駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

小入川橋梁の朝

小入川沿いの集落に、遅い朝日が当たりだした
厳しい風雪の季節を前にした、穏やかな朝の眺めだ

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2016年10月 五能線 岩館

真っ先に消えてしまうのではと気掛かりだった五能線だが、喜ばしいことに観光路線として立派に生き延びている。旅サイトでのローカル列車の旅のランキングでは、常に上位を占める定番の観光路線になっている。これも、「リゾートしらかみ」を運行する秋田支社の観光開発の努力の賜物だろう。「五能線の旅」を標榜する多くのツアーが企画され、夏休みなどは切符の入手が難しいというから大した人気のようだ。絶景海岸を往く五能線のイメージは、広く世間に定着したようだ。

ただ、ヨンマルの普通列車に限ると、海岸沿いの撮影の核心部である岩館-鯵ヶ沢間は、やはり第一級のローカル線と云える。朝晩の通学シフトのダイヤでは、おいそれと途中下車は出来そうもない。轟も人気の秘境駅ということだが、余程の風流人でない限り、次の列車までの待ち時間は辛いものになるだろう。五能線と並行する国道101号線が立派になってしまったので、轟も風合瀬も大戸瀬も秘境感が薄れてしまっているが、今風の秘境駅にはちょうどいいのかもしれない。

この小入川橋梁も久しぶりだが、山側に架かる国道橋の袂には、真新しい立派な駐車場が出来ていた。この有名撮影ポイントを訪れるファンのために、秋田県がわざわざ整備したものだ。観光客を意識しているかは定かではないが、大海原と年代物の橋梁を鑑賞するのも悪くはないはずだ。撮り鉄屋も社会的に認知されたのか、それとも路駐防止のためなのかは分らないが、都合の良い環境が整ったことには感謝したい。朝日なら順光になるやもと思ったが、やはり逆光だった。


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  1. 2017/02/14(火) 00:30:00|
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荒れる日

時化る海と列車の遅延は冬の五能線の風物詩だ
岬の向うから定刻に列車が現れることを祈るばかりだ

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2016年10月 五能線 大戸瀬

前日の夕暮れ時には、穏やかな海に沈む綺麗な夕焼けが眺められ、夕日に輝く列車を見送ったが、海は一夜にして姿を変えてしまった。初冬のこの時期ともなれば、冬型の気圧配置で海が時化るのはこの路線の風物詩だ。五能線にはやはり荒波だと、気合いを入れて望んだが、時々やってくる大降りの雨とカメラを揺らし続ける強風には些か難渋した。この気象では前照灯だけが列車の到来を知らせる唯一の目印だろうから、見逃さないようにその瞬間を待っていたが、幸か不幸かタラコを先頭にして列車はやってきた。鉛色一色の画を想定していたが、微かな紅一点の列車風景となった。

幸いにもこの下り普通列車は定刻に現れたが、その後、ダイヤが大幅に乱れ始めた。あまりの雨と風に駅撮りしようと、ある無人駅のホームをうろついていると、「通過のリゾートしらかみは強風のため一時間以上遅れています。」と放送が入った。その駅にいるのは一人きりだ。普通列車は定刻でも当分来ない。どうも防犯カメラでそこにいる者の目的が分かっていて放送してくれているようだ。このご時世だから見張られているのは覚悟しているが、やはり薄気味悪い。わざわざ教えてくれたのだから文句を言ってはいけない。防犯カメラに挨拶してすごすごと駅を後にした。

国鉄時代にも列車の遅れや運休を知らせる放送が入る無人駅があり、鉄道電話で連絡がとれる駅もあった。特に強風による遅れが多発する五能線では、以前にも無人駅で放送を聞いたことがある。どこのローカル線でも交換設備が次々と撤去され、限られた数少ない駅でしか列車交換が出来ないため、遅れは直ぐに大きくなってしまうので、無人駅で列車を待つ乗客への連絡は怠れない。ただ、防犯カメラが併用され始めたのは、そう昔のことではないだろう。心無い無法者の対策には有効かもしれないが、基本そこにいるのは大切なお客様だ。せめて双方向の連絡手段くらいは用意してもらいたいものだ。


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  1. 2016/11/11(金) 00:30:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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