月 小海線

佐久地方でもやっと春が感じられるようになった。花芽が薄らとピンク色を帯びてきた。もうすぐ平地から一月遅れの花の季節となる。この地方の名産にプルーンがある。山梨、長野は果樹の栽培が盛んだ。桜とともに、アンズやモモ、スモモなどの果樹も一遍に開花し、まさに桃源郷の様相となる。
今日のニュースで、松前の桜の開花が報じられていた。いよいよ桜前線が北海道に到達し、日本列島の花の季節も終盤だ。

冷え込んだ朝、浅間嶺をすっきりと見渡すことができた。この眺めも、昼前には気温が上がり、春霞に靄ってしまう。撮影には早起きが欠かせない。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/19(日) 22:52:26|
  2. 小海線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

雨のC58重連

雨が降りしきる中、短い貨物列車が徐々に近づいて来た。
この列車こそが、わざわざこの地までやってきた目的のC58重連だ。

00510RF16.jpg
1970年4月 八高線 松久-用土

八高線で出会った方から、高崎寄りにC58重連が走っているという情報をキャッチした。八高線の八王子寄りと言えばD51重連で、撮影できるC58のスジは僅かに1本だけだった。物珍しさに惹かれて、C58重連の撮影に赴いた。

その日は、生憎の雨模様だった。寄居周辺で、大降りの雨の中何本か撮った後、本命のC58重連を狙うべく、田んぼの広がるこの地にやってきた。雨の中、遠方から単機回送かと見間違うほどの短編成の貨物列車がやって来た。これが標的のC58重連の姿だ。機関車2両で貨車2両を引いている。この列車の前にD51の貨物も通過したが、その列車もヨが1両だけだった。どうやら運が悪かったのは天候だけではなかったようだ。

こんな天候では、写真を撮り始めたばかりの初心者には、厳しい一日だった。撮れた画の良し悪しは別として、C58重連が走っていたことは事実だった。この後、C58重連を撮ったのは陸羽東線だけだから、貴重なシーンと言えなくはない。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/17(金) 00:13:03|
  2. 八高線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

早春賦 「春告げ列車」

この山里にもやっと春の気配が感じられるようになった。
ちらほらと咲き出したサクラが、春の訪れを告げている。

80000193.jpg
2014年4月 小海線 快速「さわやか八ヶ岳高原号」

小海線は佐久平で新幹線に接続しているが、その新幹線から観光客を呼び込むため、数年前から観光シーズンの土曜日に、快速「さわやか八ヶ岳高原号」が全線通しで運行されている。小淵沢‐野辺山間の「八ヶ岳高原列車」とともに、春先の観光シーズンの到来を告げる列車だ。この列車、E200系が単行となる唯一の列車だ。それでも、団体客の入り具合を見ながら、増車されたりするので、必ずしも1両とは限らない。この日は往路が単車だったので、返しを千曲川橋梁で狙ってみた。青いボディーカラーは水や青空との相性がいい。キハ110とはまた違った面持ちだ。

やはり、ローカル線には単行がお似合いだ。橋梁を行く列車がまるでおもちゃのようだ。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/15(水) 00:25:20|
  2. 小海線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

昭和の日々

電柱が林立し、電線が蜘蛛の巣のように張り巡らされた街と鉄道。
立ち並ぶのは木造家屋ばかりで、高いものなどない。蒸気が現役だった頃の懐かしい昭和の風景だ。

03629F16.jpg
1972年3月 室蘭本線 苫小牧 C57の下り客レ

43年前の昭和47年の世の中は、あくまでアナログな世界だった。家々のテレビや電話、路上に駐車する車、鉄道通信のハエタタキ、そして機関車。この写真だってそうだ。この画の中に”デジタル”の片鱗を見つけることは難しい。せいぜい、この頃家の中に出回り始めた電卓ぐらいしか頭に浮かばない。

43年後の平成27年。テレビは液晶となり、デジタル放送への移行も完了した。電話、いや通信は光ケーブルとモバイルだ。車だってブラックボックスのマイコン制御。修理なんか出来やしない。鉄道もリニアの建設が始まる。カメラもフイルムで最後に撮ったのは何時の日か。生活を取り巻くあらゆる器具・機械がデジタルだ。この先、「デジタル」という言葉は死語になるかもしれない。

今の若者の間には、「昭和臭い」という言葉があるそうだ。半生以上を昭和に生きた人間としては、何とも複雑な気持ちだ。スマホやゲーム機のなかった時代は、今や、ださくてうざい世界なのかもしれない。小生だって、パソコンとインターネットのない生活はもう考えられない。そうは言っても、デジタルは手段だ。本当の安住の地は、僕らの中の「0」と「1」とでは表せない世界にあるのかもしれない。

アナログな時代に生まれ育った方々に、モノクロームの懐かしい昭和の街の一コマを、お贈りします。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/13(月) 00:15:36|
  2. 室蘭本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

桜の日に 「村の鎮守桜」

民家の軒先をかすめて、ハイブリッド車キハE200系が現れた。
集落の人々に見守られ、小海線は今日も走り続ける。

80000184.jpg
2014年4月 小海線

こうやって山と川に挟まれた僅かな平地に沿って、民家と道路と鉄道が同居ているのも、ローカル線の魅力だ。この集落のメインストリートであるこの場所で構えていると、地元の方が、「今度はハイブリッドだね」と声を掛けてくれた。集落の人々は、鉄道車両のことなど興味がないのかと思っていたが、然に非ず。みなさんハイブリッド車とその筋を知っているようだ。地域の人が、多かれ少なかれ小海線のことを応援しているように思えて、嬉しかった。


80000189.jpg
2014年4月 小海線

ここはこの集落の墓地であり鎮守山だ。平地の少ない集落なので、日当たりのいい場所は、みな田んぼや畑になっている。鎮守の桜は少々日当たりが悪いところで集落を見守ることになったが、この年も少し遅れて満開となった。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/11(土) 01:07:30|
  2. 小海線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

旧客を愛でる

日向国の田園地帯を、軽やかなドラフトを響かせてC57の客ㇾがやってきた。
煙で燻された客車は、蒸気とともに過ごした日々の証だ。通過していくジョイント音が心地よい。

05932RF16.jpg
1973年8月 日豊本線 清武-日向沓掛

何とも、絵に書いたような教科書的な鉄道写真だ。しかしながら、自分で言うのは憚れるが、列車編成を愛でるにはとても良い画だ。やはり、九州のC57の引く旧客列車は美しい。客車も長からず、短からず調度良い。傾いてきた順光に、罐のディテールも映し出されている。

牽引する二次型のC57151は、“特別な1台”だ。国鉄80周年記念の熊本区特別整備車として、C57で唯一、K-3型門デフを装備している。車籍は新製配属の下関と岡山の数年間を除き、吉松区で廃車になるまで、長年 九州で活躍してきた。この画を撮った1週間後に休車となっている。まさに有終の美を飾る一枚だ。煙室扉ハンドルは蛇輪型から普通のものに代わってはいるが、美しい緑ナンバーをもつ罐だった。現在 鹿児島県平川動物園に保存されている。

今日は、“とびっきりの1台”が引く旧客列車の優美な姿を心ゆくまでお楽しみください。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2015/04/09(木) 02:07:14|
  2. 日豊本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

リンク

月別アーカイブ

最新トラックバック

カテゴリ

小海線 (103)
飯山線 (20)
宗谷本線 (13)
天北線 (1)
興浜北線 (1)
深名線 (1)
石北本線 (7)
渚滑線 (2)
湧網線 (1)
相生線 (2)
釧網本線 (3)
根室本線 (2)
池北線 (1)
広尾線 (2)
留萌本線 (7)
札沼線 (1)
函館本線 (36)
室蘭本線 (7)
千歳線 (1)
日高本線 (3)
江差線 (11)
大湊線 (4)
津軽鉄道 (1)
五能線 (2)
八戸線 (3)
花輪線 (1)
三陸鉄道 (2)
釜石線 (8)
秋田内陸縦貫鉄道 (2)
由利高原鉄道 (1)
米坂線 (2)
磐越西線 (1)
日中線 (3)
只見線 (43)
真岡鐡道 (14)
東北本線 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (3)
東海道本線 (2)
八高線 (8)
秩父鉄道 (7)
西武池袋線 (1)
西武山口線 (1)
江ノ島電鉄 (10)
箱根登山鉄道 (3)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (1)
関西本線 (2)
宮津線 (1)
山陰本線 (22)
播但線 (1)
姫新線 (3)
津山線 (1)
芸備線 (6)
木次線 (1)
三江線 (3)
山口線 (5)
日豊本線 (14)
筑豊本線 (8)
日田彦山線 (2)
後藤寺線 (1)
田川線 (2)
唐津線 (3)
松浦線 (3)
佐世保線 (1)
大村線 (1)
長崎本線 (2)
久大本線 (4)
豊肥本線 (2)
高森線 (2)
肥薩線 (17)
くま川鉄道 (1)
日南線 (2)
指宿枕崎線 (2)
写真集・書籍 (4)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)
宮之城線 (1)

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR