師走の夕暮時、東京下町に街の明りが灯りだした
トライアングルを行き交う列車が、そろそろラッシュ時間を迎える頃だ

2016年12月 総武本線 浅草橋
内山田洋とクールファイブの1976年のヒット曲に「東京砂漠」というのがある。
♪空が哭いている 煤け汚されて
♪ひとはやさしさを どこに棄ててきたの
♪ビルの谷間の川は流れない
♪人の波だけが黒く流れて行く
さらに、1979年にはクリスタルキングの「大都会」というのもヒットした。
♪交わす言葉も寒いこの都会
♪これも運命と生きてゆくのか
♪裏切りの街でも俺の心に灯をともす
♪わずかな愛があればいい
東京というのは、血も涙もない裏切り者ばかりが巣くう、水も淀んだ汚い場所ということなのか。何か、東京とその住人に恨みでもあるのだろか。東京の片隅とは言え、都民の日には「カッパのバッジ」を付けて、上野動物園に遊びに行った者としては、まったく失敬な歌だ。隅田川にはカッパだって棲んでいたというのに、川は流れないとは何事か。まあ、人間性など関係なく、あまりの速さで進んだ東京への一極集中が、押し寄せる人々の心を蝕んでしまったということだろう。
そんな嘆きの歌謡曲がヒットした時代から40年、東京はどんな街になったのだろうか。空は青さを取り戻し、川はアユが遡上できるまでになった。そこに暮らす人々の心も、晴れやかになってくれていればいいのだが、やさしさや、おもいやりはまだまだのようで、相変わらず満たされない心は揺れ続けている。何時の世も人の悩みは尽きないものだ。
その東京にも今年もクリスマスがやってきた。街は40年前にはなかった洒落たクリスマスイルミネーションで飾られているが、柄ではないので、昨年と同様に東京の夜景をお送りしたい。今回は、鉄道集密地帯の下町秋葉原界隈の師走の夕暮れシーンだ。この界隈で毎晩繰り返される夜景は、生活感溢れる街の灯だ。やはり、おじさんたちの聖夜は、イルミネーションよりもビルの窓明かりの谷間に潜む赤提灯といったところだが、今年はちょうど日曜日だ。今日くらいは家庭サービスとういのも、穏やかな正月を迎えるためにはいいかもしれない。ささやかながらメリークリスマス。








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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真
- 2016/12/25(日) 00:30:00|
- 総武本線
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