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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

LSE ロマンスカラーの系譜

名車というのは何時までも飽きの来ないものだ
小田急ロマンスカーのひとつの系譜が終わった

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2018年3月 小田急電鉄小田原線 渋沢8号踏切

去る7月10日、小田急の華のLSEが定期運行を終えた。最終列車は箱根湯本発の「はこね34号」新宿行きだった。LSEとは Luxury Super Express の略だ。今でこそ、Luxury なんて言葉は一般的になったが、38年前に最初の編成が落成した時には、あまり意味が理解されていない英単語だったはずだ。LSEは1981年から4編成が製造されたが、最後の7004x11は1985年製になる。7001と7002は既に解体されているが、つい先日まで大野工場に留置されていた7003x11も、先頭車を残して解体の予定と発表されている。ラストラン後の7004も解体の方向というから、2021年に海老名駅隣接地に開館が計画されている「ロマンスカーミュージアム」に保存されるのは7003の先頭車なのだろうか。同時に、海老名に保存されている5両編成のSEの中間車2両の解体も予定されている。さすがにご先祖様の SE は先頭車だけというのは避けたようだ。こういった車両の見所は編成美にこそあるのだが、それはやはり望めないということだ。


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小田急沿線民には、SE、NSE、LSEと継承されたグレーとオレンジと白のトリコロールカラーは、ロマンスカーカラーとして深く刷り込まれている。疲れた通勤途上で見るトリコロールに、リゾート地へ向かう羨ましさを感じたりもした。そうそう、大事な仕事に遅れそうになって、本厚木でLSEに飛び乗ったこともあった。一時期 HiSE と同様の白とワインレッドに塗装された時代もあったが、小田急開業80周年を機に元に戻されている。現在のロマンスカーは、「はこね」や「えのしま」といった観光目的だけでなく、通勤特急の「ホームウェイ」としての役割も大きい。箱根の観光需要も減りつつあり、車輛の効率的な減価償却、収益性などから、この方向性は今後も変わらないだろう。その分、 Luxury な列車というイメージは失われていく。偶には座ってゆっくり帰ろうか程度の列車になってしまうのも致し方ないのだろう。


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LSEの引退に注目が集まっているが、今春の3月17日のダイヤ改正では、1968年に5両編成のSEで運行を開始し、長年親しまれてきた「あさぎり」の名称が消えた。前身の「朝霧」からなら更に長くなる。もちろん、静岡県富士宮市の富士山西麓に広がる朝霧高原に因んだ命名だ。富士山の絶景が売りの避暑地だ。御殿場線の山北、谷峨、駿河小山と、酒匂川の渓谷を往く在りし日のSEは本当に美しかった。この「あさぎり」が「ふじさん」に改名された。山梨と静岡の陸運局にはご当地ナンバーとし「富士山」がある。こあらま的には、寄らば大樹の陰的なものはどうかと思うが、やはり商売上、外国人には朝霧は通じないらしい。JR東海との相互乗り入れの時期もあったが、いつしか小田急の MSE だけの一方乗り入れに戻っていた。駿東の観光開発や西伊豆への観光需要が低迷を続けたのが原因の一つで、一旦延伸された終着の沼津も御殿場に引き戻された。JR東海は新幹線とリニアで頭は一杯だ。「ふじさん」どころではないようだ。


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小田急の回し者ではないが、小田急トラベルの「思いは次の時代に。さよならLSE引退記念ツアー特集」のページを覗いてみると、こんな企画が並んでいる。左党には9/15と10/8の成人対象の企画はいかがだろうか。ただし、例によって、切符を手にするのは至難の業だろう。こうやって、週末だけでも人気の企画列車として走ってもらいたいところだが、車輛を維持するというのは、素人が考える程に簡単ではないらしい。大手私鉄であっても旅客需要の先行きは悩ましい。道楽に現を抜かす余裕はないようだ。ちなみに、最新の2階運転席のVSEとGSEの各2編成のお値段は、35億円と40億円だそうだ。

09/15 特急ロマンスカー・LSE(7000形)で行くヱビス生ビール列車の旅
09/30 現役乗務員企画!特急ロマンスカー・LSE(7000形)で行くわくわく、喜多見・海老名車両基地ツアー
10/08 ありがとう 特急ロマンスカー・LSE(貸切)に乗車!車内で楽しむ「神奈川地酒利き酒会」
10/13 特急ロマンスカー・LSE(7000形)さよならツアー

この10/13のツアーがラストランになるそうだ。沿線の撮影地は大賑わいになりそうだが、こあらまは遠く北の大地からのお見送りになりそうだ。


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  1. 2018/08/09(木) 00:00:00|
  2. 小田急電鉄
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ODAKYU VOICE

美しい弧を描いて小田急の華LSEがやって来た
展望席には何時ものように旅の楽しさが溢れている

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2018年2月 小田急小田原線 7000系 LSE

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小田急の広報誌「ODAKYU VOICE STATION」

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冊子の冒頭

このブログの管理人は、西武池袋線沿線に生まれ育って27年間を過ごし、その後は今日までずっと小田急小田原線沿線民として過ごしてきた。気付いてみれば、小田急の方が長くなってしまった。とは言っても、西武線の生家もずっと管理しているので、小田急沿線民であり、西武沿線民でもあり、おまけに小海線沿線民でもある。鉄道好きだからという訳ではないが、3箇所とも列車の発着音が聞こえてくる距離なので、最寄りの駅には少なからず思い入れがある。これまで、小海線と西武線は記事として取り上げてきたが、最も付き合いの長くなった小田急線の記事が全くないのが、少々気になっていた。

ちょっと前のことだが、新聞の朝刊の折込チラシの中に、何と小田急電鉄の広報誌の「ODAKYU VOICE STATION」が入っていた。電車内のドアの上の細長い広告スペースが、この「ODAKYU VOICE」の指定席で、通勤時に眺めていたが、冊子があるとは知らなかった。それにしても、A4判上質紙の16頁の立派な作りの冊子を、新聞チラシとしてばら撒くとは、小田急の太っ腹には驚いた。60年以上も私鉄沿線民をやっているが、こんなことは初めてだ。来る3月17日からの新ダイヤの導入への並々ならない意欲の表れだろうか。それとも、忍び寄る沿線住民の高齢化による乗客減への危機意識からだろうか。

新ダイヤもいいが、鉄道好きとして一番気になっているのは、小田急ロマンスカーの看板を長年背負ってきた7000系LSEが引退するのではないかということだ。新ダイヤに合わせて新型の70000系GSEがデビューすることになっている。LSEも1980年の登場から38年が経った。ガキの頃、親戚のおばさんに連れられて、その先代である3100系NSEで箱根に遊びに行ったのは、もう50年以上も前のことだ。小田急ロマンスカーを世に知らしめたのは、このNSEからLSEへの系譜で、半世紀を経た今も、その優れたデザインには全く古さを感じない。やはり、小田急の記事の1枚目はLSEでなければならない。


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LSE 実に流麗な編成美

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LSE かすかに見える後方の山は大山

蒸気ファンはC57を貴婦人と呼ぶが、このLSEも貴婦人と呼ぶに相応しい車両だ。最近の車両には気品とか流麗さとかが無くなってきているように思う。近頃のロマンスカーにしても、残念ながら私的にはLSE以上の存在感はない。また、国鉄も一目置いた、小田急のお家芸のようなロマンスカーの連接車だが、このところ鳴りを潜めているのも残念だ。写真を撮っているとはっきりと解るのだが、LSEの連接車ならではの、車端の張り出しのないしなやかなコーナリングは実に美しい。竹で作った蛇の玩具があるが、その動きによく似ている。流麗なデザインに加えて、乗り心地につながる美しい走りを見せるLSEは、間違えなく小田急ロマンスカーの華であり、貴婦人だろう。


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LSE この4席がLSEの特等席

小田急ロマンスカーの大看板であり、絶大な人気を誇るLSEを、小田急が全て廃車にしてしまうことなど努々ないだろうが、願わくは動態保存して欲しいものだ。新宿-小田原間ノンストップの早さが命の「スーパーはこね」の向こうを張って、休日にゆっくり走る「クラシカルはこね」というのはどうだろうか。これからは速さだけの時代ではない。乗ることの楽しさを伝えていくことは、鉄道の明日のための重要なテーマだ。小田急にとっても、その辺がロマンスカーの目指すところだとは思うのだが。


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60000系 MSE 厳つい顔つきのMSE

今回の写真は、地元を走るLSEを撮りたかったので、周りの景色が何とも雑然とした冴えないものとなってしまいました。機会があれば、次回はもう少しマシな場所に出張ろうと思っています。


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  1. 2018/02/28(水) 00:00:00|
  2. 小田急電鉄
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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