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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

駅舎の灯 美作滝尾 18時46分

美作の出雲街道沿いの小駅に明かりが点いた
90年の時の流れが凝縮したような駅舎の灯だ

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2016年4月 因美線 美作滝尾

この駅舎は国の登録有形文化財になっている。文化庁のデータベースを覗くと、登録基準は「造形の規範になっているもの」とある。つまり、1928年(昭和3年)に建設された、90歳のこの駅舎は、当時の駅舎の標準型で在ったということだ。運輸省鉄道総局が昭和5年に制定した「小停車場本屋標準付図」の中の、1日の乗降人数が100人未満の一號型に近い作りだそうだ。有人駅の駅舎としては最も小型のものとなる。無人化されて久しく、国鉄末期にはかなり荒れていたようだが、地元津山市の所有となり、2008年には有形文化財に登録され、現役の駅舎として保存がなされている。

「男はつらいよ」にも登場し、露出度の高い、あまりにも有名な駅舎なので、敢えて「駅舎の灯」での上梓とした。駅舎以外にも、貨物ホームやその上屋、引込線跡なども現存するが、灯りのない場所なので、今回は割愛することに。この時は18時台の下り列車に照準を合わせて、津山から車で向かったが、渋滞であえなく遅刻。写真の列車は、上りの快速で、お隣の三浦と当駅は残念ながら通過となる。その通過後、待ちかねた明かりが駅舎に灯った。ところが、駅舎正面の裸電球が何時まで経っても点灯しない。壊れていたのか、初めからダミーなのか。後ろ髪を引かれる思いで駅を後にした。


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  1. 2018/05/19(土) 00:00:00|
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因美国境

豪雪地帯の因美国境の山里にも桜が咲いた
過疎の進む小駅の人影にホッとする

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2018年4月 因美線 土師

因美線と云う名は、もちろん因幡と美作を繋ぐという意味合いだ。因幡の鳥取から千代川に沿って南下して来た因美線が、智頭を過ぎていよいよ国境の山峡に分け入る。次駅の那岐が因幡の最後の駅だ。中国山地の分水嶺を、3,077mの物見トンネルで抜けると、美作の国の最初の駅の美作河合に到着する。この土師、那岐と云う駅名は、この地の歴史を感じさせる駅名だ。豪雪地帯にあり、因美線の冬の難所でもある。

この国境の物見峠には、待避所以外では擦れ違いも出来ないか細い県道が通っている。その道を抜けて河合に向かう予定だった。冬場の通行止めが、3月末で解除されることまでは調べがついていたが、運悪く、開通前の1ヵ月間の補修のための全面通行止めになっていた。急遽、那岐をロケした後に国道53号線で大きく迂回して美作河合へと向かった。国境の山村間には殆ど交流が無いということを思い知らされた。

列車は落石防止と軟弱道床の25km/hの徐行区間を遣り過ごし、ゆっくりと桜が見守るカーブを登って来た。備後落合界隈と同様に、因美線の智頭-津山間も最低限のメンテナンスで生き延びているため、各所に徐行区間が存在する。沿線には、過疎化が進み、人影の少ない集落がひっそりと続いている。列車は、国境の中国山地が目前に迫る小駅に停車した。一人の女子高生が降りてきた。思わず、ホッとする瞬間だ。


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  1. 2018/05/05(土) 00:00:00|
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桜の日に 散り際

今年も美作の小駅が桜の花に覆われた
春の嵐にホームに花びらが散った

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2018年4月 因美線 三浦

この季節にローカル線の駅を見つけるのは易しいことだ。線路伝いに桜を探せば、駅に辿り着ける。駅と学校には桜は付き物だ。人々が集うところに桜が植えられるのは、日本の習わしのようなものだ。ちょうど、旅立ちと出会いの季節に桜が花をつける。そこが、駅であれ、学校であれ、そんな人々の人生の節目を飾ってきた。今年の開花は例年になく早く、散るのも早まったが、今も桜前線が日本列島を北上している。最も遅い根室に到達するのは5月中旬のことだ。

ここ、因美線の三浦も桜のトンネルが有名な駅だ。美作の津山盆地の北の片隅にその駅はある。周辺住民の請願で設けられた、きつい斜面に張り付くような棒線駅にも、やはり桜が植えられた。花見の名所である津山城址の桜は、桜まつりの期間の始めに早々に終わったが、山間部が迫る三浦では、染井吉野と八重桜が同時に満開を迎えた。折からの春の嵐に、ホームに花びらが散った。儚い桜の散り際に人生を重ねるのも、日本人の遺伝子に刻み込まれた感傷的な一面だ。


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  1. 2018/04/25(水) 00:00:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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