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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

十勝岳連峰 冬近し

上富良野の丘に美しい秋の田園風景が広がる
十勝岳連峰の高嶺から冬の足音が近づいてきた

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2017年10月 富良野線 上富良野

先日の9月6日の北海道胆振地震では、厚真町で大規模な土砂崩れが発生して、不幸にも多くの人命が奪われてしまった。幸い、こあらまの道内各地の親戚には大きな被害はなかった。しかし、全道で大停電となり、道民全体が不自由な生活を強いられ、今も十分な電力を得られていない。函館に住む義母に電話が繋がったのは、地震発生から3日目のことだった。発生の日の朝に、義母の近所に暮らす叔母とメールで連絡がついていたので、元気にしていることは判っていたが、二晩を懐中電灯と蝋燭で過ごし、電気の有難味を思い知らされたようだ。この大停電が真冬に起きていたら、この程度の混乱では済まなかっただろう。多くの暖房器具は電気制御であり、相当に寒い目に遭っていたはずだ。しかし、苫東厚真発電所の全面復旧は11月以降にずれ込む模様で、内地からの送電も含めて、電力源の模索が今暫く続きそうだ。

写真は、昨年10月半ばの十勝岳連峰だ。今年は大雪山系黒岳では早くも8月に初積雪が記録されている。もうひと月もすれば、北海道では平地でも雪が舞い始める。北海道の電力需要のピークは、最も寒さが厳しい2月だ。東日本大震災の影響で、泊原発が停止して以来、毎冬の電力の需給バランスがひっ迫しているが、この冬はさらに先が見通せない状況に陥っている。今日は、始めて節電目標の20%を達成したとのニュースがあった。さすがに、計画停電は御免だということだろう。ふと、東日本大震災後の計画停電の際、小田急が計画的に区間運休し、電車が走っていた相模川の川向うへと、歩いて橋を渡る人の列ができたことを思い出した。さながら、難民の行列のようだった。自然の猛威の前には、便利で快適な生活など砂上の楼閣だ。何時サバイバルが求められるかもしれない。何時生きる力が試されるやもしれない。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/09/12(水) 00:00:00|
  2. 富良野線
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パッチワークの丘

段丘の上からパッチワークの丘が始まる
なだらかな斜面に点在する樹木が丘の象徴だ

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2017年10月 富良野線 北美瑛

この辺別川の河岸段丘の上は、一面の畑作地になっている。美瑛の丘がどうやって生まれたのかが分かるような眺めだ。この地で稲作が出来るのは、丘陵に谷を刻む河川沿いの僅かな平地だけだ。何処までもうねうねと続く波状丘陵は、畑作地として開墾されてきた。何時しか、その美しく開放的な景観は、背景の白銀の十勝岳連峰と相まって、「丘の町」として観光客を呼ぶようになった。

丘の末端の段丘崖は、開墾が及ばず、鬱蒼とした森として残されている。勾配を嫌う鉄道は、大半がそんな川筋に沿って走っているため、丘陵の上に出ることはない。そのため、パッチワークの丘と絡めての撮影はとても難しい。ちょっとだけ、丘の上の雰囲気が垣間見れるこの場所も貴重な存在だ。いっその事、流行りのドローンでも使えば、素晴しい丘の町の視界が開けるのかもしれない。


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  1. 2018/08/17(金) 00:00:00|
  2. 富良野線
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富良野の長い道

真っ直ぐな道が富良野盆地を横切っている
間もなく十勝岳連峰の頂から冬が降りてくる

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2017年10月 富良野線 西中

富良野線沿線は、東京などの都市部からの移住者が多い場所だ。十勝岳連峰から大雪山へと連なる山並みの眺めは秀逸だ。大雪山系の東側に位置するために積雪量も多いが、それも移住者にとっては魅力のようだ。積雪地域の方が四季の変化が明瞭で、それぞれの季節に楽しみがあるのだろう。沿線には旭川空港があり、東京へのアクセスも申し分なく、写真家を始めとする多くの芸術家も居を構えている。倉本聰氏もそのお一人で、北海道を舞台とした作品を数多く輩出しているが、その代表作である、富良野の麓郷の生活を描いた「北の国から」が、この地の人気の火付け役と云われている。

この朝の富良野盆地は深い霧に包まれていた。仕方なく、線路近くで朝の列車を見送っていたが、昼近くになってようやく雪を頂く十勝岳連峰が姿を現した。ここまで来て十勝岳を撮らないで帰るわけにはいかない。そこで、富良野盆地の東側の丘を探ってみることにした。この盆地の農地は北海道らしく大きな碁盤の目になっている。真っ直ぐな道が、盆地の反対側の十勝岳連峰の裾野まで続いている。途中に富良野線の踏切が小さく見える。どうしてもこの道を撮りたくなったが、線路の手前には通行量の多い縦道が交差し、観光バスも目に付く。車が来ないことを祈りつつ列車を待つこととなった。


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  1. 2017/12/17(日) 00:00:00|
  2. 富良野線
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美瑛の丘

美瑛の丘の影が伸びてきた
夕日を浴びて農作業の手が早まる

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2017年10月 富良野線 美瑛

美瑛の開拓が始まったのは1894年のことで、それまでは神楽村の未開地でしかなかった。1900年に美瑛村として分村し、自治体としての美瑛が誕生した。十勝連峰の噴火活動によって形造られたなだらかな波状丘陵は、畑作地として格子状に開墾され、谷の平地には水田が開かれた。畑作では小麦、大豆、甜菜、馬鈴薯などが作られるようになったが、連作を避けるために格子状の区画毎に、作物が輪作されるため、「パッチワーク」の景観が作り出された。農業機械の大型化で、格子のサイズも大きくなったため、昔のような肌理の細かいパッチは見られなくなってしまったが、その独特な景観は北海道を代表する観光地の一つに成長した。今では、観光客の農地への立ち入りが問題となっているが、この景観は農業生産活動によって維持されていることを念頭に、観光開発を展開して欲しいものだ。

この美瑛に旭川から鉄道が通ったのは1899年のことだ。当初は帯広、釧路へと続く、十勝線(現根室本線)として延伸されていったが、滝川から富良野へのルートが開通した際に、富良野線として分離された。ここ美瑛でパッチワークの丘を往く列車が眺められれば、最高の撮影場所になっていたことは間違いないが、そうは上手い具合には行かない。富良野線は丘の合間を縫うようにパッチワークの丘陵地帯を抜けて行く。そこには耕地化されていない深い林が残り、サイドからの視界は望めない。今回も、幻の抜けを見つけようと探し回ったが、空しく徒労に終わってしまった。丘陵を見渡せる観光用の展望台が何か所かにあるが、どうして富良野線が見えないのか不思議なくらいだ。秋の陽が傾き、丘の影が伸びてきた。次善の策として確かめておいた、周知のポイントで列車を見送ることとなった。


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  1. 2017/11/21(火) 00:00:00|
  2. 富良野線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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