駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

駅舎の灯 千綿 18時06分

どんよりとした空模様の一日が終ろうとしていた
海辺の駅舎にも優しい明りが灯った

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2017年4月 大村線 千綿

大村線に早岐の美しいシゴナナの牽く客レが走っていた頃の、1928年に建てられた初代駅舎をご存知の方には、ちょっと不思議な風景に映るかもしれない。実は、1993年に旧駅舎をイメージして、再び木造で建て替えられている。その際に、駅舎のダウンサイジングと地盤のかさ上げがなされている。旧駅舎よりこぢんまりとした、今では調度いい大きさかもしれない。「青春18きっぷ」のポスターにも登場し、今や押しも押されもしない人気の海の見える駅の筆頭格だ。

無人駅化してから、この駅舎の所有者は地元自治体の東彼杵町だ。町のHP にもちゃんと駅の紹介が載っている。千綿という駅名は合併前の千綿村からきている。活気をなくしていく駅の再生策の公募で選ばれたのがデザイン事務所「UMIHICO ウミヒコ」だったわけだ。デザイン事務所に再建やその運営を任せるのも善し悪しだが、千綿はまずは成功といったところだろう。一昨年カフェも併設され、翌日の仕込みをされていたのか、カレーの良い香りが漂っていた。

訪れたのは、調度そのマシマ・レイルウェイ・ピクチャーズのポスターが撮られた時間帯だ。綺麗な夕日に染まる海と空をお見せしたいところだが、そうは問屋が卸さない。狙い目の快速長崎行きの国鉄急行色のキハ66が定刻に通過していくが、相変わらず生憎の空模様だ。晴れの日もあれば、雨降りの日だってあるさ。与えられた条件下で、その風情を何とか引き出したいのが、写真屋の願いだ。どんよりとした空の下、ゆっくりと静かに光を失ってゆく或る日の千綿駅をお楽しみいただければ幸いだ。


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  1. 2017/05/13(土) 00:30:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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